内緒にしますか?いいえ、報告します
やってきました27階層!
お昼までまだ時間はありますが、かといって先ほどの階層と同じような進み方ではお昼に間に合いません。
なのでここでもトリュフを探したそうにしている玲子さんは無視して、サクサクと進みましょう。
とはいえ、ここも今までと変化はないか調査しながら進むのですが、お昼には出口につきたいねと言いながら進むことに。
ここでもね、敵とはそこそこ戦い、森の近くを通ったりし、途中でたまに採取などもお願いして進んだのですが、いまいち違いが見つかりません。
もしかして21階層から30階層までは大きな変化はなく、木々が増えていくだけなのでしょうかね?
そういうと、玲子さん曰くトリュフがあるって、大きな変化だよ!と熱弁していましたが……
まぁ、採取できる物のうち、価値のある物が増えたと思えば確かに大きな変化なのかもしれませんね。
「ちなみに玲子さん、このトリュフの件は報告するの?」
そう聞くと苦笑いの表情で
「し、したくない……したくないけど、しないわけにもいかない……かな……」
と、苦渋の判断をしているようですが、そこまでですかね?
それに、今回掘り出したのはかなり深い所からだし、ミミちゃんの嗅覚あってのものだから、そうそう他の人に見つけられるとは思えないんですけどね?
そう伝えると、少しは元気が出たようですが……今後も取りに来るつもりなんでしょうかね?
まぁ、豚肉を取るために倉庫ダンジョンの10階を周回した私に言えたことじゃないですけど!
ここでもオーク出ないかな……
そんな事を考えつつ進んだのですが、いないものは出るわけもなく、その代わりなのかゴブリン系が多めに出ましたが、君たちは臭いのでダメです!
なので遠距離からぴしぴしと狙い撃ちに。
そんなこんなで、適度に戦いつつ採取もし、お昼に程よい時間に出口に到着です。
なのでね、出口の近くで塀で囲いを作ってお昼です!
さて、今日のお弁当はと言うと……26階でトリュフが出たのがフラグなのか、それともお弁当に入っていたのがフラグなのか……
なんと!お弁当のサラダには見事にトリュフがかかっていました。ミミちゃんも匂いを嗅いで気が付いたのか、大喜びしています!
なのでね、先ほどのご褒美も兼ねてミミちゃんには多めにあげましょうね。
いつも早起きして美味しいお弁当を作ってくれる料理人の方には感謝ですね!
そうして食べ始めて5分ほどした頃でしょうか。
なにやらドドドドドーっと走る音が近づいてきます。
この音は四足動物の走る音だと思うのですが、こんな音を立てる敵は今まで出てきていないような?
その音を聞いたみんなもご飯を中断して戦闘態勢に!
しかし、周りには私たちを中心に半径3mの距離で高さ2mの塀を作ってあるのでね、当然敵の姿は見えません。
そして、塀を消すかどうか悩んでいると……ドスンっと重い物が塀にぶち当たる音が。
……あれ?この音、何か聞き覚えがあるような?
そう思っていると、音のした辺りで葵さんが盾を構え、塀を消すように言ってきました。
なので消してみるとそこには……脳震盪を起こして倒れているイノシシがいました!
「あれ、イノシシ?こいつって20階層のボスじゃないっけ?」
「そうね。それにしても、何で塀に向かって突進してきたんだろう?」
「たぶんトリュフの匂いにつられた?」
と楓さんが言い出しましたが、まさかね?
それに、もし例えそうだとしても、普通は塀があれば手前で止まりますよね?
「あー、でもフランスではトリュフって豚さんが探すんだし、イノシシも好物なの……かな?それで突進してきたとか?」
「知佳ちゃん、最近は豚じゃなくて犬に探させるらしいよ?」
なんと!?それじゃミミちゃんが見つけたのは、まさしく見つけるべくしての事だったのですね!
ミミちゃん、豚さんになったなんて思ってごめんよー。
ま、まあそれはいいのです。それよりイノシシですが、本当にお弁当のトリュフの匂いにつられた……のでしょうかね?
「それにしても、ぶち当たるまで突進する必要ってなくない?」
「匂いにつられて我を忘れたか、今までこの階層で自分の突進で壊せなかったものがなかったか、どっちかなんじゃないかな?」
などと言う意見も出ましたが、そうこうしている内に玲子さんがサクッと首を切ってとどめを刺していました。
今回はね、残念ながらお肉は出ませんでした。やっぱりボス部屋のボスはお肉が出やすいとかの設定なのでしょうかね?
そして突然の事だったのでまたもや鑑定し忘れました。
以前出たときは階層主として強化されているとあったので、ここのはどのくらいの強さなのか調べるべきでしたね。
それにしても、ボスがボス部屋以外で出てきたのは初めてなのですが、もしかして26階層以降はボスも出てくるようになってるのかな?
そう聞いてみた所、その可能性は高い、と言うかそれしかないのではとなりました。
そうなると気になるのは、一階層に1匹だけなのか、それともそれなりの数が全体にいるのか。あとは女王蜂も出るのかですね。
その辺の調査を続けるかどうかで少しもめそうになったのですが、ご飯の途中だったのでね、食べてから話し合おうと言う事になり再び塀を出してお昼です。
そして食後にお茶をしつつ話し合いをしたのですが、取り合えずボス部屋にいた敵が出るようになったという事実は判ったのだし、それが1つの階層に複数いるのか、また複数種いるのかを、わざわざ時間を割いてまで調べる必要はないのでは?となり、もし時間が半端に余ったらその時に調べてみようと言う事になりました。
というわけで、28階層に移動です!
28階層も一見すると今までと特に変わりなく、さらに木々が増えたかなという程度です。
ただ、いままでは見渡せばどこかしら木々がなく見通せる部分もあったのですが、この階層は木々の密集地の数が多く、視界が向こうまで通ると言う事はないようです。
「ここは、さすがに途中で自転車を降りて森を通らないとだめかもしれないね?」
たしかに進んでみないと何とも言えませんが、見ただけだと出口にまっすぐ行こうと思ったら森を抜けないといけないようです。
ですが、進んでみれば多少迂回するだけで自転車のまま行けるかもしれませんし、とりあえず進むことにしましょう。
ここまで木々が多いとね、地図にも書くことが増えて、それなりに私の作業が増えだしました。
まぁ、それでもみんなは自転車に乗って周りを目視で警戒しながらなのに対し、わたしは車椅子に座ったまま地図を書き込むだけなんですけどね。
そしてとりあえずとしては、自転車に乗ったまま出口まで行ける道があるかを探りつつ進むことに。
今回は今までと違って、出口まで一直線にという訳にはいかず、そこそこ迂回した経路を通ることになったのですが、それでも森を進む必要はなく1時間ほどで出口に到着することができました。
「んー、ちょっと期待外れ」
「そうね、敵の出る分布がウルフや角ウサギが多いくらいで、ゴブリンたちは相変わらず出るけど、森の中に潜んでる敵が多かったわね」
「おかげで無視しやすかったね!」
そう、敵がそこそここちらの索敵に引っかかるのですが、基本森の中にいるのが多く、こちらまで距離があったのでそれらの敵はスルーして進みました。
おかげで戦闘回数も少なく、さほど多くの時間をかけずに出口までこれました。
という訳で次は29階層です!