海外旅行ですか?いいえ、国内です
本日の報告も無事終わり、お家に帰宅です。
帰りの車での話題はね、私が後ろに吹っ飛んだことがメインで少し弄られたりもしましたが、あれホントびっくりしたんだからね!
そして夕食後にいつもの報告会ですが
「シガラタヌキの睾丸……」
「精力増強……」
「滋養強壮ね、これだけの量だと調査に回すのも……」
「まあ、どう料理するかは料理長に任せましょう」
と、お酒は喜ばれたのですが、それ以上に新しい食材?の睾丸に注目が行っています。
とはいえ、量が少ないのでね
「それ、量少ないしお爺ちゃんと高志伯父さん、いつもお仕事で疲れてるだろうから食べちゃっていいよ」
「そ、そうかい?ありがとう」
とどこかひきつったような表情でお礼を言われましたが、何か変なこと言ったかな?
皆も何か微妙な雰囲気だし、ちょっと食べるには勇気のいる珍味的な何かなのでしょうか?
そんな微妙な雰囲気を払拭するように
「ところで知佳ちゃんや、以前言っていたピクニックの件なんだけどね」
ほうほう、なにやら北海道に行くとまだ桜が見れるのですね。
でも、花見の為に北海道までと言うのはどうなのでしょう。さすがに大げさすぎるのでは?
そう思って聞いてみると、他にも用事があって、どうやら花見の候補地の近くにもダンジョンがあり、そちらで変わった敵が出て対応に難儀しているので、私たちにも戦ってもらって何か解決策がないか考えてほしいと言うのが一つ。
もう一つは、二条グループ出資で温泉街にホテルを立てているので、家族旅行がてら視察したいのが一つ。
あ、ホテルの視察と言うのはおまけで、家族旅行がメインらしいです。
まあ、花見のためだけじゃないなら、良いのかな?と思っていると
「知佳ちゃんがほかのダンジョンまではちょっとと言うなら、ダンジョンは抜きでもいいんだよ?」
「そうそう、羊と牛が出るらしいけど、知佳ちゃんが嫌なら別にいかなくても」
「羊!牛も!?それって、ジンギスカンとステーキが出る?」
「いや、ジンギスカンもステーキも料理方法だから直接は出ないんじゃないかい?でも、羊肉や牛肉は出るだろうから、料理してもらえば食べられると思うよ?」
「いきたいっ!」
そういうと皆さん暖かい目でこちらを見てきますが、今までジンギスカンは一度しか食べたことが無いし、牛肉も近衛の家にいたときはほとんど食べたことが無いですからね!
しかもダンジョン産の美味しいであろうお肉、チャンスがあるなら見逃す手は無いですよね!
「それにしても知佳ちゃん、最近食いしん坊になったねぇ」
そう言ってくるのは昔から私を知っている玲子さん。でもそうはいってもね?
「だって、みんなと食べるご飯美味しいんだもん!」
そう、料理そのものも二条家で出されるものはどれも美味しいし、みんなと一緒に食べるとさらにおいしくなるのです!
なのでそのことを力説してあげると、皆さん嬉しそうに同意してくれます。
そしていつ行くのかですが、明日の午前中に出発しようと言事になりました。
ずいぶん急じゃない?と思ったのですが、今から連絡を入れれば問題ないとの事……そういうものなんですね。
という訳で、明日の朝でて、お昼頃向こうに着く予定で行こうと言う事になりました。
……
あーさー
今日は北海道旅行です!ジンギスカンに牛肉に、他にもいっぱい美味しい物があるんだとか。
ご飯を食べた後、美雪伯母さんに髪をセットしてもらい、服装もちょっとお洒落をして出発です。
ミミちゃんですか?せっかくの家族旅行ですし、連れて行ってもいいとの事なのでミミちゃんも一緒です!
空港までは車3台に分かれて移動です。
私はいつものメンバーなのでね、話題は北海道でのダンジョンで出る敵の情報が主な話題です。
……ごめんなさい、正確にはその敵が落とすドロップについてです。
1~5階層では今まで戦ったことのない敵ばかりなのですが、特に話題になったのが5階層で出る羊のドロップであるお肉と羊毛、そして10階層のボスが落とすお肉ですね。
今からどんな味なのか楽しみです!
あ、ちゃんとほかの敵の情報も提供されているので把握してますよ?
予習は大事ですからね!
それにしても、地域によって出てくる敵が変わっていますが、その地域に元々いる動物なんかが影響をしているのでしょうかね。
その辺はもっといろんなダンジョンに行けば判るのかな?
そして1時間ほどで東京湾に浮かぶ空港に到着。
そこで出発手続きを取って飛行機に乗るのですが……何やらいっぱい人が並んでいる横をみんなして素通りしていきます。
並ばなくていいんですかね?
そう聞いてみたのですが、美雪伯母さん曰く
「あっちは定期便、こっちはチャーター便だから何も問題ないのよ」
との事でした。
チャーター便ですかそうですか……どんな飛行機を借りたんでしょうかね?
それにしても、さすが二条家と言ったところでしょうか、初めて乗る飛行機がチャーター便になるとは思ってもみませんでした。
そこにあった飛行機はと言うと、本当にチャーター便なの?と言う大きさの飛行機で、当初はビジネスジェットと言うのでしょうか?10人くらい乗れる小さなものをイメージしていたのですが、向こうに見える飛行機と大差ない大きさに見えます。
なんでも内装的には20人位しか乗れなくなっているんだとか。
そして飛行機の中で会議とかもできるそうです。
座席を取っ払って色々できるように改造された物なんですね。こんなの借りるの、幾ら掛かるんでしょう?
あ、これ厳密には借りたんじゃなくて二条グループ所有の飛行機ですかそうですか……お金持ちって怖い!
まぁ、驚いていても仕方ないのでね、素直にみんなについていくことにします。
飛行機の中では車いすから飛行機の座席に座りなおしたのですが、さすがと言いましょうか魔改造された車椅子に勝るとも劣らない座り心地。
思わず寝ちゃいそうになりますが、初めての空の旅を寝て過ごすのもあれなのでね、頑張って起きてましょう。
ミミちゃんはね、つれてこれたのですが、一応小型のケージに入れたままなので、膝に抱えてます。
ミミちゃんも初めて見る飛行機の中に興味津々なのか、あちらこちらをきょろきょろ見て、ケージから出たがっていますが、ここでおしっこされちゃうと色々困るので大人しくしていてもらいましょうね。
そして空の旅、動き出して少しすると車でスピードを出した感覚がしだしました。
外を見ると景色がどんどん後ろに流れていきます。
それから少しすると、ぐぐーっとシートに押し付けられる感じが強くなり、後ろに倒れだしたかと思うとさらに押し付けが強く!
窓から外を見ると30度くらい傾いている気がしますが、落ちたりしないんでしょうかこれ?
みんなは平然としているのでこれが普通なんでしょうね。
その状態がしばらく続くと徐々に傾きが収まっていく感じがしますが、耳がちょっと詰まった感じがします……
ミミちゃんを見るとどうやら同じ感じらしく、耳をしきりに後ろ足で掻いていますね。
しかしそれも直収まり、窓の外を見ると雲の上にいます!
するとポーンと何やら音がして、ベルトを外してもよくなりました。
でも、1時間ほどで着くらしいのでね、私はまた車椅子に乗るのもあれなので、ベルトはしたままにしておきます。
ミミちゃんはそわそわして落ち着かないので、玲子さんにお願いしてどこかで一度出して息抜きをさせてもらう事に。
そうして隣に座っている沙織さんと色々話をしていると、そろそろ北海道上空との事で外を見たのですが、大きな大地が見えます!
「うわあ、私もとうとう海外へ出るのか」
「知佳ちゃん、北海道は日本だから海外じゃないのよ?」
「でも、本州からみたら一応海を渡るわけだから、海外と言えないこともないよね?」
「あー、そうね。そういう見方すると、海の外と言う意味では海外と言えないわけじゃないけど……」
「だよね、これで海外留学の言い訳もちょっとは現実味を帯びるよね!」
そう、海外留学という建前のお話、受けようと思っているのですが実際に行っていないと会話の中で絶対ぼろが出ると思うんですよね。
でも、北海道とはいえ海を渡ればそこは一応海外。留学自体はしていなくても海外(国内)に行ったという事実があればなんとかなるはず!