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スキル『砦』を使って快適ダンジョンライフ  作者: 日進月歩
第三章 皇居ダンジョンへ行こう!
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指で引きますか?いいえ、リリーサーを使います


 あーさー、今日は学校が終わったら私の弓を取りに行く予定です!


 と言う訳で今日も車椅子を車に積んでおいて登校です。

 もっとも、学校ではあれ以来特に問題も無く無事終了。


 今日の授業では先生に当てられたりもしましたが、きちんと予習してきているので問題なしです。


 そして放課後、弓の最終確認と受け取りのためにショップへゴーです!


 私専用の弓、わくわくします。

 専用装備っていいですよね!


 まぁ、それを言ったら車椅子やドレスアーマーがすでに専用装備ですけどね。

 でも専用装備はいくつあっても良いと思うのー。


 ショップですが、今日は平日とは言ってもこの間よりも早い時間なのでね、まだ他のお客さんが居たり、これから来るかもしれないので、クローズにするのはやめてもらう事にします。

 お店にあまり迷惑を掛けたくないですし、弓の確認は奥にある試射場でやるそうなので、そちらだけ他の方を近付けない様にしてもらって試し撃ちです。


 試し撃ちなのですが、ここに来てちょっと気になる事が……


 弓で的を撃つときって、スキルの貫通攻撃はどうなるのでしょうね?

 このスキル、意識してオンオフ出来ないんですよ。


 それとも、試し撃ちの場合は「攻撃ではない!」って事で発動しなかったりしないですかね。

 もしこれが発動するとちょっとまずい事になるかも?


 もっとも、アルミの矢でコンクリートの壁まではさすがに貫通しないと思うのですが……しないといいなぁ。


 あ、玲子さんいわく、なんでも的の後ろには一応安全対策として厚めの鉄板が置いてあるそうで、ちゃんと的に当てれば最悪その鉄板で止まるだろうとの事でした。

 これで心置きなく撃てますね!


「知佳ちゃん、なんか変に満足した顔してるけど、本気で撃っちゃだめよ?」

「え?でも後ろに鉄板あるんでしょ?」

「いや、今日は引きの強さとちゃんと狙った所に当たるか、あと他に何か問題が出ないかの確認であって、威力の確認は後日別の場所でだからね?」


 と、耳元で囁くように言われちゃいました。

 ぬーん、せっかくの試し撃ち、どの位の威力が出るのかも試したかったのですが、確かにもしそれで鉄板や、ましてやビルの壁に穴をあけちゃったら大問題になりますしね。

 ここはひとつ手加減するとしますか。


 と言う訳で、お店に来たわけですがさすがに平日の夕方という事でお客さんは男性の方が一人だけでした。

 その方はどうやら矢を見ているようですが、新しい矢を買うのでしょうか?

 まぁ、私には関係ないので店内はスルーしてまずは奥の作業室の方へと案内されました。


 ここには大きなテーブルを始め、パッと見ただけでは分からない道具とかがいろいろあります。

 中でも特に目を引くのが、壁にぶら下がっているばね秤ですね。

 ばね秤と言っても、お菓子作りで使うタイプではなく、荷物などをぶら下げて重さを量る方のやつですよ?


 気になってじっと見ていたのに気が付いたのか、店長さんが


「あぁ、それは弓の引きの重さを量るんですよ、試しにやってみましょうか」


 そういって私の物と思われる赤い弓を持って来て、その秤に弦をひっかけ弓を下に引きました。


「こうやって、規定量弦を引いた時の重さがいくつになるかを量るんですよ」


 と使い方を教えてくれました。


 なるほど、そうやって弓を引く重さを量るのですね。

 私はてっきり秤を手に持って、それで弓を引いて重さを量るのかと思ってました!

 確かにこの方法だとメモリが目の前に来るので量った結果を見やすいですね。


 そしてその重さが前回言っていた重さになっている事を確認してから受け渡されました。

 どうやらここで一回引き心地を確認してほしいそうです。


 ですので、車椅子のひじ掛けの左側をポンと叩き、あたかもそうするとひじ掛けが下がるギミックがあるように見せかけてひじ掛けを下げ、左側で弓を引いてみました。

 このとき、弦を引っ張るのは指で直接弦を引くのではなく、何やらリリーサーという専用の道具を使うらしくてそれを渡されました。


 そして試しに引いてみましたが、前回別の弓で試し引きした時よりもしっくりきますね。

 これが自分専用という事なのでしょうか。


 そして引く強さ的にも問題がないため、このまま奥の試射場へ移動して試射することに。


 試射用に矢を5本渡されましたのでね、チャンスは5回です!


 ここはあくまでお試し用なので10mほどの距離しかないのですが、これだけあれば十分ですよね。

 そして的ですが、どうやら藁束を束ねた米俵のようなもののようで、そこに紙の的を貼ってあるようです。


 その的の後ろにはきちんと厚めの鉄板が置いてあるのを玲子さんが確認してくれたため、安心して試し撃ちが出来ます!

 と思っていたのですが、ここでもやっぱり玲子さんから


「知佳ちゃん、本気で撃ち抜こうとか考えちゃだめよ?あくまでも使い心地の確認だけだからね?」


 と釘を刺されてしまいました。てへっ


 さて、それじゃいよいよ試射ですが、その前に腕と胸を保護する防具もきちんとつけましょうね。

 ちょっと試すだけだからと安全を疎かにするのは良くないのです!


 そして防具もつけ終わり、初めて扱うコンパウンドボウなので店員のお姉さんが手取り足と……足は取らないですね、教えてくれます。

 なんでも弦の矢をつがえる所には輪っかが付いていて、そこの部分に矢をつがえた後、先ほどのリリーサーと言うものをその輪に引っ掛けて弦を引き、狙いを定めてリリーサーのトリガーを引けば矢を射れるそうです。


 矢をつがえ、リリーサーを輪に引っ掛けてゆっくりと引いていき……



 狙いを定めて



     的の中心に当てる事だけを考えて



 そこっ



 トリガーを引くと同時に弓から矢が放たれ、矢は見事に的のど真ん中に!




 ど真ん中に当たったのですが、矢が羽根の手前くらいまで刺さりましたよ?

 これ、抜くの大変そうなんですけど、こういう物なんでしょうか。


 と思っていた所、店長さんも先ほどのお姉さんもびっくりした顔をしています。


 もしかしてしでかしちゃいましたかね?

 でも撃ち抜く!とかは考えてなかったんですけど、やっぱりスキルのせいでしょうか?


 まぁ、やっちゃったものは仕方ありません、何とか玲子さんにごまかしてもらいましょう!



 その後、何とか誤魔化し?口止めし?弓の調子は良さそうという事でこのまま引き取る事に。


 そしてリリーサーについても、大きさ的に私の手に合った物の中から使いやすい物を選び一緒に購入することに。

 これだけは前回選んでなかったんですよね。

 なんでも弓に合わせて選んだ方が良いとかで前回は選ばせなかったんだそうです。


 そして前回選んだ小物類なども専用バッグに入れてもらい、受け渡しです。


 さすがに商品の受け渡しは店長さんから直接受け取る事にしました!


 向こうがこちらを子供と見下したりせず、きちんと対応してくれているのでね、こちらもそれなりの対応をしないとですよね。


 そして受け取った後、店長さんからは気になる事や分からない事が有れば、直接お店に来て質問してもいいし、メールや電話でもいいので遠慮なく質問してくださいと言われました。

 なので、何か分からない事が有れば遠慮なく質問させてもらいましょう。



 こうして、ちょっとだけ問題を起こしつつ、弓の購入は無事終了しました。


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短編を書いてみました


勘違いからの婚約破棄騒動


お暇でしたらこちらもよろしくお願いします
― 新着の感想 ―
[一言] 面白い小説を見つけたと思ったら 止まっているのですね。 再開をお待ちしております。
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