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スキル『砦』を使って快適ダンジョンライフ  作者: 日進月歩
第四章 ダンジョン発生から一月経過
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メンバーをばくりますか?いいえ、ばくりません


 やってきました北海道!


 空港からの移動はどうやらバスをチャーターしてあるようで、観光バスっぽいのが空港前に止まっていました。

 しかもこのバス、普通に真ん中に通路があって、左右に座席が2列並んでいるタイプではなく、テーブルがあったりソファーがあったりと、めちゃくちゃ豪勢です!


「こんな観光バスあるんだねぇ」

「これはね、今回行くホテルの物で、ちょっと豪勢な旅行をしたい人たち向けのラウンジバスなんだよ」


 との事。確かにこれは豪勢ですし、移動も楽そうでいいですね!

 そしてこの後は一度ダンジョンに向かい、夕方まで私たちはダンジョンアタック。

 お爺ちゃんと伯父さん、あと二人の秘書さんはお仕事があるそうで、別の車で移動するのだとか。

 曾お婆ちゃん達はダンジョン近くで私たちを待っていてくれるとの事。


 移動中、外を見ると周りは畑ばかりで広々としてのどかな風景があります。

 それを見ていると心が落ち着きますね。

 とそんな中、何やらヨーロッパ風の建物がちらりと見えた気がしましたが……


「あぁ、あれはドイツの建物だよ。10年以上前に閉園になったけれど、ドイツから直接持ってきた建物を移築したテーマパークがあったんだ」


 との事。閉園になる前に一度来てみたかったですね。

 とはいえ、閉園になったのはどうやら私が赤ちゃんの頃のようなので、たとえ来ていたとしても記憶にないでしょうけれど。


 そして途中一度コンビニに寄ったのですが、私は降りずにバスで待機、甘い飲み物と何か軽くつまめるものを頼みました。

 そして買ってきてもらったのがゲン勝という乳酸菌飲料と、カラッと揚げ太郎という唐揚げでした。

 ミミちゃんも食べられる物との事で、さすが玲子さんですね。


 そして入れ物についていた爪楊枝を使って一つ食べたのですが、それを見ていたミミちゃんがちょーだいって言ってきたので、一つを指でつまんで半分かじり、残りをフーフーして冷ましてからあげました。

 せっかく爪楊枝で手が汚れないようにしたのに、意味がなかったです……


 途中市街地も通り、再び畑がある地域を通って着いたのはどうやら運動場の様子。

 なんでもここは野球場から陸上競技場、はてはテニスコートやアーチェリー場など様々な運動施設があるのだとか。


 そこでね、アーチェリー施設があるそうなので、矢を追加で買ってほしい旨伝えたのですが……

 すでに予備の矢を持ってきてくれていると榊さんに言われました。


「実は二条グループでも今後の為に新規開発していまして、今回ダンジョン用に作った試作品が上がってきているとの事で6ダース受け取ってきていますよ」


 との事。さすがお爺ちゃんや高志伯父さん、先を見る目があると言いましょうか、やり手ですね。

 これで残りの矢の本数を気にすることなく攻撃ができます。


 バスはそのまま陸上競技場の駐車場へ近づいて行ったのですが、そこには自衛隊のものと思われるトラックが数台。

 その横には仮設の休憩所などでしょうか、大きいテントがいくつかあります。


 そして駐車場入り口前では検問と言うのでしょうか、自衛隊の方達が立っていますが、榊さんが出て行って何やら少しお話をすると通してもらえました。

 その後、駐車場を素通りし、競技場入り口前でバスは停車し、私たちはここで降りるそうです。

 あ、お婆ちゃん達はこのまま少し移動して、別の場所でお茶をして待っていてくれるんだとか。


 そして競技場に入ると、真ん中にどでーんとダンジョンがあり、その周りにやはりプレハブがいくつか立ち、そのうちの一つを着替えに使ってよいとの事ですが……


「あら、なまらとてもこまい子がいるべさ(小さい子がいるわね)

わや(むちゃくちゃ)めんこくない(可愛いくない)?」

「でも眠そうだべさだよね

「あの子もダンジョンに入るのかな?」

「あんな子が入るわけないべさでしょはんかくさいばかな事言わないで」

「そもそも足怪我してるみたいだし、見学だべさじゃない


 などと、これから潜るのでしょう、装備で身を固めている女性自衛官の方達に囲まれて色々言われ始めました。

 メインの話題は私……ですよね?


 と思っていると、榊さんが対応してくれる模様。

 そして説明を聞いて驚いていましたが、さすがに沙織さんはまだしも、私を見てまだ小学生なのにダンジョンに連れて行くのはとか、いろいろ言われています。

 まあ、小さいですしね!でも、内容としては心配してくれているようなので私は黙っていることに。


 すると、隊員の一人の方が私の前にきてしゃがみ、目線を私に合わせて


「あんた本当に自分の意思で来てるの?無理やりとかじゃない?何ならメンバーを私たちとばくる(交換する)?」


 と聞いてきてくれましたが


「いつもみんなと一緒なので大丈夫です!」


 と元気よく答えると、多少驚いていましたが納得した様子。

 まぁ、一般人なのになぜダンジョンに?と言ったことは聞かれなかったので、一応事前に話は聞いていたのでしょう。

 聞いてはいたのでしょうが、私を見てさすがに心配して、といった感じでした。

 その後は怪我しないようにねなどと、いろいろ気遣った声をかけていただき、彼女らはダンジョンへ入っていきました。


 その後は私たちも指定されたプレハブで本気装備に着替え、上に薄手のコートを羽織って装備を隠していよいよ新しいダンジョンへアタック開始です!


 あ、入る前に自衛官の方達から、彼らが普段使っているという剣と槍を一つづつ借り受けました。

 理由は例の羊対策、私たちが普段使っている武器だと強すぎて判らない可能性が高いので、彼らが普段使っている武器で何とかなるか試すためです。


 というわけで、やってきました新ダンジョン。

 中は相変わらず同じ石造りの迷路ですね。

 地図はもらっているので、現在地を確認して出口へ向かってゴーです。

 あ、移動方法はね、いざとなればバレても良いというのと、早く羊や牛を倒したいので自転車です。

 もっとも、私の車椅子が誰に押されることなく動いているというのは、実は秘密のようで秘密ではなく一部の人にはすでにバレていて、自衛官の方達にも私たちの事については何を見ても口外してはいけないときつく口止めされているそうなので、最悪はバレても大丈夫なのだそうです。

 まぁ、いつまでも隠し通せるものでもないですしね。


 そんなこんなで第一階層、ここはホワイトウルフが出るそうなのですが、要は白いだけのウルフですね。

 何か特殊攻撃をしてくるわけでもなく、氷系の攻撃に耐性があるようなのですが、沙織さんの攻撃でも一撃でした。

 ドロップ品はね、白い毛皮なのでその点はちょっと嬉しいかな?

 でもドロップ品としては特に美味しいわけでもないのでサクサクと進み、第二階層へ。


 ここはホワイトオウルという、白いフクロウです。

 ただのアルビノじゃ?とも思ったのですが、北海道だし雪が降った時のために白いのかな?

 そしてこいつも大したものは落とさず、美味しい敵ではありません。

 こいつも氷耐性があるようですが、アイスニードルでも一撃で倒せました。


「さすがに低階層だと手ごたえ無いわね」

「さすがにこの辺は今のわたくし達では仕方ないですよ」


 などと言った会話もありますが、さくさくっと進み、第三階層へ……


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短編を書いてみました


勘違いからの婚約破棄騒動


お暇でしたらこちらもよろしくお願いします
― 新着の感想 ―
[一言] 北海道で、唐揚げは『ザンギ』と言います。 本州の唐揚げとの違いは、醤油、ニンニク、生姜、スパイスでしっかりとした下味がつけられている所です。 北海道民の代表的なソウルフードの一つで、ジンギス…
[一言] 関東民ですが北海道弁は「道産子ギャルはなまらめんこい」を読んでいるから親しみができていたりする
[良い点] 十勝民かつアーチャーなので(笑) [気になる点] 北海道弁が少々キツすぎるかな。 [一言] 夜はモール温泉ですね。 豚丼とインディ○ンカレーと牛乳も ヨロシク(^-^)/
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