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異世界の老舗旅館「和み屋」  作者: ずんだーさん
1/2

顧客リスト 001人目 「とある国の衛兵さん」

登場人物 


大八木 和泉・・・主人公。支配人見習い。19歳。幼い頃より異世界旅館内で過ごし高校卒業後は家業を継ぐため支配人見習いとなる。弱腰、ネガティブ思考、だが誰よりもお客様のことを考える思考の持ち主。そしてお客にも従業員にもイジられる。


大八木 キク江・・・祖母。和み屋の女将。80歳。に見えないです。接客の知識や振る舞い全てにおいて和み屋の柱。そして顧客、従業員皆のお母さんです。実は料理をが苦手


大八木 團蔵・・・祖父。初代支配人。現板長。83歳。こちらも見えないです。料理大好き。キク江さん一筋のじっちゃん。ジーダスとは親友。趣味はなんとクックパッドにレシピ投稿すること。

 この世の中というものは面白いもので奇妙な事や不思議な事に満ちあふれている。UFOやネッシーといったUMA。バミューダトライアングルやストーンヘンジといった未だに明かされない謎を秘めた物など数えたらキリが無いくらいだ。それ自体は不気味だったりすのだが一方で魅力的ではあると思う。そこにロマンを見出し人生をかけている人達がいるくらいだ。因みにだが俺・・・・大八木 和泉(おおやぎ いずみ)はそんな怪奇現象?がよく起こる中で日々を過ごしている。それは・・・・・




「いらっしゃいませ。ようこそ 和み屋へ」



そう俺の実家・・・・旅館「和み屋」は所謂異世界の住人を客として商売をしているのだ。



「よう。大八木の坊っちゃん。見習い修行頑張ってるか?」


「ええ。どうにかこうにか形にはなっては来ていますが・・・」

神様の力(チート)

「はっはっは。まあお前さんがちっこい頃から見てるからな。楽しみにしながら毎回利用させてもらうぜ」


こういったやり取りをしているのはオーク族で常連中の常連のジーダスという男だ。本人の言葉通りジーダスはまだ俺が小さい時それも物心ついた時からこの和み屋を利用していた。オーク族は寿命もかなり長く普通の人間の3~4倍は生きるのが普通らしく年齢は60歳なのだが今が一番体力も気力も満ち溢れている年齢とのことだ。うろ覚えだがよく遊んでくれていたらしくこうやって何気なく声をかけてくれる。見た目はアニメやゲームに出てくるオークそのもので体型も2メートルを有に超えているが気さくでノリもよく言ってしまえば親戚の叔父さんみたいな感じだ。


「ジーダスさん。今日も特能温泉と夕食は海鮮のコースプランで良かったですか?」


「ああ。もちろんだ。あの温泉と叔父貴さんの作る海鮮が俺の力の源だからな。」


「かしこまりました。お部屋はいつものように2階の角部屋を手配してますのでごゆっくりいってらっしゃいませ」


「おう。坊っちゃんも頑張れよ。時間が空いたら叔父貴と女将さんと一緒に部屋で話でもしようや」


「はい。じっち・・・板長と女将さんにも伝えておきます。」


「じゃあ またあとでな」


「いってらっしゃいませ」


ジーダスさんを見送った俺はまず内線で女将・・・祖母である大八木 キク江に次に板長で先々代の支配人の祖父・・・大八木 團蔵(だんぞう)にさっきの事を伝えた。それが終わった直後に玄関にあるシシオドシの音がなり新たなお客が現れた。このシシオドシが異世界からのお客が到着する合図となっているのだ。


「いらっしゃいま・・・・せ?」


いつものように出迎えの挨拶をしようとした俺は現れた人に驚いた。通常なら普通に歩いて来てそれを出迎えるのだが一向にこちらに向かってこない。ふと近づいて見るとその男はどうやら気絶しているようだ。だ更に体中傷だらけだった。息はしているので生きてはいるみたいだ。


「若様・・・どうしました?」


「すまない。どうやら怪我人の様だ。空いてる部屋に布団をしといてくれるかな?それと女将さんに連絡と安成先生を呼んできてくれないかい?」


「はい。今手配しますね」


駆け寄ってきた女中に手配を」頼み俺は倒れている男の腕に肩を回し立ち上がった。それを見ていた男性スタッフが来てくれ2人で空き部屋へと運んだ。女中に言われた空き部屋に着くと既に布団は敷かれ、安成先生と助手の看護師が待機していた。


「和泉よ。布団に横にしておくれ。あとその着けている鎧と装備も外しておくれ。」


「先生。頼みますわ」


鎧と武器を外し、軽装となった男を布団に横にした。男は肩で息をしており汗もかなりかいていた。細かな切り傷や手足に打撲や内出血もあった。助手の看護師がテキパキと用意していた救急セットで手当を始める


「まあ。格好から見るにどこかの国の衛兵だろうな。戦闘中か何かで負傷して偶然にもウチの転送の護符に触れたんであろうな」


「そうか。先生。様態はどんな感じかな?息はしているから大丈夫だとは思うけど」


「心配いらんよ。傷や打撲は多いが処置をしてここの温泉に入って飯を食べれば素泊まりで治るじゃろうて」


「本当か?それは良かったよ。じゃあ 目を覚ましたら呼んでくれる?俺温泉とかご飯手配としてくるよ」


俺はホッとして一旦二人に任せて部屋を後にした。そしてフロントに戻り通常業務に戻った。





男が運ばれてから数時間が過ぎたころフロントに女中がきて男が目を覚ましたと連絡が来た。俺は予め用意していたおにぎりと水を持って男の部屋に向かった。部屋を開けると男は布団で横になっていたがこちらに気づいたようで身体を起こそうとした。俺は慌てて駆け寄った。


「お客さん。まだ傷は癒えてないんだからそのままでいいですよ」


「いや・・・自分には急がなければ行けない用事が・・・」


どうやらかなり急いでいるようだ。だが身体はまだ完治して内容で思うように身体を起こせないでいる。


「お客さん。急ぎの用事があるようですけど。その身体で動くとまた倒れますし下手したらそのまま死んでしまいますよ。」


「・・・・・・ッ」


男は諦めて落ち着きを取り戻してくれた。俺もふうっと一息いれて改めて男に話しかける。


「まず こちらの紹介からしますね。ここは旅館[和み屋といいます。]宿屋といえば伝わりますか?」


「宿屋・・・あんな人気のない森のにこんな場所なんてあったか?」


「それはまあ ご尤もですね。この旅館・・・和み屋は通称異世界旅館といいましてありとあらゆる異世界からお客が集まるへんてこりんな不思議な旅館なんですよ。通常だと予約と専用の札がないと来れないんですけどね」


「へんてこりんて・・・しかし自分はこんな宿屋の事は知らないし聞いたこともないし、それにヨヤクとやらもした覚えがないのにどうして・・・」


「まあ そこなんですが多分()()()()()()()なんだと思いますわ。」


俺は何の根拠もなく言う。当然男は釈然としないが本当に神様の気まぐれなのである。まあその理由は今は割愛しておこう。


「すみません。そこはまあ理由としてはなんとも言えないんですがね・・・」


「いえ。こちらこそ。むしろ助けてもらって手当もしてもらたのに失礼をしました。」


男はかしこまってそういった。俺としてはとてもありがたかった。多分この男はとても誠実な人なんだと思った。そこで俺は話題を変える


「話はかわるんですけど お客さん ここで少し休んで行かれませんか?」


「え・・・いや・・しかし 俺は急ぎの用があって・・・それに路銀も持ち合わせもあいにくないのだが」


「それなんですけど 今日の分はお代はいらないです。その代りなんですけどもしですよ。もしこの旅館の待遇が気に入ったのならまた来てくれないかなーと思いまして・・・」


・・・・流れる沈黙。気まずい。やっぱ急に話振りすぎたかな俺・・・



「っぷ。っはははっはっはは」


なんと男は笑い始めたそれも涙目であげく腹まで抱えてしまっている。失敗か?失敗ですか?


「あ・・・あの。俺何か変なこと言いました?やっぱいきなり過ぎですか?それとも」


慌てる俺を尻目に男は尚も笑い続けた。そしてしばらくして落ち着いたようで


「いやすまない。あまりにも弱腰の提案だと思ってね。」


「弱腰ですか?いやまあ お客様ですし・・・」


「それにしたって お代の代わりにまた来いってのはいいが ()()()()()()()()ってどれだけ弱腰だと思ってね」


思い出したかのように男はまた笑い出す。俺は何も言えず只々恥ずかしさで居たたまれなかった。


「気に入ったよ。その申し入れぜひ受けさせてもらえないだろうか」


「へ?いいんですか?」


まさかの返答に俺は素っ頓狂に返事をした。男はまだ笑いを我慢しているようで妙に腹が立つがここはお客様の手前だ我慢だ。我慢。


「アンタみたいな人にはあったことないしそれにタダで休めるんだろう?俺に損はないじゃないか」


そこまで聞いて俺は一先ず安心した。さあ ここからが本力発揮というところだ。


「ありがとうございます。でわ 改めましてご挨拶を。この旅館[和み屋]の支配人見習いをしております。大八木 和泉 といいます。支配人でも大八木でも呼びやすいように呼んでください」


「俺はキースだ。ヘスティア王国の衛兵キースだ。よろしく頼むよ。オオヤギ。」


「はい。キース様。これより幾ばくのひとときゆっくりお寛ぎくださいませ。」






「おおーー。こんな浴場は王都の街でも見たことないぞ。」


「はい。これは温泉といいまして地中深くのお湯を組み上げてそれを風呂として利用したものです。」


まずキースを案内したのは温泉だ。キースの身体は傷だらけで打撲もある。更にはここに来たときにはかなり疲労困憊だったためまずは傷の早期回復と疲労回復、そして泥だらけだった身体を洗うために露天風呂へ案内した。キースはかなり興味を示しておりあたりをキョロキョロと見回していた。


「キース様どうでしょうか?これが当旅館の一押しの露天風呂です。」


「ロテンブロ。いやいや外を見ながら風呂に入れるのか。そもそも風呂自体が久々だし、こんな風呂は見たことないし・・・」


「そうなんですか。まあ衛兵さんは訓練がかなり過酷そうですしはお風呂に入る時間も余裕もなさそうなイメージですからね。」


「まあ。訓練の後はメシを食べて仮眠をとってそこからは夜の見回りと交代で夜の見張りだ。それにお湯自体が貴重な物だ。入れるのは王族か週に一度だけ王都の大衆浴場に行って浴びるくらいだからな」


どうやらかなりお湯が貴重な世界の人らしい。ならば折角の機会だ温泉の魅力を存分に味わってもらおう。


「では。まずは身体を洗いますので そこの木の椅子があるところにお掛けください」


キースは言われるままに椅子に腰掛ける。多分知らないだろうと思い俺は蛇口をひねった。お湯が勢いよくシャワーから出てきてキースの顔面にかかる。


「わっぷ。なっなんだ。こんな細いところからお湯が出てきたぞ」


「驚きましたか?わざわざ 湯船にお湯を汲みに行かなくてもこの銀色の物を撚るとお湯がでてくるんですよ。更にこの赤いところと青いところを調節することで好みの温度にできますよ。」


「すげーよ。オオヤギ。どんな仕組みなのか全くわからんが。これはすげーよ。」


現代ならこれくらいのこと当たり前のことなのだが異世界の人たちからとなるとこれだけでも不思議なことである。まあ魔術とか使うお客もいるのでこちら側が驚くこともあるのだが。




「はあ~~~~~~。これは気持ち良すぎだ。こんな事は今まで全くなかったよ」


ハーブで作ったシャンプーや石鹸で身体を洗ったキースは現在湯船で寛いでいた。現在キースが使っている温泉の成分はナトリウム、硫酸塩、塩化物泉で疲労回復や治癒力向上の効果がある成分になっている。和み屋の温泉は異世界のお客のとき限定だが温泉の効能を自由に変えることができる。どういう理屈かというと、まあ所謂神様の力(チート)である。理由は追々。


「お湯自体に入るのも貴重なんだがこのお湯に浸かってると疲れが抜けていく気がするぜ」


「それは何よりですよー。何かあたったら呼んでくださいね。ここで待機しているんで」


俺はキースが寛いでる間脱衣所にて扇風機を回し、ドライヤーをセットしタオルを準備していた。上がった際に湯冷めも湯あたりもしないようにしているのだ。そうこうしているちにキースが湯船から上がったようだ。



ブオオオオという機械音が響く。今はキースは洗面台に座り俺はキースの髪をドライヤーで乾かしているところだ。


「いやー。王族でもないのにこんな待遇はなんか悪い気がするし。気恥ずかしいな」


「まあ。基本は自分でやってることですからね。今回は私の提案ってのもあるので特別ですよ」


「はは。そうかい。これはこの後も期待できそうだな。」


「ええ。この後が一番の待遇と思いますよ」


そんな談笑を交えながら入浴タイムは過ぎていった。






その後しばらく達食事の時間となったのだがキースは食卓に並んだ料理を目の前にして目を丸くしているのだった。それを俺は見つめ更には板長である團蔵が料理の説明をしていた。


「お客さんには体力回復と疲れをとってほしいと思い今日は鰻をご用意いたしました。」


「ウナギ・・・知らない名だな」


「鰻とは・・淡水魚で見た目は蛇のような魚でございます。しかしコイツは・・・・」


と團蔵の説明が続いた。俺としては早く食べたい側なんだがキースは聞いたことない名前の食材に興味をしめし團蔵の話を頷きながら聞いていた。そんなキースに團蔵は心なしか嬉しそうに説明を続けていた。その後鰻を食べたキースの感想がこれである。



「うめーーーー。なんだこれは!!これが魚なのか?ホクホクしていて焼いた魚は何度も食べたが全然違う。特にこのウナドン。これが一番うまい。麦飯にウナギあとこのかかってる茶色いソースも・・・・」


おー 見事なまでの率直な感想だな。本来ならこの料理はここが美味いとかこの食材はなんたらとか感想もたくさん言ってるのだが割愛しておこう。なんでかって?團蔵じっちゃん曰く


「ゴタゴタあれこれ言われるより素直に美味い」


と言われてた方が率直で嬉しんだとさ。別にキースの感想が長ったらしいとかじゃないからな






夕食タイムも無事終わり現実の時間では22時を回る頃である。既にキースの部屋には布団が敷かれいつでも眠れる用意はできている。俺はキースに「お酒は出せるか」との事で何となくビールを出した。因みに夕食の時にはビール出そうとしたがそこは衛兵のプライドなのか分からないが水飲みを飲んでいた。だがやはり成人した男だこう寛いでいるからお酒が欲しくなる物だ。なので俺は快くビールと枝豆の塩ゆでを提供して晩酌をしていた。


「いや。オオヤギ。ここはすごいよ。温泉にウナギに更にお酒も飲めてこんだけ待遇もしてくれる。本当にお代はいいのか?」


「ええ。今回は大丈夫です。キース様が来た時荷物は来ていた鎧と武器と後はこの書状だけでしたし。そんな人からお代を頂いてどうするんでしょうかねと思いまして。なんだったらもう一回、今度はお代が貰える時に来てもうと思って提案したんですよ」


「全くお人好しだな。俺の国じゃそんなヤツは直ぐに騙されて身ぐるみ剥がされちまうわ」


「まあ。性格なんでね。どうも昔からでして・・・」


「だがそのおかげで俺は命を救われた。あのまま的に捕まるか野垂れ死ぬか自害してるかだったからな」


キースは俺に向き直り片膝をついて跪き頭を下げる。俺はそれを見つめ頭を上げるのを待った。


「この恩は一生もんだ。必ずまた来る。その時はまた頼むぜ。」


「ええ。お待ちしております。」



とその時だ部屋の襖の奥から声がした。女将・・・大八木 キク江の声だ。


「キース様。女将のキク江でございます。遅くなりましたがご挨拶にまいりました」




キク江はまずキースに挨拶をする。


「この度はとう旅館の支配人見習いの提案を受けてくださりありがとうございました。いかがだったでしょうか?」


「はい。本当にいい心地でした。小さい頃から国王に仕えるために日々訓練しかして来なかった自分にとっては十分すぎるくらいの待遇をしてくださり感謝の言葉しかありません。」


キースは座り直しキク江に告げる。キク江もその言葉に微笑みかえした。


「では この支配人見習い 大八木 和泉 の対応はどうでしたでしょうか」


さあ これだ女将キク江の採点チエックだ。今回は俺頑張ったぞ。キースも命の恩人て言ってくれた。これは高評価もらえるんじゃないでしょうかね?


「・・・・・」


しばらくの沈黙の後キースは告げる


「まだまだですね。点数を付けるなら30点です」


「ええええええっ」


俺は思わず叫ぼうとするがキク江に睨まれ黙り込む。なんでだあああ。


「まず一つはやっぱり弱腰すぎでしょう。支配人ってのはこの宿の責任者なんだろ?だったらもっと威厳を持ったほうがいい。俺は最初ここに奉仕に来ている人だと思ったぞ。」


「えーーーと。はい。すいません。」


「ほら この通りだ。もっとシャキッとしないと他の人達に示しがつかないぞ。皆お前の行動や言動をみてるんだ。」


その後もキースは時々焦って挙動不審になっていた所など細かな指摘を入れてきた。自分でも気づいていないところもありますます落ち込む俺。



「・・・・だけど。さっきも言ったが俺はすごく心地よかった。温泉とかウナギ料理とか初めての体験もあったが何よりこのオオヤギ支配人のおかげで俺はいい思いをさせてもらった。すっごく満足だったぜ。」


え?褒められた?俺褒められてるの?さっきまで散々指摘しまくってたのに?キースを見ると舌を出してやがった。この野郎!!!


「俺も国では部隊長をやっています。隊長も同じく部隊に示しを見せないといけない。日々学んでいます。だから同じ学ばないといけない立場です。それを込めての30点です。」


「あ・・・・・はい。俺もこれから精進します。今度来たときは今以上の待遇でお待ちしていますよ」


「ああ。それも楽しみに俺も精進だ。まずはこの書状を届ける任務を遂行してみせる」


そんな二人を見たキク江はふっと笑い、


「では、キース様 明日明朝にゲートの準備ができますのでお越しに参りますので今日はお休みくださいませ」


「なんと お越しに来てくださいますか。なら安心してゆっくり休ませてもらいます。」


「「では お休みなさいませ」」


俺はキク江と二人でキースに挨拶をし部屋を後にした。



「和泉。まだまだ。これからですね」


「ああ。これからだ。ばっちゃ・・・いや 女将さんこれからもよろしくお願いします」








明くる日。準備を終えたキースはゲートをくぐっていった。ボロボロだった鎧は宿泊していたドワーフ族のお客さんが打ち直してくれ、洋服も女中さんが縫いなおし、元通りに近い状態になっていた。俺はゲートをくぐる際にキースに護符を渡した。


「これがあれば念じる事でここの門前にこれます。お代なんですがお客様の払える額でお部屋や待遇を提案しているのでお気軽に来て相談してくださいね」


「そうか。わかった。必ずまたくる。その時はまたよろしく頼む。ではな」


「はい。またのお越しをお待ちしております。」



キースが見えなくなるまで俺はお辞儀をして見送った。







その日の夜すべての業務を終えた後團蔵とキク江と共にジーダスの部屋に来ていた。


「あーーーはっはは 大八木のぼっちゃんよまた一つ学んだな」


「あーーーーもう。落ち込むからもうその話はやめてもらえないですか」


「っくっくっく。いいお客だったじゃないか。しっかり良いところも駄目なところも言ってくれる」


「ええ。ちゃんと見てくれている。いいお客様でしたね」


「しっかし。30っ点・・・・あーーーっっはははは」


「ジーダスのおっちゃんーーーー」


「コラお客様だろうが バカ孫」


「すーーーみーーーまーーせんーー」







結局最後まで落ち込む俺でした。誰か俺を慰めてくださいお願いします。










顧客リスト


ジーダス・・・開業時より常連となっているオーク族。60歳。見た目はまんまのオーク身長は2メール。ただし気さくでノリもよく気配りもできるお人。人間より3~4倍生きるのでまだまだ若者です。


キース・・・初来客者。国の王に仕える衛兵の部隊長。新任の部隊長で同じく見習いの和泉に同じ立場にからならでわの指摘をしてくれました。



読んでいただいきありがとうごいます。お暇つぶしにでもなれたら幸いです。感想やコメント受け付けておりますのでよろしくお願いいたします。

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