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クソ宰相  作者: ポンコツ
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出会い

誰もが夢見る幸せな国。

貿易と流通で栄えたこの国は、民の思いを背負った王様が、優秀な人材を民族や人種を関係なく登用したおかげでもある。

この・・・デス・センテンス王国という名前さえ無ければ。



意味は自分で調べてくれ。ワシも仕えて長いが、ここまでアホな主君というのもいない気がする。唐突だぞ。王様がいきなり


「宰相!!新しい国名を考えたんじゃ!!!」


なんていうもんだから、


「王様。今年に入ってからもう3回目ですよ国名変えるの。確か前回はなんでしたっけ。ナンダ国でしたっけ?」


「前回の名前はちょっとシンプルすぎたね笑」


「もういいです。」


それきりなんだよな。王様とは。

まあ、国の名前はともかくだ。この国は色々崩壊してきている。

簡単に言うならばアホな主君に、アホの血を受けつぐ息子。性格に難がある長女に狂気の次女。

貴族どもはほとんどいない。ほとんど国外へ飛んで行った。

さらに国境付近で帝国やら諸王国との戦争を控えている。

優秀な人材?ああ、いることは居るがこの王様に影響を受けたんだか、ほとんど狂っちまった。正気な奴はどっか行ったし。クーデターの計画や反王国組織っつーのもいるらしい。


まあ、最悪だ。


こんな国だが司法・立法・行政は動いている。軍事も生産も動いている。

やるのはワシだがな。


まあ、お陰で好き放題やっている。全権委任って奴だな。


だがそんなことも言ってられない。この最悪な状況にもかかわらず隣国は我が国を手中に納めるべく動き出しているらしい。


正直ワシも逃げ出したい。だが逃げて平民になるのは嫌だ。できれば貴族のまま他国に行きたい。願わくば他国でも貴族でいたい。

できるわけないのは十分わかってる。だから勝つしかないのだ。戦争に。


だが、肝心の戦力がない。兵士はごまんといるが、強力な戦士というか、強い奴がいない。これは致命的だ。

兵士が何人いようとも、強い奴にかかれば藻屑と成り果てる。死ねば民は王国に恨みを持ち、最悪クーデターで滅ぶかもしれない。

そうなったらワシもおしまいだ。それだけは避けねばならない。

つまり、強い奴を生み出すことから始めなければならない。だが、そんな強い奴どこかにいるか・・・?



!そういえば聞いたことがある。召喚だ。召喚で強い奴を呼び出すことができると。

帝国だったかどこかが召喚によりより強い個体を生み出すことに成功したと聞いたことがあった。

帝国にできるならワシにだって!


さっそく準備をする。必要となるのは生きのいい人間5人とそれなりの宝石。人間を魔法陣の中で殺し、宝石をちりばめる。詠唱を行なった後、最後になにかを言えば召喚が実行され、何かが出てくる。この最後に言う言葉も重要らしく、言った言葉で出るものも変わるらしい。今現在で確認されているのは、

「出ろ!」→モンスター

「来い!」→人間

「大好きだ!」→メスのなにか

この3つになる。

言った言葉だが、後ろや前に言葉を並べても、この3タイプもしくは似ている表現を使っても同様の結果になるらしい。まったく、召喚で大好きだなんてアホか。


まあいい。やってみるとしよう。

生贄になる人間だが、とりあえず奴隷たちを使うことにする。宝石は・・・王様の秘宝でも使うか。あいつ多分売るだろうし。今使っておこう。

死んだ奴隷と秘宝をセットしてと。魔法を詠唱する。最後の一言をどうしようか。


「宰相、あとは最後の言葉だけですが、なんと?」


ふむ。強いかどうかは分からないが出来れば会話が出来るように人間にするか。なら「来い」なんだが、しかしモンスターも気になる。ああ。どうしよう・・・。


「宰相!ここにいたのか!新しい国名を考えたぞ!」


後ろから忌々しい声がした。腹が立ったのでつい呟いてしまう。


「ちっ・・・このクソが」


その瞬間、魔法陣が光り輝く。


「ちょ!!」


最悪だ!王様の相手をしなければならないと思ってつい愚痴が出てしまったが

まさかそれが最後の言葉として実行されてしまうとは・・・。


奴隷と血と宝石がまとまり、人型のような何かが生成される。


「王様!あとで聞きますからとりあえず出てって!」


「宰相・・・。わかった。私の部屋で待ってるから後で来てくれ。」


目の前で起こってることにまるで関心がないとは・・・しかもワシ今敬語じゃなかったんだけど。

やっぱりアホなのか?


「宰相!召喚、成功しました。」


アホは放っておこう。とりあえず出た物は・・・


「うーん・・・ん?そこの爺さん。僕に抱かれない?」



変態が出た。





次回予告

「ワシは男は興味ないんだ!」

「僕はジジイ大好きだよ?」

うわ・・・引

こんな奴が出るとは。ワシなんかしたか?


そしてはやくも王様(以下アホ)の息子達が登場。


「宰相。金をくれ」


「宰相。女をよこせ・・・いや、男でもいい!なんなら宰相、貴様でもいい!!なんか抱かせろおおおおおおおお!!!!」


「宰相。回復魔法というのは本当に便利ね。何度でも血を浴びられるもの。」


「宰相。人が食べたい」


もう知らん。

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