表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スキル『砦』を使って快適ダンジョンライフ  作者: 日進月歩
第三章 皇居ダンジョンへ行こう!
124/232

次の階層を狙いますか?いいえ、やめておきます


 あーさー


 さて、今日は学校が終わった後は皇居ダンジョンに行く予定です。


 21階層、行ける所まで行ってみようというのと、魔法陣までは行けなくてもどのような敵が出るのか確認しておこうという話になっています。


 そして学校ですが、今日は高瀬さんは無事朝から登校していましたが、その表情は浮かない感じでした。

 まぁ、私としてはもう絡んでこないで頂ければそれでいいので、気にしない事にしましょう。


 そして本日は特に問題も無く終了。

 いえ、些細な問題が発生していました。

 それは何かというと、休憩時間誰かしらに話しかけられ休みと言えるほど休めなかった事です。


 これは、前の学校では半分ボッチだった私にとっては良い事なのでしょうが、こういうお付き合いには慣れていないので、何か失礼な事をしていないかが気になります。

 もっとも、皆さん私の周りに集まって話をし、たまに私に振ってくるけれども特に回答を求めているわけでもなさそうなので、わかる範囲で相槌をうったりする程度ですみましたけどね。



 そして放課後、皇居ダンジョンへ向かったのですが、その時の車の中での会話でも、以前言っていたダンジョンに入る前に防具の上に着る服についてが話題に上りました。

 その結果として、少し大きめのコート(今の時期ならサマーコート)を着るのが無難じゃないかという話になりました。

 もっとも、皇居ダンジョンについては私達がいる時は男性の方たちはあまり近くにいないのでね、それほど気にする必要もないかもしれませんが、沙織さんの恰好が特に露出度が高いので、近日中に用意することになったようです。

 また、自転車についてですが、さすがに今日はまだ用意できていない様で、初出は週末になる予定なんだとか。


 そして今日ダンジョンに入っていられる時間は3時間ほどなので、1時間ちょっとで全行程の半分までいけない場合は戻ってこようという話でまとまりました。


 21階へ来たのですが、玲子さんからまず私の車椅子の移動速度を見せてほしいという要望があり、今いる場所はそこそこの広さの草原なのでここで全速力で走り回ってみる事にします。



 走り回ってみたのですが、特に強い向かい風が有る訳でもなく、急な方向転換をしても車で高速でカーブを曲がる時のような横に引っ張られる感覚も無く、普通に走り回れたのですが、玲子さんを始め葵さんや楓さんからは何やら感心されてしまいました。


 その理由を聞いたところ


「いやあ、30kmって傍から見るとあんなスピードなんだね」

「車椅子で30km出るって話で聞いた時はそんなに早いイメージは無かったですけれど実際に走ってもらうと結構なスピードですね」

「これなら自転車と一緒でも行ける」


 などなど言われました。

 まぁ、私もこのスピードを出したのは初めてなんですけど、レバーではそのスピードは実は出なくて、もっと早く!って思うとスピードが上がってくっていうのはちょっと不思議な感覚でした。


 そして、皆さんからこれなら自転車と一緒に移動も可能というお墨付きをもらい、自転車が来たら一気に移動する事になりました。

 これで移動時間に無駄に時間を取られずに済みますね。


 その後、今日はどの道次の階層は無理だろうという事で、とりあえず21階でどんなモンスターが出るのかを調べようという事になり、モンスターが居そうな林の方へ移動する事になりました。

 この時、葵さんと楓さんは気配察知スキルを重点的に使い、周囲の目視での警戒は玲子さんと沙織さんが担当、そしてわたしもスキル『砦』の状況把握を使って周囲を警戒するという事になりました。


 それにしても、ここはミミちゃんを連れてきたら喜んで走り回りそうですね!

 そしてきっと100m走らない内に疲れて抱っこをねだってくるんでしょうね。

 その時のミミちゃんを想像したら思わず笑みがこぼれてしまいました。


「ふふっ」

「ん?知佳ちゃんどうしたの、なにかあった?」

「あ、ごめんなさい。ここにミミちゃんを連れてきたら喜んで走り回るんだろうなって想像して」

「そのあと疲れて抱っこをせがむところを想像しちゃったのね」

「そうそう、やっぱり玲子さんもそう思う?」

「いつもの事だしねー」


 などと和んだ感じで、でも警戒は怠らずに進んでいると


「向こうで何か動きました、こっちの方向の……あの辺です」

「どれどれ、あー、なんかいるね」


 どうやら沙織さんが何か動くものを見つけたようです。

 その指し示す方100mほど先でしょうか?草の間に確かに何か動くものがいますね。


 そうそう、この辺なのですが、なぜか放置されている草原なのに大半の草の長さは皆の足首位までで、ところどころ膝~腰位までの草藪があると言った感じです。

 そして今回沙織さんが見つけたのはその草藪の一つですね。


 まだ距離があるのでそちらを警戒しつつ、そのほかの周りも警戒を怠らない様に近づいて行く事になりました。


 それにしても、スキルで警戒しているよりも目視の方が見つけるのが早いというのは、やっぱりスキルのレベルが低いのが原因なのでしょうかね?


 そして草藪まで残り50mほどに近づいたところで草藪から大型犬が5匹ほどこちらに向かって突進してきました!


 早速鑑定したところ、LV11のウルフが3匹、LV12、15のウルフがそれぞれ1匹ずつの計5匹でした。

 その旨を伝えたのですが、伝え終わるころには戦闘が始まりました!


 そして葵さんがアトラクトを唱えると、ウルフの集団は葵さんに狙いを定めたようで葵さんから10mほどの距離の所で半円形で囲みました。

 それに対し、葵さんの右に玲子さん、左に沙織さんが陣取り、5対3の体勢でにらみ合いです。


 このまま膠着するかと思ったのですが、ウルフはどうやらその陣形のままウルフから見て右回りで動き出し、回り込んで私の方に来ようとしている模様です。


 ですので、一番先頭のウルフに向けてロックジャベリンを速度重視で撃ち込んでみました!

 さすがにあまり距離が無いせいか、それとも後ろで動かない私が攻撃してくると思っていなかったのか、見事に先頭のウルフの横っ腹に突き刺さり、ウルフはそのまま後ろに吹っ飛んでいきました。


 すると、他のウルフもまさかこの距離で攻撃をされると思っていなかったのかその場で足を止め、その隙をみて玲子さんが一番最後のウルフに切りかかり、そこで1対1の戦闘に。

 それと時を同じくして、最後から2番目のウルフには楓さんが突撃していきました。


 そして敵の無事な残り2匹に関しては、葵さんの更なるアトラクトで注意を引かれ、玲子さんや楓さんの方を気にしつつも助けにはいかないようです。

 その隙に私は先ほど攻撃したウルフがまだ死んでいないのが状況把握で判っているので追加でロックジャベリンを撃ち、どうやら次の一撃でウルフは倒せたようです。


 それを見たリーダーと思わしき体格のいいウルフが葵さんに飛び掛かってきましたが、その横っ腹に沙織さんが槍の一突きを叩き込み、刺さりはしませんでしたが横っ腹に大きな傷を与えたようです。

 その沙織さんの攻撃を隙と取ったのか、残り一匹が沙織さんの後ろから攻撃しようとしていましたが、そのウルフの前足の地面を狙ってピットを発動!


 見事右足がピットに落ち、そのまま体勢を崩しました。


 そうこうしているうちに玲子さんが担当していたウルフも倒れ、玲子さんは私がピットで転倒させたウルフを攻撃!

 どうやらスキルを発動して首元に対して振りかぶりの一撃を食らわせたようで、そのウルフも無事撃破。


 残りは楓さん担当の個体とリーダーと思わしき個体の2匹ですが、5対2になった今、ここからウルフが逆転する要素も無く、大した時間もかからずに残り2匹を撃破。


 こうして21階層での初戦は幕を閉じました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ