違いが判りますか?いいえ、判りません
さて、手持ちにある薬草を区分けしたのですが……
ナオルソウ
ナオラナソウ
ナオリソウ
シビレソウ
シビレナソウ
クルシミソウ
コリトレソウ
ハゲソウ
ツヤデソウ
ツヤキエソウ
と様々ありますね。と、ここで新たな薬草発見です!
ツヤデソウとツヤキエソウ……これ、薬になるんでしょうか?まあ、後回しにしましょうかね。
そしてこれら薬草のうち効能がありそうなのは
ナオルソウ
シビレソウ
クルシミソウ
コリトレソウ
ハゲソウ
ツヤデソウ
ツヤキエソウ
ですね。
ナオルソウは、薬草なのできっとHPポーションの材料でしょう。
シビレソウは、しびれ薬の材料、クルシミソウは毒草、コリトレソウは血行促進効果、ハゲソウは脱毛剤。
新たなツヤデソウは、艶が出るとそのまま、ツヤキエソウも艶が消えるとそのまま……
これで飲み薬作ったらどんな薬になるんでしょうね?効果の出方がいまいちわかりません。
そういえば美雪伯母さんが脱毛剤を強く推していた記憶。
それと同時にハエソウを強く希望していたのが高志伯父さんとお爺ちゃん。
まだまだ大丈夫だと思うんだけどなぁ、きっと商売としてって事だよね?
まぁ、今私に影響ありそうなのは、やっぱりナオルソウで作るHPポーションだよね?
と言う事で、まずはこれを使って色々やろうと思ったのだけど、どうやらそれぞれの薬草を写真に撮る様で、薫さんが何やらカメラの準備をしています。
あぁ、以前言っていた薬草図鑑を作るための写真を撮るのですね。
何やら机の上に小さい撮影ブースまで用意して、結構本格的ですよ?
なので、それぞれを1つづつ渡してあげたのですが、区別がつかない模様。
私も鑑定しないと違いが判らないのですが、とりあえず葉っぱの表と裏、あとは全体を撮影するようです。
まぁ、間違い探し的に見ればきっとどこかに違いがあるのでしょう。
間違ってもかじってみて味で判断!とかでは無いことを祈りましょうかね。
さて、今回ナオルソウ以外は使わない予定なので、撮影分以外はしまっちゃいます。
そしてナオルソウ、根っこから引っこ抜いてきてもらったので1本丸々あるのですが、前回は根っこだけ取って全部をすりつぶしてってやったんだよね。
今回も取りあえずそれで行こうかな?
と、ここで何やら玲子さんが上から垂れ下がっていた太いパイプ?ダクトなのこれ?を下げてきました。
なんでも、スイッチを入れると掃除機のように空気を吸いだしてくれるんだとか。
あー、前回は匂いが凄かったですからね、これで匂いを外に出すんですね。
まあ、あれは煮込んだ結果ですからね、まだひどい匂いはしないでしょう。
そして前回に引き続きすりつぶそうとしたのですが……
「知佳さん、せっかくなのでその薬草、それぞれの部位に分けて個別鑑定してみませんか?」
と、どうやら撮影の終わった薫さんからの提案が。
「個別鑑定?なんで?」
「小説なんかだと、葉っぱ部分に薬効があったり根っこにあったりと様々なので、実際に鑑定して薬効のある部分だけを使うと良いかなと」
なるほど、てっきり薬草だから全部に薬効があるのかと思っていましたが、確かに葉っぱだけを取ってくるなどの描写がある作品もありましたね。
となると、どこをどう分けるかですが、なるべく細かく分けた方が良いのかな?
確かお茶なんかでも先っぽの方とか根元のほうで味とか変わるんですよね?
と悩んでいると、楓さんからも提案が
「ところで知佳ちゃん、鑑定ってかけ続けること出来る?」
「かけ続けるの?鑑定かけると、すぐ結果出るよ?」
「かけ続けながら何かやれば、変化が見れるかもしれない」
「ん?変化?」
なんでも、測定用の機械などは常に測定対象の状態を見ているのだとか。
そうして、どの段階で変化があるのかを常にチェックするんだそうです。
なので、今回も常に鑑定をかけ続けることが出来るのなら、その状態でやれば薬効の抽出をどこまですればいいのかわかるのでは?との事でした。
んー、かけ続ける……いまいちイメージがわかないですね。
「とりあえず、ビーカーにぬるま湯を入れて温める」
ふむふむ。ぬるいお湯って出ますね。
「これを鑑定し続ける」
そのままぬるいお湯って出ます……暖かいお湯に変わった!?
「鑑定結果が途中で変わったよ!」
「なら、何か作業をするときに鑑定し続ければ、変化がみられると思う」
なるほど、確かにそうですね。
これなら薬草を煮出している時に、煮出す辞め時が分かるかも!
となれば、せっかくだから薬草をばらすところから鑑定し続けましょうかね?何事も慣れですからね。
ということで、まな板の上に薬草を置いて、それぞれの部位に果物ナイフで切り分け……
んん?切り分けると変化が……
「むぅ……」
「どうしたの知佳ちゃん」
「えっとね、さっそく鑑定しながらやってみたんだけど、ナイフで切ると、鉄分により成分が変化とか出た」
「え?成分が変化したの?」
「なんか、鉄に触れたことにより苦みが増したって出た」
そう言うと、楓さんが
「どんどん切るべき」
と言い出したのですが、私は苦いお薬は嫌ですからね!
それにしても困りました。どうしようかな……
「鉄がだめなら、セラミックナイフを持ってきましょうか?」
「セラミックナイフ?あ、あの白い包丁?」
「そうです。あれなら非金属なので大丈夫では?たぶん厨房にあると思うので予備が無いか聞いてきますね」
と言う事で、持ってきてもらったセラミックのペティナイフで切り分けた所、特に鑑定結果に変化は起こりませんでした。
「おぉ、これだと変化なしだ。ちなみに素手でちぎると……」
結果としては、ちぎれた切り口より魔力が流れ出て薬効が激減したようです。
その事を伝えると
「今後ダンジョンに行くときは、採取用にセラミックナイフを持って行った方が良いのかもしれませんね」
「前に採取したときに土から引っこ抜いた時も、もしかして魔力が抜けたりしていたのかな?」
「だから薬草のランクが最低ランクなのかもしれないね」
「かもしれません。今度行った時は、採取中に知佳さんに鑑定してもらいましょうか」
ということで、次にダンジョンに行った時の課題が一つ増えました。
まぁ、それは次回行った時と言う事で、今は出来ることをやりましょうかね。
そうして、セラミックのナイフで根っこ、茎、各葉っぱと切り分けて行ったのですが……
どうやら茎に薬効が一番ある様です!
その事をみんなに伝えると
「なぜ茎!?普通は根っこか葉っぱじゃないの?」
「そういわれても、そう鑑定結果がね?あ、でも葉っぱを鑑定しても少しは薬効があるみたいよ?あと根っこも」
「となると、一応丸々使っても薬にはなるんですね」
ここでね、茎に薬効があると判ったので、せっかくだから葉っぱの付け根から茎までの部分もバラしましょうかね。
と言う事でばらしたのですが……
「ねぇねぇ、この葉っぱについてる茎の部分が一番薬効あるみたい」
「んー?どういう事なんだろう」
「地面から吸い上げた魔力を茎を通して行き渡らせているからか、はたまた光合成で薬効を生成して茎を通して全体に行き渡らせているからかですかね?」
「知佳ちゃん、葉っぱから葉脈も外して鑑定してみるべき」
葉脈……あぁ、葉っぱのこの筋みたいなのでしたっけ?
確かにそこも薬効ありそうですね!
という訳で、ナイフを使って葉脈を……
「あっ」
「あーあ、やっちゃったねぇ」
葉脈だけを切り離そうとしたのですが、さすがにペティナイフの大きさでこの細かいのを切り離すのは難しく、最終的にはかなりズタボロ状態に……
それを見ていた薫さんが
「この作業用にデザインナイフくらいのサイズのセラミックナイフを用意した方がよさそうですね」
と新たな道具の提案をしてくれました。
そしてそのズタボロになった葉脈と葉っぱはというと、どうやら葉っぱのほうは苦みがとても強いうえ、薬効についてはほとんどないどころか、若干抑える効果まである様です。
それにもかかわらず葉っぱ全体で薬効があると言う事は、葉脈だけを取り出せればかなり良い薬の材料になるかもしれませんね!
これはますます新しい道具が待ち遠しいです。
そして今回分かった薬効の多い順で言うと、
一番上にある出来たばかりの葉 > 葉脈 = 葉っぱの付け根の茎 > 薬草の茎 > バラす前の葉っぱ > 根っこ > 葉脈なしの葉っぱのみ
となりました。
「んー、それだと、根っこは残す方向の方が良いのかな?」
「小説なんかだと根を残して採取すると、次回も生えてきやすいとかありますしね」
「ダンジョンの植物にそれが当てはまるかはわかりませんが、試せるなら試してみたいですね」
ということで、さらに次回試してみたい事が増えました。
もっとも、どんどん先の階層に進む私たちにはあまり関係は無いかもしれないのですけどね。
そうこうしているとお昼の時間が近づいてきたので、テーブルの上を片づけてご飯にしましょうかね。