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スキル『砦』を使って快適ダンジョンライフ  作者: 日進月歩
第三章 皇居ダンジョンへ行こう!
122/232

授業ですか?いいえ、またもや事件です

ちょっと鬱展開ありです


 その後は先生が来るまで下着談議に花が咲いていたのですが、たまに横の方を見た時に遠くの方で男子生徒がこちらの話題に耳を澄ましているのもついでに見えちゃいました。

 男子の方たちにとってはこういう話題は気になるのでしょうかね。


 ただ、何人かの方達からのちょっと怪しげな視線が有ったのは気になる所ですが、パンツを見られちゃったからなのか、話を聞いて想像しているからなのか判断が付かないのですが、出来ればそういう視線でこっちを見るのはやめてほしい所です。


 そしてSHRが終わって1限目の先生が来るまでの間にまたもや事件が起こりました!


「近衛さん、今朝方廊下で転んでブタさんパンツ見られたって本当!?」

「ちょ、高瀬さん」


 なぜこの方はこうもデリカシーが無いのでしょうか?教室中に聞こえるような大声でそんなこと言わないでください!


「やっぱり松葉杖ついているといざって時大変よね?つぎ転んでもパンツ見られないように私が玄関から「ちょっと高瀬さん!」」


 と、そこで沙織さんが高瀬さんに声を掛けるのとほぼ同時に、私の2つ後ろの席の方がこちらにやって来て


「高瀬さん、あなた前から思っていたのだけど、ちょっと近衛さんに対してなれなれしいんじゃない?」

「なれなれしいだなんて、私は近衛さんを心配して……」

「でも近衛さん迷惑がってるよね?それにその件をこんな所で大声で言うって、デリカシー無さすぎなんじゃないの?」

「そんな、私はそんなつもりじゃ」


 そんなつもりじゃって、それじゃ一体どんなつもりなんでしょう?

 そして教室にいる男子達の間でまたざわめきが広まっているんですけど?きっと遅くに来て知らなかった方達なんでしょうね。

 そのざわめきを聞いてみると


「おい、近衛さんのパンツがブタさんパンツってホントか?」

「あぁ、マジマジ。俺モロ見えたけど、白パンにでっかくブタのプリントされてた」

「マジかー、俺も見たかった―」

「え?それじゃおしめしてるって噂はデマか?」

「あー、それは完全にデマだったな」


 などと私のパンツ事情が共有されて行ってるのですけど!?


「ほら、あなたのせいで知らない人にまで知られちゃったけど、この始末どうつけるの?」

「そんな、私は別に皆に知らせようと思ってたわけじゃなくて……近衛さんなら分かってくれるわよね?ね?」


 などと必死になって訴えてきますが、ギルティですよねこれ。


「えっと……ごめんなさい、前も言ったけど、出来れば私に関わってこないでほしいのですけど」

「そんな、私は近衛さんが心配で」

「その心配、かんっぜんに空回りしてるよね?そもそもあなた、去年まではほとんど他の人に絡まなかったじゃない?何で近衛さんにはそんなに積極的に絡むわけ?」

「え?それは近衛さんが心配だから……」


 高瀬さんはうろたえた様子で必死に言い訳していますが、これはもうはっきり言わないとダメですね。


「えっと、一つ良いですか?」

「なに?わたしにお願い事?私に出来る事なら何でもしてあげるわよ?」

「その、してあげるっていうのなんですけど、もし何かしてほしい事が有ればこちらから言いますので、出来ればそれまでは干渉してこないでほしいのですけど。って、前にも言いましたよね?」

「え……」


 なぜか信じられないって顔でこっちを見てくるのですけど、信じられないのはこっちなんですけど?


「えっとですね、正直に言うと、必要以上に足が悪いからとかそういう事を言われるの、いやなんですよ。私としては他の皆と同じように普通に接してほしいんです。もちろん、足がこんなだから完全に普通にっていうのは無理だっていうのは分かっていますけど、それでも基本的には足が悪い事を忘れているくらいの扱いで良いんですよ」

「えっと、近衛さんそれって……」

「足が悪いっていうのを前提に必要以上に絡まれると、逆にみじめになるんですよ。お前は……不良品なんだ、普通じゃないんだって……言われている、みたいでっ」


 過去義両親にさんざん言われた事であり、前の学校でもお前は足が悪いから、普通じゃないからって言われたことを思い出してしまって、言っている途中で、悲しくて、悔しくて、涙が出て来てしまいました。


 そんな私に気が付いた沙織さんが私の所へ来て頭を抱え、背中をトントンとしてくれていますが、一度溢れ出した涙がそう簡単に止まるわけも無く……


「そんな……わたし、そんなつもりじゃないのに、なんで泣くの!?」

「いい?高瀬さん。あなたにどんなつもりが有ったとしても、相手がどう受け止めるかが大事だと思うわ。しかもあなた体育の時にも近衛さんの意思を無視していろいろ言っていたわよね?その時に先生からも注意されていたでしょう?」

「そうよ、高瀬さんの気の使いようはちょっと異常よ?むしろ相手を思いやるんじゃなくて、相手の弱みに付け込んでるように見えるわ」

「そうそう、必要以上に近衛さんの足の事を持ち出して、何かやってあげてる自分に悦に入ってるんじゃないの?」

「そうよー、なんでもっと普通に接してあげないの?困っていない相手に困ってるだろうって決めつけて良い子ちゃんぶるのやめなよー」


 その後は周りの方たちが高瀬さんを責めていたのですが、それに耐えられなくなったのか高瀬さんは教室から出て行ったようです。

 そして少しすると1限目の先生が教室に入って来たのですが、泣いている私を見てうろたえ、近くにいた女生徒から軽く事情を聴いた後に、私に保健室で休んでいるようにと言ってくれました。

 ですので私はお言葉に甘えて保健室へ行き、付き添ってくれた沙織さんが養護教諭の方に軽く事情を説明してくれ、ベッドを使う許可を取ってくれたのでベッドの中へ。


 しかし、ベッドに入った後も胸の奥からこみあげてくるものがなかなか収まらず、なかなか泣き止むことは出来なかったのですが、どうやらいつの間にか寝ていたようで気が付いたら2限目終了のチャイムが鳴っていました。

 そんな私の顔の上には、濡らしたタオルが目の上に掛けてあり、さらには椅子に座って私の手を握ったまま、ベッドに突っ伏す様に寝ている沙織さんがいました。


 その後、沙織さんを起こしてからお互いに浄化を掛け、髪を手櫛で少し直した後、養護教論の方にベッドを使わせてもらったお礼をしようと思ったのですが、沙織さんから目の周りが腫れているからヒールで治しちゃいなさいと注意され、こっそりと直したのはここだけの秘密です。

 養護教論の方にはタオルのおかげで腫れなかったとごまかす事にしましょう。


 お礼を言ってから教室に戻ろうとしたのですが、どうやら担任の先生から呼び出しがかかっている模様で、そちらに寄って行くようにとの事でした。

 なんでも1限目が終わった後に一度保健室に来たらしいのですが、私が眠っていたためそのままにしていてくれたようです。


 先生に会いに職員室へ行ったところ、詳しい話は生徒指導室でと言われ、先生に連れられて生徒指導室へ。

 そこには学園長先生も呼ばれ、学園長先生同席の上で伝えられたことはと言うと


・高瀬さんの件については今日の朝の職員会議でも(先週の体育の件で)問題に上がったこと

・今朝私が伝えた、先週の玄関での一件も担任の先生が議題にあげた事

・上記に加えて朝の教室での件も追加で重なり、ご両親を後日呼び出した上で三者面談を行い、厳重注意を行う事

・本人からはすでに聞き取りを済ませてあり、いじめ等ではない事は確認が取れているため停学等の処分は無い事

・ただし、今後も同じような問題を起こした場合はその限りでは無い事


 などを教えられ、今回の一件はそれで収めてほしい旨伝えられました。

 まぁ、私もいじめではないと思っているので停学などは求める気はないですしね。

 ただ、今後は必要最低限の交流(クラスでの連絡事項等)以上の接触は可能な限りご遠慮願いたいので、その旨は伝えておきました。


 先生の方もこれに了承してくれ、今回の一件はこれにて終了となりました。


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短編を書いてみました


勘違いからの婚約破棄騒動


お暇でしたらこちらもよろしくお願いします
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