違う戦い方をしますか?いいえ、以前通りです
皇居ダンジョンに来たのですが、丁度お昼の時間なのでね、先にプレハブのほうでお昼にすることに。
そこでKDアタックチームの女性の方達にも会い、以前上皇后陛下経由でDPを渡したことというか、その中でも特に浄化についてお礼を言われました!
やっぱりゴブリンと戦ったときのあの匂いはきついですよね!
皆さん自分で自由にできるDPが手に入るようになったら、1チームに1つ浄化を取るのが目標なんだそうです。
そこでちょっと気になったので聞いてみることに
「自分で自由にって、いまのDPは?上に取り上げられてるの?」
「取り上げられる……はたから見たらそう取れるかもしれませんが、その辺はもともとの契約と言いますか……」
「国家公務員だからね、仕事中に入手した物は自分のものにならないという規約があるのよ。とはいえ、地球の意思の声の事もあるから、取得した素材なんかは現在各チームごとに記録されていて、あとで何らかのバックがあると言う事でみんな納得してるの」
「そうそう、ダンジョンに入る条件の一つがそれへの同意だしね」
となっているそうです。なるほど、私たちみたいに自由にできるわけじゃないんですね。
もっとも、私たちも対外的には二条グループからの依頼と言う事になっていて、取得した物はこちらが必要と思うもの以外は渡すというか、買い取ってもらうという契約になっていますし、同じようなものなんでしょうね!
その他には、最近匿名掲示板でダンジョンについてどういう話題が出ているのかなどを教えてもらいました。
こちらの事を特に探るような内容は一切なかったのは、気を使ってもらってるのでしょうかね?
そしてご飯を食べたらいよいよダンジョンです、自衛隊のお姉さんたちに挨拶をしていざ出発です!
みんなの要望通り30階層に再度挑戦なのですが……考えてみれば森の中を塀を使っての移動試験もできますね!
そして敵が出たときは、みんな新たに覚えた魔法を使って攻撃し威力のチェックをしています。
わたし?私はミミちゃんを撫でつつ周囲警戒と言う名のさぼりです!
いやね、私が出るまでもなく敵がサクサクと倒されていくのですよ。
とくに榊さんのロックストーム、あれは凄いです!
何が凄いって、ゴブリンの集団が出たときに使ったんですけどね、もうね石の嵐と言うんでしょうか、一定範囲内に小型の竜巻が起こっているのですが、その中を一握りくらいの大きさの沢山の石が飛んでいてですね?
見ているだけですごく痛そうでした!
そして魔法が切れた後立っている敵がいないので見に行くと、もうぼっこぼこ状態でひどい有様でした。
結果として、素材採取と言う点でみてもちょっとこれはと言う事になり、使用する相手を選ばないとねと言う話になりました。
もっとも、ゴブリンは碌なもの出さないのでゴブリンだけのPTの時は使う方向ですけどね。
そして森の中、私が塀を出して車椅子のままどんどん進みます!
隊列はと言うと、一番前に葵さん、その後ろを私がつづき、私の後ろには沙織さん、玲子さん、榊さん、楓さんの順で、時たま前に来る人が入れ替わっていますよ。
先頭の人はね、道の上に出っ張ってきてる枝を払って進んでくれています。
敵が出たときはみんな周りに散開して対応するのですが、ここでも新しく覚えた魔法が大活躍しまして、何の問題もなくサクサク進んでいきます。
そうして前回と比べ、格段に短い時間で森を抜けることに成功!
30階層ボス部屋に移動し、ボス戦なのですが……
「ここは、面倒くさいからサクッとやっちゃいましょう」
「知佳ちゃん、前と同じのお願いね」
「はーい。あの後ね、信楽焼の狸をネットで調べたら画像が出てきたから、今回はもっと効率的に行けると思うよ!」
そして出てきた敵の股間、そこにある膨らみの右側を狙って
「あ・た・れっ」
そう願って射ると見事狙い通り命中し、シガラタヌキはまたもや七転八倒と言う表現がぴったりな暴れっぷりで、地面でのたうち回っています。
そこに榊さんがロックジャベリンを打ち込み、すでに駆け寄っていた玲子さんと沙織さんが止めとばかりに攻撃を仕掛けます。
今回も敵に一切の反撃を許すことなく無事倒し、ドロップ品はと言うと魔石、毛皮の他はお酒の瓶が1つに鶏卵位のお肉?が一つでした。
「今回はスクロールなしかぁ」
「レアドロップなのかもね」
「この丸いお肉っぽいのは何だろう?」
「知佳ちゃん、鑑定してもらってもいいかな?」
と言う事で鑑定、結果はと言うと……
「シガラタヌキの睾丸だって。滋養強壮に富んでいて精力増強効果ありって書いてあるよ。お爺ちゃんや高志伯父さんにあげたら、お仕事の疲れ取れるかな?」
それを聞いたみんなはどこか顔が引きつっていましたが
「そ、そうね。喜んでくれるかもね?」
という訳で、また一つお土産が増えました!
次の階層へ行く魔法陣が光っているので、それに乗って31階へ移動です。
ここはどうやら蒸し暑いらしいのでね、極力結界の範囲を広げて皆が範囲に入るようにしつつ移動。
とはいえ、ここも森林地帯なのでね、塀で道を作っての移動です。
木々の隙間がもっとあると塀の幅も広げられて皆も自転車に乗れるのでしょうが、なるべく出口までまっすぐな経路で行くと1mがちょうどいい感じなのでね、幅1m、長さ4mでどんどんと道を作りつつ進みます。
「こうやっていると、舗装された獣道を進んでいるみたいですね」
「何その舗装された獣道って」
「ほら、森の中に出来ている小道なんかを獣道っていうじゃないですか。でも下は石畳状態ですから、舗装された獣道と言うのが合っているかなって」
「あぁ、言われてみればそうかも?」
そして出てくる敵は、今までと変わらないようですね。
「んー、ここは新しい敵っていないのかな?」
「今の所は今までと同じですね。でもこれまでのパターンを考えると、何か新しいのが出そうな気もしますけど?」
そう言っていたのがフラグになったのでしょうか?前方やや右側に何やら一匹いるようですが姿が見えません。
そう伝えると私を取り囲むように皆さん配置変更し、私も弓をいつでも撃てるようにして戦闘準備です。
みんなの戦闘準備が終わったのを確認した葵さんが、アトラクトで敵の注意を引きますが敵の姿がいまだ見えません。
草はガサガサと揺れているので、何かいるのは確かなのですが……
と、そこでおもむろに楓さんがブリーズストームを唱え、敵がいると思われる場所に発動しました!
ブリーズストームは周りの草木を巻き込む様に渦を巻き、敵と思われるものを攻撃していると思われますが、葉っぱが舞って敵の姿はまだ見えません!
そして魔法が収まると同時に玲子さんが突っ込んでいき、何やら地面を切りつけていますね?
それをみた沙織さんも玲子さんのほうへ移動していき、近づいたと思ったら何やら地面を攻撃し始めました。
しばらく地面を攻撃していたのですが、どうやら倒したのかこちらを呼んでいます。
近づいて行ってみてみるとそこにいたのは……