もれますか?いいえ、もらしません
あーさー
今日は五日ぶりの皇居ダンジョンですが、頑張っていきましょー!
いつも通りKD対策本部に寄ったのですが、突然阿方さんから謝られました。
なんでも、ダンジョン対策本部のほうから北海道ダンジョンの探索を依頼したのに失礼な態度を取ってすみませんと。
まぁ、依頼されたとはいえ、お肉につられて行っただけですし、ちょっと気分を害した程度なので謝罪は受け入れ、もう気にしていないと伝えておきました。
それにしても、阿方さんいつもいる気がしますけどきちんとお休み取ってるのでしょうかね?
あ、昨日までお休みだったんですか。
さて、今日は33階層からですが、とりあえず薬草採取をしてみましょうか。
とるときに鑑定をするんですよね?
なのでまず採取前の薬草と思われる草に鑑定をかけ、ナオルソウを見つけてからそれを採取です。
そして採取中は鑑定をかけ続けたのですが……
引っこ抜いた瞬間に、根が傷つけられそこから魔力が洩れていることが判明。
なるほど、根っこと言っても髭のような細いものもあり、それが抜くときにちぎれてそこから魔力が洩れていたのですね。
その事をみんなに伝え、次は地面から出ている少し上の部分をセラミックナイフで切り取ってもらう事に。
それも鑑定し続けていたのですが、やはり切り口から魔力が洩れている模様。
ただ、先ほどよりは魔力の漏れが少ないのか、最低ランクの薬草だったのが、低ランクの薬草にランクアップしました。
んー、なにか魔力をもれないように採取する方法は無いのでしょうかね?
「周りの土ごと採取する?」
「切る部分を魔力で覆ってみてはどうでしょう?きっと切り口の魔力より周りのほうが薄いから漏れ出るんですよね?」
「漏れないように切り口を焼くのも手かも」
「切り口を焼くって、どうやってよ」
「ナイフを熱く熱しておくとか?」
んー、一番実現が楽そうなのは、土ごと採取?
熱く熱してというのは一見楽そうですけど、焼いちゃってもいいものなんでしょうかね?
切る部分を魔力で覆ってというのは……
魔力って出して塊に出来るのかな?
んー?ウォーターの魔法で出した水って、確か魔力が入ってたよね?
で、出してみると……
「知佳ちゃん、突然お水出してどうしたの?」
「んと、魔力で覆うならこの水使えないかなって」
「あー、魔法で出した水には魔力がこもってるんだっけ?」
「そうそう、ただ垂れ流しだから切り口に掛けながらになるかなって……」
「知佳ちゃん、その水をボールの状態にして維持とかできないかな?」
「ボールの状態?」
「そうそう、出した水をね、この位のボールにするようにイメージして、それをそのまま維持って、無理かな?」
ふむふむ、水の玉を作るイメージで水を出すのね……
まず水を出して……それをここで玉状になるようにイメージを……イメージ……ふぬんっ
「ち、知佳ちゃん。そろそろ水出すの、止めてもいいわよ?」
「ほえ?」
おぉ、水を玉状にする事に集中するために目を閉じていて気が付かなかったのですが、言われて目を開けると目の前に一抱えほどの水の玉が出来ていました。
「そこまで大きくなくていいかな?切る所を覆うだけだから、テニスボールくらいの大きさがあればいいわよ?」
と言う事なので、一度このお水は破棄して……ここで破棄したら水浸しだよね?
というわけで、あっちへポイっとして。
もう一度、今度は少しの量で……出来た!
「こんな感じ?」
「おー、良い感じだね。それじゃそれをこの草の根元の方に移動できる?」
「んー、んんん……」
その言われた場所に移動させようとしたのですが、途中で水がはじけちゃいました。
なので、こんどは水の玉を作る場所を最初からその草の根元にしてっと……
「いい感じです。それじゃ切りますね」
「あ、まって。コップコップ」
「コップ?何に使う……あ、切った後コップに水入れて一輪挿しみたくするのですね」
「そうそう、切った時はよくても、その後放置したら一緒かと思ってね」
そして草のすぐ横にコップを用意され、薫さんが草の根元を切った後、切り口を覆っている水の玉毎コップで掬い上げるようにして中に入れていました。
「あ、水の玉を維持するのに集中していて鑑定かけてないや」
「とりあえず、この草を鑑定してみて」
そして鑑定した結果はというと……ナオラナソウ。
「玲子さん、それナオラナソウ」
「あ……似てるしすぐ横にあったから、同じだと思って鑑定してもらってなかったね」
と言う事で、再度私がナオルソウを鑑定で見つけてからチャレンジ。
同じ様にやった結果、特に注記のない薬草を採取することに成功しました!
これって、普通ランクの薬草って事だよね?
ただ、これだけの事をやるのなら土ごと根っこから採取した方が楽なのでは?
という話も出たのでやってみたのですが、周りの土を掬い取ったところまでは良いのですが……
なんと、その周りについている土を払い落とすと、それと一緒に魔力が抜けていく模様。
「んー、採取した土ごと袋に入れて仕舞うとかしないとダメなのかな?」
「私たちは知佳さんがいますし、水で覆う方法でいいのでは?」
「そうだねー。今後来る人達は、誰か一人がウォーター取れば同じこと出来るし、ウォーターは一人位は取っといた方が何かと便利だしね」
そう、実はこのウォーター、休憩時の飲み水とか、武器を洗うのにこまめに使っているのでかなり使える魔法なんですよね。
とはいえ、私たちはすでに入れてあるお茶を持ち込んでいるので、このお水を飲むことはあまり無いんですけど、ミミちゃんにはこまめにあげてるんですよね。
「まぁ、良質というか、普通品質のナオルソウの採取方法は判ったし、先に進もうか」
こうして今日やる予定の課題の一つを達したので、先に進むことに。