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スキル『砦』を使って快適ダンジョンライフ  作者: 日進月歩
第一章 その時地球が震えた
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親戚ですか?いいえ、家族です(改稿済)


 夕食の席には大奥様をはじめ昼食時のメンバー、さらに奥様の旦那様らしき人と美雪さんの旦那さんらしき人の総勢8人が集まりました。


 二条家から6人参加で、こちらはわたしと玲子さんの二人。

 玲子さんはどちらの家族でもないけど、私のお付き?という事での参加となりました。

 私にとっては半分家族みたいなものだしね。


「知佳ちゃんようきた。食事を始める前に、あらためて自己紹介しようかの」


 私が席に着くと大奥様からそう提案があり、皆さん自己紹介をしてくれました。


 大奥様と呼ばれていた方が二条 秋江あきえさんで、私の曾お婆ちゃん。

 最初会った時はすぐに死んじゃったかと思ってびっくりしたけど、今はすごく元気そうで何より。


 奥様が二条 雪香せつかさん、私にとって母方のお婆様。

 雪香さんの旦那さんの権蔵ごんぞうさん、私にとってのお爺ちゃん。

 お爺ちゃんは仕事が忙しくてあまり家にいないらしいんだけど、今日は大丈夫だったのかな?

 近衛のお爺ちゃんはわたしが生まれる前に亡くなったそうで私は記憶にないんだよね。なのでわたしにとって初めて会うお爺ちゃんになる。


 お母さんのお姉さんの美雪さん。沙織さんのお母さんでわたしにとっての伯母さん。

 美雪さんの旦那さんの高志たかし伯父さん。

 高志さんも普段はお仕事が忙しくてあまり家にいないとの事。


 もしかして権蔵さんも高志伯父さんも、今日は私に会うためにお仕事を早めに切り上げてきたのかな?

 だとしたら申し訳ないと同時に大変ありがたいです。


 そう思っていたのが顔に出ていたのか


「今日は知佳さんのおかげで早く帰る口実ができて良かったよ、最近忙しすぎてなかなか家に帰れなくてね」


 と権蔵さんが微笑みながら言ってくれました。優しそうなお爺ちゃんでよかったです。


「ほんとですよねお義父さん、僕も最近まともに帰れてなかったから良い切っ掛けになりましたよ。しかもこんな可愛らしい子を家族の一員として迎えられたのだから、今日は今年一番のいい日ですね」


 などと、お爺ちゃんにつづいて高志伯父さんもさわやかな笑顔で言ってくれました。これがプレイボーイというやつでしょうか?

 でもね高志伯父さん、隣に座っている美雪伯母さんがすごい目つきで睨んでいますよ?


 最後に、私の従姉の沙織さん。生まれが私よりすこし早いようなのでお姉ちゃんになるのかな?

 表情はほとんど変わらないし目つきもきついけど、すっごい美人さんなんだよね。

 従姉なのに沙織さんは目も覚めるような美人さんで私は凡人顔、母方の血は同じなので父親の差なのかな?

 でも私のお父さんも結構かっこよかったのよ?ホントダヨ

 となると、私個人の問題かなぁ……あの身長、あの胸、この差はいったいどこから?


 二条の皆さんの自己紹介が終わったので、私も自己紹介する事に。


「は、初めまして、近衛 知佳です。今日は突然お邪魔してすみませんでした。お爺様も伯父様も本日はお忙しい所を、わたしのために集まっていただきありがとうございました」


 と挨拶したところでお婆様からダメ出しが!?


「あー、駄目駄目、知佳さん?あなたはもう二条家の一員、家族同然と言うよりもう家族なんだから、そんな他人行儀な事はやめなっ!」


 と、お婆様からお叱りが入りましたが、最低限の礼儀は必要だと思うのよ?


「ちょっと雪香さんや、言いたいことは判るけどね、その言い方は何とかならないのかね?」

「そうは言ってもお母さま?春香がいないのですから祖母である私が注意するのが筋というものでしょう?」

「注意するのは良いです、でも言い方をもう少し考えなさいと言っているのよ。ほんとにこの子は、どうしてこうなったのかねえ?」


 まぁ、お婆様は口調はきついけれど、私の事を思って言ってくれているの判るので、嫌いにはなれないタイプかな?


「そうそう、食事の前に知佳ちゃんに渡すものがあったのよ。できれば直接手渡したいから、こっちへ来てくれるかえ?」


 そう曾お婆ちゃんから言われたので、車椅子を操作して曾お婆ちゃんのそばへ。

 すると、何やら横40cm、縦15cm、厚さ10cm位の箱をメイドさんから受け取り、膝の上でこちら向きにふたを開けて中を見せてくれました。

 そこにあったのは1本の黒い棒の様な物。これ何でしょうね?

 そう思って見ていると曾お婆ちゃんはそれを取り出して私の方に差し出してきました。


「これをね、知佳ちゃんに受け取ってほしいのよ?」


 見た感じは長さ30センチ位のちょっとまがった漆塗りと思える木の棒。

 1/3位の所に白い線が入っていて、短い方の真ん中あたりに家紋の様なものが入っていました。

 受け取っていいのかちょっと悩んでいたのですが


「これは家族の証とでもいえばいいかね。ここにいるうちの者は皆が持っている物だから、今日から家族の一員になった知佳ちゃんにも是非受け取ってほしいのさ」


 と言われました。そこまで言われると、受け取らないわけにも行かないよね?

 そう思い、お礼を言ってありがたく受け取ったのだけど、木の棒と思っていたそれは見た目よりも重く、ちょっとびっくりしてしまいました。


「ありがとうね。それは出来るだけ身近に持っていておくれ、きっといつか知佳ちゃんの身を護ってくれるからね」


 そう微笑みながら言われたけど、木の棒が私を護る?んー、変な人に襲われそうになったらこれで叩けという事なのかな?

 まあ、持った感じかなり握りやすそうなので極力持ち歩く事にしましょう。家族の証って言ってたしね。

 家族、わたしにもまだ家族がいたんだね……そう思うと涙が出そうになりました。


 その後、食事について食べられない物とか嫌いなものは無いかと聞かれた時に


「腐ってなければなんでも食べられます。嫌いなのは虫です」


 と言った所、食堂の空気がピシリと固まった気がします。

 なのでそっと周りを見回したのですが、皆さん引きつった表情や怒った表情をしていて、美雪伯母さんに至っては目にうっすらと涙を浮かべて悔しそうな顔をしていました。


 また、お爺ちゃんの方からはぼそっと、とても小さな声で


「あいつら、生きていることを後悔させてやる……」


 と聞こえてきた気がしますけど、きっと気のせいでしょう。

 さっきまで好々爺然といった雰囲気のお爺ちゃんがそんなこと言うわけないよね?


 でもまぁ、これが普通の反応だよね?あの義母には色々とやられましたからね。

 そういうのが何度もあったから、私は母屋を出てお婆ちゃんの離れで一緒に暮らすようになったわけだしね。


 そんな一幕もあったけれど、夜ご飯はとても美味しく、雰囲気も和気あいあいとしたもので楽しくいただきました。

 食後はお茶をしつつ今後についてのお話をする予定だったようなのですが、せっかく皆さん集まっているわけですし、ここでダンジョンの事を説明することに。


 すると、曾お婆ちゃんをはじめ皆さん真剣な顔になり、家の事を含めて悪いようにはしないから全て任せてほしいと言ってくれたので是非にとお願いすることに。

 そしてお爺ちゃんや高志伯父さんからは


「上手く政府に掛け合ってそのダンジョンはこちらでキープするべきだ」

「今後しばらく政府の動きから目を離せませんね」


 などと、かなり難しそうな会話が聞こえてきました。

 任せて正解だったね!私じゃどうしていいのかさっぱりわからなかったもんね。


 そしてお婆様達とは私がもらったスキルの話になったのだけれど、私自身まだ全部をきちんと把握していない旨を伝えた所、後日分かった範囲のうち教えても大丈夫と思えることだけで良いから教えてほしいと言われました。


 そんなこんなで食後のおしゃべりというか相談事も一応の終わりを見せ、今日は解散という事に。


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短編を書いてみました


勘違いからの婚約破棄騒動


お暇でしたらこちらもよろしくお願いします
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