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スキル『砦』を使って快適ダンジョンライフ  作者: 日進月歩
第四章 ダンジョン発生から一月経過
185/232

見つかりますか?いいえ、見つかりません


 そこにいたのはなんと、体長2mほどもある大きな蛇でした。


「へび?」

「蛇だね」


 と言う事で、ドロップに変わる前に鑑定した所、パラライズスネークと判明。

 しかも特殊効果に噛みつきによる麻痺毒があるのだとか、みんな危険だよ!

 その事を伝えると


「榊さんの魔法でかなり弱っていたし、大丈夫よ」

「しかし、地面を這いずってくる敵がいるとは、地形も考えるとますます警戒を……知佳さんの索敵があれば大丈夫ですね」

「だねぇ。ただこの階層に来るなら直感か気配察知のスキルを持ってないと、かなり危険だね」

「周囲警戒だけで気疲れしそうですよね」


 などと会話がありましたが、この敵からのドロップは魔石と毒消しの初級でした。


「さすがに蛇から肉は出ないか」

「生き血と言うのもあるかもしれませんよ?」

「蛇皮……お財布……」

「お肉はまだ食べる気になりますけど、血はちょっと……」

「でも強い蛇の血は、ゲームなどだと薬の素材になったりもしますし」


 などと、ドロップを見た結果若干不穏な会話もあり、蛇なら蛇皮を落とせという発言もあったのですが気にせず先へ進むことにしましょう。


 その後もう一度蛇が出ましたが、今度は判っていたので見つけると同時に弓で攻撃した所、地面に縫い付けることに成功したので皆さん魔法で攻撃をして倒しました。

 近づかなければ噛まれることもないですしね、安全第一なのです!


「この辺の敵も問題なしね」

「ですね。なにより知佳さんの索敵能力がすごすぎます」

「索敵と言うか、状況把握って能力なんだけどね」

「周りの状況を把握できるんだっけ?地図だけじゃなくて敵のいる位置も判るってすごいよね」

「でも、地図上に点が出てそこに敵がいるって判るだけだから、今回みたいに地面にはいつくばっていると判りづらいよね」


 もっとも、どんな敵がいるのか分かればそれも問題ないとの事でした。

 確かに来るパターンが分かっていれば、それに対応することはできますよね。

 その後もう一度蛇が出たのですが、今度は藪などが少なく敵の視認性がよかったので、魔法を使わずに倒すことに。

 結果あまり傷を付けずに倒すことが出来、今回のドロップには見事蛇皮が出ました。

 これで倒し方でドロップが変わる可能性が濃厚になりましたよ?


 そして出口についたのですが、まだまだ時間はあります。


「32階層も行く?時間はまだ大丈夫だよね?」

「そうね、32階層は大丈夫だからいこっか」


 というわけで32階層に移動です。


 この階層も先ほどと同じように森林地帯ですね。

 またもや出口へ向かって塀で道を作りどんどん進んでいきます。


「ここも新しい敵が出ると思ったほうがよさそうね」

「ここはどんな敵が出るんでしょうね?」


 ちょっとだけ新しい敵にびくびくしながら進みますが、考えてみれば三十メートル以上前から敵がいるのは判るわけですし、結界もあるのでびくついても仕方ないですね。

 と言う事で、それに気が付いてからは今まで通り進みます。


 進んだのですが……


「ちょっと左に何かいるよー」


 そう注意したのですが、今度は草がガサガサしません。

 ちょうどその方向に少し大きめの木があるし、木の陰に隠れていたりするのでしょうか?

 ですので、警戒しながらそちらのほうに近づいていきますが、一向に出てきません。

 のこり10mほどと言うところで葵さんから


「そろそろアトラクトを使うので注意してください」


 と指示が来たので、皆さん木の影を重点的に注意しながら警戒です!

 そして葵さんがアトラクトを使った次の瞬間、突然私の視線の少し上に何やら……よく見てみると


「ぎゃあああーーーーー!?!?」


 胴体の大きさが1mほどの大きさの蜘蛛が張り付いていました!

 それを見た私はと言うと、叫び声をあげ、それに目線を固定されたまま後ろに3mほど飛ぶように下がりました。


 もちろんそうすると皆が結界の範囲から出てしまう訳で……


「くっ、暑いって事は知佳ちゃんの結界外か」

「大丈夫、まだ私のほうに意識が来ています、落ち着いて横から攻撃してください!」

「そこですっ!」


 と、私が突然の事にびっくりして呆然ぼうぜんとしている中、皆さんはどうやら先ほどの蜘蛛と戦っている模様。

 そのまま少しの間呆然としていたのですが、その間に蜘蛛はどうやら葵さんに飛びかかったのか、葵さんがシールドバッシュで敵を叩き飛ばし、飛んでいった先へ玲子さんと沙織さんが魔法で攻撃をしています。


 私も弓を構えて狙い撃とうとするのですが、手が震えて狙いが定まりません。


 そうこうしている内にどうやら倒した様です。


「知佳ちゃん大丈夫?」

「う、うん……」

「知佳さん、まだ震えてますよ?大丈夫、もう倒しましたから」

「う~、びっくりしたー。というか、今気がついたけど、わたし今3mほど後ろに飛んだよね?」

「うん、突然すっ飛んでいったからびっくりした」


 どうやら後ろ側にいた楓さんにはすっ飛んでいったように見えた様子。


「あ、あれだね、漫画とかでびっくりして後ろにふっ飛ぶシーンあるけど、あれ現実で起こるんだね……」


 ほんと、漫画とかを読んでいて「そんなのさすがにないでしょー」とか思っていましたが、現実に自分でそれを再現するとあれは誇張表現じゃないんだと思い知らされました。

 とはいえ、私の場合は意識がそう動いて、それに対して車椅子が反応した結果なのでしょうけれどね。

 それにしても、まだ心臓がドキドキ言ってます……


 そしてドロップは、魔石と糸巻きに巻かれた糸ですね。


 あぁ、また鑑定忘れちゃいました……ま、まあ敵は下だけじゃなくて上にもいたと判ったので良しとしましょう。


「しかし、下の次は上からか。敵もあの手この手で来るわね」

「確かに森の中なら上から来る敵も想定しておくべきでした」

「ゲームではこういうの判らないよね」


 などと、皆さんも想定していなかったとフォローしてくれています。

 ですが、この快進撃はわたしの結界を頼りにした面も少しはあると思うので、これからはみんなを危険にさらさないよう気を付けないとですね。

 じゃないと誰かが怪我しちゃいますからね。


「まぁ、次からはもっと早くに見つけられるだろうから、見つけたら早めに魔法で対処していきましょう」


 と言う事で落ち着き、鑑定するのを忘れたのを謝り、さすがに仕方ないと慰められ、少しだけ休憩して先に進みました。


 その後はね、敵が一匹の時は上と下をまず重点的にチェックして、見つけたら魔法で攻撃と言う方法を取ることで先制を期して、私も驚くことなく(蜘蛛はちょっと気持ち悪いけど)きちんと攻撃し、問題なく進んでいきました。

 そして、途中蜘蛛の巣を張っているジャイアントスパイダーもいたのですが、あれはいい的でした。

 ボーナスステージと言うやつですね!


 あ、蜘蛛の鑑定結果は毒とかは無く、名前もジャイアントスパイダーと見た目そのままでした。


 そんなこんなで32階層の出口につき、そろそろいい時間になったので33階層に一度行って帰ることにします。


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短編を書いてみました


勘違いからの婚約破棄騒動


お暇でしたらこちらもよろしくお願いします
― 新着の感想 ―
[良い点] ダメージはないけどノックバック発生 アクションゲームなら穴に落ちるやつだ… 遠くから倒さなきゃ…!
[良い点] テンポが良い 読みやすい [一言] 更新楽しみにしています!
[良い点] もし巨大Gとかいたら戦闘能力以外の面でやばそうですねw
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