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スキル『砦』を使って快適ダンジョンライフ  作者: 日進月歩
第三章 皇居ダンジョンへ行こう!
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閉店時間ですか?いいえ、まだです


 弓の専門ショップはどうやらビルの中に入っている様なので、車から降りて車椅子に乗り、エレベーターでお店のある階層まで来ました。


 お店の中に入ると、壁にはずらーっと弓が掛けられていますが、こんなに一杯ある中からどう選べばいいのでしょうか?

 そう思って店内を見回していると、店長と思われるエプロンを付けた強面でムッキムキな男性が奥の方からこちらにやって来ました。


「いらっしゃいませ、近衛様ですね。私当店の店長で権田と言います」


 そう話しかけてきた方は、見た目はくまのように大柄で顔も髭もじゃなのですが、頭頂部はちょっと寂しそうですね。

 そして遠目から見た感じはすごく怖そうな感じだったのですが、近くで見るととても優しそうな雰囲気の方でした。

 んー、表情が柔らかいですしおめめがクリッとしているからでしょうか?


「はいそうです。今日は弓を選びに来たのですが……」

「はい、二条様からうかがっております。とりあえず、こちらへどうぞ」


 そう言った後、店長さんは入り口横に立っていた女性店員の方を見てうなずくと、お店の奥の方へと案内してくれました。


 そして奥へと案内された後、「お話は聞いていますので、お嬢様に合った弓の重さをまず量らせてください」と言い、いくつかの弓を持ってきました。


 それらは持ち手部分から上下に板状のものが伸びている、洋弓と言われて普通にイメージするタイプの物でした。

 そして用意された弓を一つずつ女性店員の方に渡されたので順次引いて行ったのですが、用意された5つの弓はどれも軽く、簡単に引けました。

 それを見た店長さんはというと、ちょっと驚いた様子で


「お嬢様は過去にアーチェリーの経験がおありで?」

「いえ、2~3回試しで引いた事はありますけど、ほぼ初めてです」


 そう言うとなおさら驚いていましたが、私としてもただ単に弦を引いているだけなので、なぜ経験者と言われたのかが分かりません。

 そう思っていると、私の年齢を鑑みて弱めの弓から、成人女性が使うくらいの強さまでの弓を用意していたらしいのですが、用意された中で一番強い弓まで私が簡単に引いてしまったため、経験者と思ったようです。

 なんでも、弓を引くのにはコツがいるそうで、コツをつかんでいればそこそこ強い弓が引ける。

 逆に言えば、力があってもコツを知らなければ強い弓はそう簡単には引けないんだそうです。


 そして今用意された弓では弱すぎるという事で、さらに強い弓も用意されましたが、その中で2番目に強い弓が丁度いいかな?と言った感じだったのですが、店長さんはそれを見てまたまた驚いていました。

 なんでもその弓は、大の大人が競技用に使うほど強い弓なのだそうです。


 んー、もしかしてレベルが上がってステータスも高くなっているから、その恩恵でしょうかね。

 そうすると、今後も強くなると考えるともっと強い物でも良いのかな?

 あー、でも強くても遠くへは飛ぶでしょうけど、そこそこの距離での威力ってどうなんだろう?


 まぁ、初心者の内からあまり強い物を用意してもらっても使いこなせるかもわからないので、とりあえず今ちょうど良い物にしてもらう事にしましょう。


 そして次に選ぶのが弓の種類なのですが、今試した普通のタイプと、コンパウンドボウと言う両端に滑車のようなものの2種類、細かく言うと滑車の無い弓も2種類あるらしく計3種類なのですが、そのどれにするかを聞かれました。


 ですが、その3つの内、コンパウンドボウ以外は上下に長く、車椅子に座った状態では取り回しが大変そうに見えたので、わたし的にはコンパウンドボウ一択ですね。

 そしてコンパウンドボウの中でもいろいろ種類があるようですが、取り回しの関係上なるべく小型の物にしてもらう事になりました。


 そして店内に飾られている物から該当するものをいくつか教えてもらい、その中から本体が赤い弓を選び、それを今回量った強さにセッティングしてもらう事になったのですが、ここから使える様にするのにそれなりに時間がかかるとの事。

 なんでも、弦の強さを設定したり、バランスを設定したり、矢をつがえる所を作ったりと色々とやる事が有るんだそうです。

 ですので、他に必要となる物として、弓をしまうバッグ、矢(安くて良く刺さりそうな先っぽの物を12ダース頼みました)、プロテクター(弦で怪我しない様に腕と胸を守る物)をはじめ、その他必要になる小物類なども一通り選び、受け取りは後日となりました。


 受け取りも誰かに取ってきてもらうのではなく、私が直接来て弦の強さの確認も含めて試し撃ちをしてほしいそうなので、後日学校帰りに来ることを約束し今日は帰る事になりました。

 ちなみにお会計ですが、すでに話が通っているようで後から二条家の方に請求するそうで、お値段の方は教えてもらえませんでした。


 そして帰ろうとしたのですが、なんとすでにお店を閉めていたようで入り口にはクローズの札が!

 それを見て店長さんに閉店時間を過ぎているのにすみませんと謝った所、どうやら本当はまだ営業時間のようで、今日は私が来たので早めにクローズにしたのだとか。

 どうやら他のお客さんが来て車椅子の私が好奇の目で見られない様にクローズにしてくれたようです。


 このお店、今後も弓関連ではお世話になる事がこの段階でわたし的に確定ですね。

 私が男性が苦手と言うのを知っているからか、店長さんは常に一定以上私から距離を取ってくれていましたし、弓を渡す時なんかは女性の店員さんに任せてくれるなど細やかな心遣いはすごく心地が良かったので、その辺の事は是非ともお婆様に報告しないとですね!


 こうして弓の購入も無事終わり、お家へ帰りました。


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短編を書いてみました


勘違いからの婚約破棄騒動


お暇でしたらこちらもよろしくお願いします
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