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スキル『砦』を使って快適ダンジョンライフ  作者: 日進月歩
第三章 皇居ダンジョンへ行こう!
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森は安全地帯ですか?いいえ、ちがいます

 ここに来るまでの戦闘が4回……これが多いのか少ないのか私としては悩む所なのだけれど、皆は少ないと思っているようなのでその事について聞いてみた。


「ねーねー、ここまでの戦闘回数、皆は少ないって思ってるみたいだけど、なんで?」

「それはね、今ここの階層を戦っているのは私たちだけでしょう?」


 確かにここにきているのは私たちだけで、他の人たちはまだ10階層も突破していないと聞いている。

 というのも、トップチームの人達なら10階層を突破してその先に行けると思うのだけれど、今は地力を鍛えるために10階層までで色々やっているのだとか。

 そしてその色々の中にはPT全体の戦力の底上げだったり、DPを稼いで必要な装備(主にスクロール)を購入することも視野に入っているのだとか。

 KD(皇居ダンジョン)アタックチームの方たちにはね、以前上皇后陛下を通してDPを融通したりもしたけど、さすがにそれ以外の方達には申し訳ないけど融通するほどの余裕がないのですよね。

 もっとも、状態異常回復のスクロール数本分とかなら融通できなくもないけど、日本全国で100以上のダンジョンがあるわけですし、さすがに全部にっていうのはね?

 なので皆さん、自力で頑張ってDP稼いでください!


「私たちが来るまでに敵が倒されているわけでもなく、かつ私たちが倒した敵が4PTだけ。おかしいと思わない?」

「んー、言われてみれば少ないかも?」

「でね、今後ここに来るPTが増えたら、今の敵の数だとほとんどのPTが敵と戦うことなく次の階層に行けちゃうよね?」

「あー、言われてみればそうかも!」


 確かにそう考えると敵の数が少ない。

 そしてここに来るまで、ダンジョンが出来てからそれなりの期間がたっているのに、敵が溢れかえっている言う事もない。


「んー、ダンジョン内の敵ってどうやって生まれるのかな?」

「それねー、今までも謎だったけど、一定時間なりで自然と生まれたりするんじゃないかな?ただそうするとこの階層で敵が少ない理由にはならないのよね」

「だよねぇ、一定時間で生まれるならもっといっぱいいてもいいよね?」

「まぁ、以前ボス周回した時の事を考えると、どこからともなく自然と生まれるっていうのが有力だとは思うんだけどね」

「それらについての話なんですけど、自衛隊の方たちが同じフロアに数PT入っていても、1PTしか入っていなくても、迷わず出口に向かった時に戦う数はほぼ一緒らしいですよ?」


 んー、それって中にいるPTの数で敵の数が変わってるって事?そう思って聞いてみると


「いい所に気が付いたね!一応そうなんじゃないかっていう説も出てるね」

「となると、私たちがその階層のゴール目指して敵と会って戦った数が、平均的なその階層での戦闘回数になるって事なのかな?」

「そうとも言えるし、そうじゃないとも言える……かな?その辺は今後の統計を取ってみないと何とも言えないわね」

「でも大まかな予想としては、敵の数は入ったPTの数で変動するという考えが有力らしいですよ」


 ふむふむ、と言う事は今後ダンジョンに入るPTがいっぱい増えても、戦う敵がいない~とか、その敵は俺たちのだー!って感じに敵の取り合いになると言う事はないのかな?


「その辺は、どこまでの数のPTで増減するのかとか、調査が必要なんじゃないかな?」

「あとはそのダンジョンに1日に入れるPT数の上限はないのかとか、各階層へ入れるPTの上限はないのかとかですね。この辺も現状だと特に制限は見つかっていないようですが、まだまだダンジョンに入っているPT数が少ないからだという人もいるようですよ?」


 まぁ、ダンジョンの広さを考えると、最初のほうの階層が3km四方だとして、何千人という人が一度に入ったらさすがに敵と戦うどころじゃなくなりそうだよねぇ。

 その辺どうなんだろう……まぁ、そういうのは偉い学者さんとかが考えてくれるでしょう!


「さて、そこそこ休憩も取れたし、そろそろ行こうか。あまり遅くなると夜ご飯も遅れちゃうしね!」

「おー!それじゃ沙織さん、すみませんけどまたお願いします」

「うふふふふ、むちむちどんと来いです!」


 そんな感じで休憩も終わり、出口側に向かって池を迂回しつつ森に入っていったのですが……


「左前方に敵の気配、皆注意して!」

「なんかブーンて聞こえるね、蜂かな?」


 そう思って音のする方向を見てみると、木々の間をふらふらと動く物がいたので鑑定してみると、ジャイアントハニービーでした。

 皆に鑑定結果で蜂だったことと、見えただけで3匹いたことを伝え、沙織さんに降ろしてもらおうと思ったのだけど……


「知佳さん、そのままの状態で魔法で攻撃ってできますか?」

「あー、使えそう……かな?」

「それじゃお願いします。たぶん降ろしてなんだとやるよりもその方が早いし安全でしょうから」


 というわけで、見えた敵のうち一番はじっこのやつめがけてロックジャベリンで攻撃です!


「当たれっ!」


 どうやら狙った奴には見事命中し倒したようですが、1匹見えないところにいたようで残り3匹がこっちに寄って来ちゃいました。

 次を狙うか悩んでいると、葵さんがアトラクトで敵を引きつけ、楓さんが一番遠い所にいる蜂に駆けつけて短剣で一閃し、それとほぼ同時に別の蜂を玲子さんが剣で切り払い、残り一匹は葵さんがシールドバッシュで倒していました。

 みんなの連携がすごい!


「今の装備だとこの辺の敵は全然余裕だね!」

「そうですね、ただやはりみんな遠距離攻撃手段を一つは持った方がよさそうですね」

「だねー。とはいえ今週末には新しい人が来る予定だから、その人も混ぜての相談かな?」


 そうそう、京香さんが抜けた穴を埋める人員がね、今週末には来る予定なのですよ。

 どんな人が来るのか楽しみでもあり、怖くもありですね!優しい人だといいなぁ・・・・・・

 そんなことを考えつつ沙織さんにおぶわれて森を進むと、いよいよ森の終わりが見えてきました。


「おー、やっと森も終わりかな?結局敵は出たけど、ほとんど居ない感じだね」

「そうですね。でも、私たちはスキルがあるから敵を見つけやすいですけど、スキルが無いなら森を迂回するほうが楽かもしれませんね」

「あとはあれだね、自転車が来たらどうなるかだね」

「自転車ねー。うちらは知佳ちゃんが異次元倉庫にしまってくれるから自転車を持って移動とか簡単に出来るけど、他のPTだとどうなのかな?」


 そっか、言われてみれば私たちのPTは私がしまっちゃうからいいけど、他の人たちだとそれができないのか。

 でも、目標階層次第じゃ自転車使ったほうがいいとかも事前に判るから、臨機応変になるのかな?

 階層を抜ける事だけが目的なら自転車を使うとかね!

 もっとも、まだ自転車が有効かどうか判らないんだけどね。


「結局森の厚さは1kmないくらいだね。これなら下手に回り込まないで抜けちゃう方が楽かなぁ」

「それは、回り込んだ場合の状況も見てみないと何とも言えませんね」

「あーっ」

「なに、どうしたの知佳ちゃん!」

「森の中で薬草とか調べるの忘れてた!」

「あー、森と言えば薬草かぁ。もしかしてこの森、採取用に用意されてるとか?」

「それは……どうでしょうね?今度時間があるときに見に来てみますか?」

「んー……そうだね、今日はもうあまり時間に余裕ないし、このまま出口目指して進みましょ」


 というわけで、出口を目指すために私は再び車椅子に乗せてもらい、皆で進むのでした。


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短編を書いてみました


勘違いからの婚約破棄騒動


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