少女たちの会話
「今日星良のところに編入生ってこなかった?」
放課後、私はいつものように星良の部屋へ押しかける。
「そうなのよ、聞いてくれる?柳君って言うんだけど、PS乗れるって言うからどれくらい乗れるのかなーって思って模擬戦ペア組んだのよ、聞いてくれる?先生もしてこないようなバク転みたいな機動して、銃弾躱しながら目の前に迫ってくるのよ?ほんと、わけわかんない。挙句にグレネードハンドガンで叩き落すし。勝ったには勝ったんだけど、あんな動き見せられたあとだと、勝たされた気がしてすっきりしないのよ」
そう、私が聞きたかったのはその柳君・・・優也君のことだ。
「そんなに凄いんだ?お昼休みにね、優也君居たんだよ整備ルームに。それでね、最初は整備研究科の子なんだろうなーって思って声掛けてみたら、あんなに手際いいのにPS科だって聞いて。それで優也君が言うには腕の関節は実力があがるほど負担かかるって言ってたんだけど・・・星良はどう思うかな?」
「ゆずも会ったのね、あの機動が気になって私も先生に聞いたんだけどさ、知ってる?さっきのバク転みたいな機動って普通にはできないんだって。私なら多分大丈夫だろうって教えてくれたんだけど、PSってアシスト機能がついてて、躓いたりしないようにしてくれてるらしいの」
「――システムアシスト機能」
「――システムアシスト機能オプション アシスト解除」
「これでそのアシストが解除されるらしいんだけど、先生の現役時代にもベテランの操士はやってるから間違いないって。これちゃんとPSが操作できないと、転んだり真面に歩行もできなくなるらしいんだけど・・・腕の関節はまた先生に聞いてみる、ありがとね。ところで、優也君って読んでるけど仲良くなったの?」
軍のベテラン操士と同じことをしてる学生ってことだよね。
それで整備もできて知識もある、やっぱり優也君の整備を見てれば・・・。
「ううん、整備の腕が良かったから、名前で呼べば仲良くなれるかなーって」
「仲良くって、ゆずは本当整備が絡むと一直線よね。彼、なんか芝居がかった優男みたいじゃない?」
「ちょっと偉そうな感じの男の子って感じだったよ」
「最初に手を差し伸べたふりしたから、逆に畏まられちゃったのかなあー!もう!手を抜くわ騙すわなんなの彼って!」
「手を抜いたかどうかは分からないけど、星良に優しくされたら誰だって背伸びするんじゃないかな」
中身とは違って、外見は上品なんだから。
「とりあえず!明日手を抜いたか問いただす!あと猫被るなも言ってやるんだから!」
「ゆずも気になるでしょ?!」
どっちが猫被ってるんだろうろうね、ほんと。
大体分かったから、私が喋りかけ辛くなるようなことはしないでくれるとうれしいなぁ。
「私は整備こと教えてくれたら、それでいいかなぁ」