自称勇者と呪印の少女04※
万屋を北に、半壊したトレーラーハウスから下ること約五百メートル。
果てしなく広がる赤茶けた大地に三つの円とそれを繋ぐ直線を基本とした巨大な魔法陣が描かれる。
直径にして百メートルを超える魔法陣の中心には色とりどりの鱗に緞帳サイズの巨大な革、赤い液体の入った大瓶に恐竜の骨格標本のような龍の骨と、これでもかというくらいの龍の素材が鎮座していて、その真向かいの円形魔法陣にはヴリトラの呪印を宿した少女がエレイン君達に守られ立っていた。
これは、光魔法に死霊術と相反する二つの術式を組み合わせた〈帰魂の法〉を実行する為の魔法陣とその触媒だ。
呪印の少女にヴリトラを倒す協力を取り付けた翌日、僕達はこの〈帰魂の法〉によって少女の体に刻まれた呪印に隠れ潜むヴリトラを現世に呼び出そうとしていた。
そして、ヴリトラに立ち向かうメンバーは僕にマリィさんにフレアさんのパーティ、ベル君にエレイン君達、対強敵用最終兵器であるモルドレッドである。
因みに死霊術とか生命回帰とか聞くと特別なリスクがあったりするのが定番なのだが、今回使うこの魔法は、あくまで封印され半精神体となっても格が高いまま存在している龍種や神獣などを現世に呼び戻す為の魔法で、特段厳しいリスクを負うものではないという。
名前に『帰魂』なんて文字は入っているものの、この〈帰魂の法〉という魔法は召喚魔法とかそういう魔法に近いらしく、字面ほど怪しげな魔法でないとのことである。
まあ、呼び出す対象が対象だけにかなりの魔力消費は否めないそうなのだが……。
「本当に私がやるんですよね」
不安そうな顔で聞いてくるのは今回の主役であるポーリさん。
そう、今回この大規模な回帰の魔法を執り行ってもらうのは、フレアさんの仲間にしてルベリオン王国において聖女と呼ばれるポーリさんなのである。
なぜ彼女が、この〈帰魂の法〉を取り仕切る役に選ばれたのかというと、それは彼女が持つ実績を見てもらえれば分かってもらえると思う。
獲得実績:【調薬士】【魔法使い】【光魔導師】【退魔師】【アークビショップ】
【魔獣殺し】【巨獣殺し】【悪霊祓い】【聖獣の加護】
付与実績:【お転婆シスター】【偽善者】【ルベリオンの聖女】
相変わらず付与実績に酷いものが多いけれど、獲得実績に存在する【光魔導師】と【アークビショップ】、回復系の魔法に恩恵をもたらすこの二つの実績、これがこれから執り行う〈帰魂の法〉には必要だったのだ。
正確に言うと〈帰魂の法〉は回復系の魔法ではないのだが、魔法とはイメージの産物だ。魂の回帰を願う魔法を行うのには回復魔法を持つ人物の方が都合がいいとのことだそうだ。
それ以外にも、その魔法を使う術者がその対象――この場合は復活したヴリトラの姿――をしかと記憶に留めていることも、復活を成功に導くのに重要なファクターなのだという。
まあ、同じく光魔法やら回復魔法やらに適性がある魔王様が同じ儀式を行ってもらえば、その練度差から、イメージやらなんやらをすっとばして、確実に成功するだろうというのが、この儀式の知識を提供してくれたソニアの談なのだが、魔王様を全く関係ない世界の揉め事に巻き込むのはいかがなものかという理由と、魔王様が本気でこの魔法を使った場合、ヴリトラがパワーアップして復活してしまうかもしれないという危険性を考えてポーリさんに白羽の矢が立ったのだ。
「とまあ、そんな訳ですから頑張ってください」
「何がそんな訳ですか。全く――」
「きちんと仕事に応じた報酬は用意しますからお願いします。因みに報酬は今使っている杖も含まれていますよ」
そんな励ましとも買収ともいえない言葉を受けてポーリさんがゴクリと喉を鳴らす。
なにしろ、ポーリさんがいま手にしているのは、植物のスペシャリストであるマールさんが育てた世界樹を一流の魔具職人であるソニアが削り出した一点物の杖なのだ。魔法職であるポーリさんなら、杖を手にした瞬間にその価値を理解できているだろう。
加えてもう一つ、儀式を確実に成功させる為に僕達が用意したものは特徴的な茶色い小瓶に入った魔法薬。
「では、ポーリさんこれでお願いします」
「これは?」
「僕の世界の栄養剤を改造した魔力増強剤ですね。効きますよ」
以前、地球産の栄養ドリンクにいろいろ魔力付与を試した時に発見したのだが、某有名女性向け栄養ドリンクのスペシャル版に魔法を付与すると、一時的に魔力の総量を高めるなどといったソニアですら見たことのない効果を持つ魔法薬が出来ることが判明した。
相も変わらず精力増強やらなんやらと、副作用というか本作用が付随しているみたいだが、聖女の実績を持つポーリさんとっては無用のものだと信じたい。
ということで、ポーリさんにはこのドリンクを飲んでもらい、さっそく儀式を始めてもらおうというのだが、
「はぁ、本当に私なんかに龍種の喚起なんて本当にできるのでしょうか?」
「私なんかじゃないさ。ポーリだからできるんだ。大丈夫。俺達仲間がついているじゃないか」
ドリンクを一息に煽りながらも不安を隠せないご様子のポーリさん。しかし、フレアさんの励ましを受けては嫌と言えないのだろう。
というか、キラキラと乙女爆発な瞳をして、急にやる気になったような……。
意外と現金な人である。
でも、一言二言の軽いアドバイスでここにきてまだ渋っていたポーリさんにここまでやる気を出させるとは、これはもうフレアさんに【天然ジゴロ】とかそういう実績がついてもおかしくはないんじゃないかな。まあ、救い出そうとしている姫様やマリィさんの反応を考えると、必ずしもそのキザな振る舞いが通じるという訳でもないみたいだから実績に反映されていないのかもしれないけど……。
と、そんなある意味で勇者らしい笑顔に励まされて、ポーリさんは巨大な三角形の一角、二体のエレイン君に挟まれて小さなマジックサークルの中で待つ黒雲龍の呪印を宿した少女の前に立つ。
そして、不安そうな少女を励ますように柔らかな微笑みを浮かべると、目を閉じて精神を集中、賛美歌のような荘厳な歌を口遊みながらも、一見するとシンプルな白木の杖にしか見えない世界樹の杖に魔力を込めていく。
そうして暫く、ポーリさんは可視化して見えるくらに魔力を世界樹の杖に充填すると、その杖先をトンと地面に突き立て、アヴァロン=エラの大地に刻まれた三角形の巨大魔法陣に魔力を注入。丁寧に魔法陣を発動させる魔法名を口にしていく。
「〈龍脈接続〉、〈星魂喚起〉、〈生命礼賛〉」
それ即ち、龍脈に接続することによって現世と幽世の回路を繋ぎ、星に語りかけることによって大地に帰っていった魂を喚起、呼び覚ました魂に再び生命力を注ぎ込むことによって一時的な復活を可能とする大魔法。
「さて、こちらも準備を初めましょうか」
そして、着々とヴリトラ復活へのカウントダウンが進む一方で、僕は復活した後の対処に向けて残りのメンバーに声をかける。
とはいっても、ヴリトラとの戦いでメインを張るのは予めこちらに出張してもらったモルドレッドで、僕達はそのサポート役に過ぎないが、相手は龍種、モルドレッドの力だけでヴリトラを確実に退治できるとは限らない。だから、何があってもいいように二重三重の備えが必要なのだ。
僕の号令に合わせ、それぞれが配置に散っていく中、魔法陣の中に立つ呪印の少女から怪しげな薄墨色の靄が溢れ出す。
その靄は意志を持っているかのように渦を巻き、魔法陣の中央に置かれている龍の全身骨格に纏わり付くと、それを核として一匹の龍の姿を形成する。
それは西洋の龍というよりかは東洋の龍に近い、蛇のような姿をした黒龍だった。
魔法陣のサイズからして百メートルは超えていないだろう。長大な体の要所要所に長いヒレのような羽が生えていて、言うなれば羽衣を纏った黒龍とでも言うべきか、そのヒレが宙にひらりと棚引いて、どことなく神聖な雰囲気すらも漂わせていた。
と、見惚れている場合じゃなかったな。
儀式がちゃんと推移しているのなら、すぐにソニアに連絡をとってモルドレッドに動いてもらわないと――、
僕はモルドレッドの操り手であるソニアに連絡を取るべく魔法窓を展開する。
しかし、僕がメッセージを送るよりも早くモルドレッドが動き出す。
どうもソニアは、いつ僕から連絡があってもいいようにと、予めモルドレッドのスタンバイを進めておいてくれていたみたいである。
まるで現実に浮き出してきた水墨画のように半実体化したヴリトラの首根っこをモルドレッドが押さえつける。
そして、馬乗りのポジションに移行、その手に持っている巨剣をその延髄に突き立てようとする。
だが、ヴリトラもただ大人しくしているだのではない。その蛇のような長い体を剣を突き落とそうとするモルドレッドに絡み付かせ、赤銅色の巨体を締め上げていく。
すると、開きっぱなしだった魔法窓から呼び出し音が鳴り響き、
『ヤバイ。逃げられるかも』
おっと、ソニアからの応援要請だ。
さすがのモルドレッドでも自分より大きな龍に巻きつかれたら厳しいか。
本当なら呪印の少女の中からヴリトラの祝福を完全に取り去る為、きちんとヴリトラを復活させてから本格的な戦いに入ろうという予定だったのだが、主戦力であるモルドレッドが危ないとなれば背に腹は代えられない。
まだ儀式の途中ではあるけど、ここは一気にいくしかないか。
僕は応援を求めるソニアに『狙えたら遠慮なく仕留めにいってくれ』というメッセージを送ると同時に、フレアさんやエレイン君達にも声をかける。
そして、僕達が解体用ナイフを手に戦場へと投げ込んでいく中、拘束が緩んだ隙を見てモルドレッドが装備していた巨剣を突き下ろす。
しかし、モルドレットの一撃はヴリトラの体表を滑り地面に突き刺さるだけだった。
あの重量で突き落としでも龍の鱗は貫けないのか。
いや、モルドレッドの剣は巨大ではあるが所詮は看板代わりに作った鋼鉄製の剣でしかない。おそらく攻撃の威力に武器の性能が見合わなかったのだろう。やはり手間をかけてでも魔法金属製の武器に変えておくべきだったか。
そんな後悔を心の中で呟きながらも、こうなってしまっては解体用ナイフを持つ僕達が直接戦うしかないのかと、既にヴリトラへの特攻をかけたフレアさんに続きヴリトラに近づこうとするのだが、いざヴリトラに攻撃を加えようとした直前になって、ひりつくような空気感を察知、叫ぶ。
「フレアさん下がって下さい!!〈標的指定〉」
直後、ヴリトラの体から薄墨色の靄が溢れ出し、その一部が、僕が地面に向けて放った誘引の力を持つ魔弾に引き寄せられる。
「毒霧か」
事前に聞いていたフレアさん達の話によると、ヴリトラはその黒雲龍という名前の由来となった酸度の高い黒色の毒霧を纏う性質を持っているらしい。
おそらくこの薄墨色の靄がその毒霧なのだろう。
大きく距離を取る僕の横でフレアさんが焦るようにこんな声を漏らす。
「マズイな。このままではまともに身動きが取れないぞ」
まあ、僕の場合、事前にヴリトラの毒をもらっているからある程度の耐性があるのだろうが、酸度が高いとなると物理的な被害は出るだろうし、他の皆さんがこの毒霧に触れてしまったらどうなるのわからない。
だから、自分達の周囲に誘引の魔弾をばら撒いて時間を稼ぎ。
「皆さん。事前に渡しておいた聖水を使って下さい。これで一定時間、毒の効果を無効化できるハズです」
「モルドレッドは大丈夫なんですの?一気に風で吹き飛ばして大勢を立て直します?」
取り敢えずはと僕が皆さんが周囲に聖なる水にて正常な空間を作り出す一方で、マリィさんが気にしたのは完全にヴリトラの毒霧に飲み込まれてしまったモルドレッドだ。
たしかにゴーレムであるモルドレッドにとって酸度の強い毒霧攻撃は厳しいものなのかもしれない。
だが、マリィさんが言う突風で吹き飛ばしてしまうという解決策はいただけない。
距離的には充分に離れているのだが、拡散した腐食霧の一部が万屋の方に流れていってしまったら、その近くで今も訓練を続けている特殊部隊の皆さんに被害が出かねないのだ。
そうなると、効果範囲は狭くなるが浄化の魔法を使った毒の無害化が無難な対応なんだけど……。
マリィさんからの声に考えをまとめた僕は、〈強風〉の魔法を準備するマリィさんを止めて〈浄化〉の魔法に切り替えてもらう。
そして、ここは猫の手でも借りたいとフレアさんとティマさんにも浄化のお手伝いをお願いするのだが、二人から返ってきたのはイエスともノーともとれない微妙な言葉で――、
「あの、お二人は冒険者ではありませんでしたか?」
冒険者や探索者と呼ばれる人々の間では、日々の汚れや臭いだけでなく、毒ガスやらアンデットの対処と様々な場面で使い所が存在する浄化の魔法は必須だと聞く、高名な冒険者であるらしいお二人がそれを覚えていないのはいかがなものか。訊ねる僕に二人が言うには、
「そういう細かい魔法はポーリに任せてたから」
「前は練習していたのだがな。ポーリが使った方が効果が高いのだ」
たしかに自分達のパーティにポーリさんのような【アークビショップ】が居たのなら、お二人の浄化魔法が伸びないのも当然なのかもしれない。
ともあれ、使えないというなら仕方が無い、ここは僕とマリィさんでちまちまと浄化していくしかないだろう。
正直、ヴリトラから吹き出し続ける腐食霧の量を考えると、お二人が頼りにするポーリさんにも手伝ってもらいたいところではあるが〈帰魂の法〉が発動しているこの状況ではそれも不可能だ。
「じゃあ、僕とマリィさんで毒霧に対処しますので、二人は少し危険かもしれませんが聖水と毒消しを持ってヴリトラの注意を引いていてもらえませんか」
「了解だ」「わかったわ」
改めて指示を送り直したところで、どうしようもないお二人には聖水や毒消しにポーションの類とポーチから取り出した様々な回復アイテムを追加で投げ渡しヴリトラへの対処を再開する。
おそらく腐食霧の中でソニア操るモルドレッドがヴリトラを抑えてくれるのだろう。ガキンガキンと金属がぶつかりあうような大音響の中、僕が〈標的指定〉で毒霧を集めて、マリィさんが〈浄化〉をと役割分担をして、少しづつではあるがヴリトラから吹き出した薄墨色の霧を無害化していく。
そして、フレアさん達の援護を受けながら、牛歩の歩みでヴリトラまであと一歩まで迫ったところで手元に魔法窓が立ち上がる。
その内容は――、
『すまない虎助、そろそろ稼働限界だ』
まだ完全復活ではないとはいえやはり龍種との力比べは相当消耗するのか、いや、毒霧のダメージが大きいのかもしれないな。
思ったよりも早くモルドレッドが稼働限界に達してしまったようだ。
そして、悪い報告というのは重なるものだ。
ソニアからの報告に少し遅れて〈帰魂の法〉が完了したらしい。後方からポーリさんの絞り出すような声が飛んでくる。
「皆さん来ます」
ギィャオォォォォォォォォォォォォォオオォォォォオオオオッ!!
ひときわ大きな叫び声が轟き、腐食霧がその衝撃に押されるように爆散する。
僕達が腐食霧の効果を打ち消す為に聖水を頭から被る中、薄くなった腐食霧の向こうから、完全なる実体化を果たしたヴリトラがぬるりと超大なその姿を見せる。
薄墨色の霧を纏い、宙をゆらりと泳ぐ雄大な様はまさに黒雲龍。
「なんという覇気。これが本当の黒雲龍か」
おそらくその姿はフレアさん達が自分の世界で見たヴリトラとはまた別物なのだろう。
僕達の逃げ場を奪うようにゆったりと空を回遊するヴリトラにフレアさんが慄く。
その反応が強敵を前にしての興奮によるものか、それとも恐怖によるものか、僕には分からない。
だが、もしもの場合は、フレアさんを含めたお客様全員にこのアヴァロン=エラからの一時的な避難をお願いしなければならない。
避難を完璧なものにする為にもヴリトラには出来る限りゲートから離れてもらわなくてはならないだろう。
「こうなってしまっては仕方がありませんね。僕が殿を務めますから、万屋から離れるように撤退しながら戦いましょう」
状況を冷静に分析、そう声を掛けるのだが、
「いや、これは俺が招いた事態だ。殿は俺が引き受ける」
勇者としての挟持がそうさせるのだろうか。僕を押し退けるようにフレアさんがヴリトラの前に立つ。
そして、フレアさんが剣を正眼に構え、悲壮な表情でヴリトラに立ち向かおうとしたその時、それは現れた。
黄金の輝きを放つブロードソード。
光り輝く風を纏った黄金の剣がヴリトラに纏わりつく不気味な薄墨色の霧を斬り裂き、その脳天に突き刺さったのだ。
「エクスカリバー!?」
そう、あからさまなピンチに陥った僕達の前に突如として現れたその剣の名はエクスカリバー。
まさに物語の世界のようなシチュエーションにマリィさんは叫び、蕩けんばかりの表情を浮かべる。
一方、フレアさんは、ふらり地面に墜落するヴリトラを前に、固く構えていた剣を腰にしまうと、
「俺に抜けと言うのか」
なんでそういう理屈になる。
雰囲気のある呟きを口にして、エクスカリバーの輝きに引き寄せられるように歩き出すフレアさん。
すると、そんなフレアさんにマリィさんから烈火の如き文句が飛ぶのだが、フレアさんの耳にはマリィさんの文句が届いていないようだ。
フレアさんの目にはもうエクスカリバーしか映っていなかった。
この運命的なシチュエーションにフレアさんはマリィさんよりも深く酔いしれていたのだ。
そして、エクスカリバーを我が手にせんと黄金の一撃に沈黙するヴリトラの頭に飛び乗ると、
「ありがとうエクスカリバー。さあ、共に戦おう」
長年の戦友にでも声をかけるように、ぐったりと倒れるブリトラの脳天に突き刺さるエクスカリバーに語りかけ、その黄金の刀身を引き抜こうとするのだが、
『我はお前の助けたのではない。ただ邪悪な気配を感じて駆けつけただけだ』
意外にもエクスカリバーに宿る精霊は女性だったみたいだ。
凛と涼やかな女声でフレアさんの言葉をバッサリと斬って捨ててしまった。
エクスカリバーからのつれない返事に、ヴリトラの頭の上という危険地帯にあるにも関わらずフリーズしてしまうフレアさん。
そして、どう励ましたらいいのやら、慰めの言葉を探す僕のすぐ横でティマさんがこう叫ぶ。
「けけけ、剣が喋った――っ!!」
◆伏線というほどではありませんが、数話前から少しお休みしていたエクスカリバーがようやく動き出しましたね。
因みにティマやポーリの魔力は200ポイント前後と異世界の魔導師としては優秀な部類という設定にしてあります。
ポーリの実績の数が少ないように見えますが、聖女という肩書から悪霊・悪魔などを数多く祓って来ている為、見た目よりも数多くの権能を持っているという設定です。




