新フィールドですか?いいえ、代わり映えしません
あーさー
今日からGWなのです!なのでね、頑張って皇居ダンジョンの攻略を進めますよ!
KD対策本部に寄った時にはね、いつもと変わらない顔ぶれで皆さんGWなのに大変だなあと、ぽろっと言ってしまったのですが
「それはお互い様じゃないか?君も学生なんだし、連休位はゆっくり休んだり遊びに行ってもいいのではないかね?」
と逆に阿方さんに言われてしまいました。
まあ、皆さんお仕事頑張ってくれていますのでね、少しでも早く楽になれる様、私たちも攻略を頑張りましょー。
という訳でやってきたのですが、装備どうしましょうかね?今買っていきます?
あ、ここはKDアタックチームの方がいるから嫌ですか。それじゃ今日はこのままで、明日の朝にでも倉庫ダンジョンに行って買う事にしましょう。
「ダンジョンよ、私は帰ってきたー!」
「知佳ちゃん突然何言ってるの!?」
「いや、なんか久しぶりな気がして……言わないとダメかなって」
「なんなのよそれ。それに一昨日も来たじゃない」
そうなんですよね、一日しか空いてないんですけど、いろいろあったせいかすごく久しぶりの気分。
それだけ精神的に負担がかかっていたんでしょうね。
それでも!今日からまた心機一転頑張るのです!
「それじゃ、まずはサクっと26階に行こー!」
「「「おー!」」」
おや?沙織さんがやっていませんね?
「沙織さん、さあ一緒に、おー!」
「お、おー?」
恥ずかしそうにしてますが、きちんとやってくれました!
「知佳さん、あの……この声かけ、必要ですか?」
「必要だよー、今日からこの6人でやっていくんだから、出だしは大事!」
そう、この6人でこれからずっとダンジョンを攻略していくんだから、頑張らないとね!
「それじゃ、サクサク移動しましょ」
そしてみんなは自転車に乗って移動開始です。
移動経路に出てきた敵は倒し、多少ずれているところにいる敵はスルーして出口へ到着。
私の弓の扱いも慣れたものでね、敵を見つけたらサクッと倒しますよ!
ミミちゃんも、ウルフ系の敵と鶏系の敵の時は率先して戦いに出ています!
やっぱりあれですかね?ウルフ系には自分が上だぞと主張し、鶏系はお肉目的ですかね?
そうして1時間ほどかけて出口へ到着、26階へ。
26階はどんなフィールドになるかドキドキしていたのですが、どうやらあまり変わりない模様。
「んー、ここも平原だね」
「そうね、でも見た感じ木々が増えてるかな?」
言われてみると、今までと比べると増えている気もします。
これは、採取をもっとやれという神のお達しでしょうか?そう言ってみると
「お達しって事はないんじゃない?でも採取できる種類が増えるかも?」
という訳で、今まではあまり木々の密集地に寄っていなかったのですが、今回は寄っていこうと言う事になりました。
また、これまで5階層区切りで敵に何らかの変化があったので、今回も何かあるかも?と言う事で出てきた敵相手に結界で防げるかの確認も行いました。
で、結論はと言うと、敵のレベルは上がっているようですが、新しい敵が出るとか、数が増えたと言う事はなかったです。
そして結界についても敵の攻撃を問題なく防げました!
この結界、どこまで通用するんでしょうね?そのうち結界を破る攻撃をする敵が出てくるのでしょうかね?
そうなったらどう動き回ればいいのか……
あぁ、そう言えば前に葵さんが最初から強い装備を持っていると戦い方が~と言っていた記憶が。
なるほど、こういう事なのですね!
……ま、まぁ、そうなったらそうなったで、その時にどうするかをみんなに相談しましょう!
「報・連・そう」は大事ですからね。
そしてこの階層では先ほど決めたように、森や林にも深くまで入ることはないけれど、端のほうを移動するといった感じで森の様子も多少調べることに。
時たま気になる葉っぱや草花などを見つけては採取してもらって進んでいたのですが……
突然ミミちゃんが膝の上で周りの匂いを嗅ぎ始めたかと思うと飛び降りて森の中へ!
「ちょ、ミミちゃんどうしたの?危ないから戻っておいでっ」
そういったのですが戻ってくる様子はなく、少し奥に行ったところで吠えて、何やら呼んでいる様子。
仕方ないので急遽沙織さんにおぶってもらい、ミミちゃんのいる場所へ入っていきました。
すると何やら地面を掘っている様子ですが……
「ミミちゃん、そこに何かあるの?」
そう聞くと、その通り!と言わんばかりに吠えてくるので、私は背負われたまま周りを警戒することにして、楓さんにミミちゃんの相手をお願いしました。
すると……
ミミちゃんの掘っていた場所を30cmほど掘り返したでしょうか、そこから何やら黒くて表面がざらざらした、土の塊?石?のようなものを楓さんが取り出してきました。
大きさとしてはクルミ位でしょうか?もしかしてそれが欲しかったのかな?
そう思っていると、榊さんが信じられないといった感じで
「それ……トリュフ、ですよね?」
そういうと楓さんが
「たぶんそう。ミミちゃんお手柄」
と認めていました。
トリュフですか……キノコでしたっけ?私ですら見たことないのに、なんでミミちゃんが知ってるんですかね?
あと、トリュフを見つけるのって豚さんのお仕事じゃなかったかな?ミミちゃんいつから豚さんになったの?そう思っていると
「ミミちゃん、他には?他にはないの?」
と玲子さんが何やらやる気を出してミミちゃんを問いただしています。
対するミミちゃんはと言うとこちらを見上げ……私の指示待ち、ですかね?なので
「ミミちゃん、この辺にある同じもの、まだ探せる?」
と言ってあげると、嬉しそうに吠えた後、またどこかへ……
その後10分ほどこの周辺を荒らし……探しまくり、結果として全部で5つのトリュフが見つかりました。
玲子さんたちはもっと探したいようですが、ミミちゃんは疲れたのか飽きたのか、私の所に来て抱っこをねだってきたのでね、もうおしまいです。
そしてどうやらトリュフは皆さんに大人気のようなので、探し当てたミミちゃんをいっぱいもふって誉めておきます!
かなり美味しいらしいのでね、皆へのいいお土産が出来ました。
「それにしてもミミちゃん、トリュフなんてどこで知ったの?私初めて見たよ?」
と言うと、沙織さんから、
「たまにサラダに乗って出てたりしてますよ?知佳さんも美味しいって言って食べてたから、てっきり知っているものだと思ってました」
と言われました。そして最近だといつ食べたかを教えられ、納得いったのですが……あの薄茶色で薄っぺらい、でも舌がしびれるような旨味の詰まったのがそうだったのですね!
どおりでミミちゃんが知ってるわけです。あれがあるときはもっと頂戴って言ってきてましたもんね。
そしてほかの森にもあるかもしれないと言う玲子さんをなだめ、結果として2時間ほどかかりましたが26階層の出口へと到着しました。
作者注:今回の作中にでてくる「報・連・そう」の「そう」がひらがななのは誤字ではありません