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そろそろ文化祭※

◆今回は久々の会話劇です。

◆六限LHR、教室にて――、


「じゃ、文化祭の出し物を決める会議を始めるわよ。意見のある人は手を上げて」


「はい。

 ノーパン喫茶ガガガ――チョックマシンガン?

 って、なにすんだよ委員長」


「アンタ、馬鹿なの? 勝手に喋って――、

 あと私は委員長じゃなくて副委員長。谷君もなんか言ってやってよね」


「あはは――、ごめんね」


「まったく、谷君はいつももそれなんだから」


「出た、委員長のツンデレ」


「いいえ、あれは熟年夫婦っていうのよ」


「そこ、うるさいわよ。

 あと松平、巫山戯てるなら出てってもらうわよ」


「いやいや、それくらいわかってますがな。

 ノーパンはあくまで店の名前でやるのはふつうのメイド喫茶。

 そして履くのはアンスコやブルマ。ただパンツは履かない。これでどうだ」


「余計に悪いわ」


「って、な、なんで」


「なんでもなにも誰がやるのよそんなこと」


「「「「「「「「「「「(うんうん)」」」」」」」」」」


「ハァ、次、誰か意見は?」


「はい。

 発情ケモミミカフェが――」


「ねぇ松平。私、巫山戯るなって言ったわよね」


「いや、みんななにも言わねーから、俺が意見を出すしかないかって」


「それはアンタが手を上げて勝手に喋りだすからでしょ。

 とにかく、松平以外でなにか意見がある人?」


「「「「「「「「「「……」」」」」」」」」」」


「……誰か手を上げなさいよ。

 誰も手を上げないならこっちから当てていくわよ」


「委員長。さすがにそれは横暴なんじゃ」


「じゃあ、誰か意見はないの。

 えーと、渡辺君?」


「ひっ、委員長、目、怖いから。

 先生、委員長が暴走してますよ」


「ん~、そこは生徒のジシュセイってことでよろしく」


「ってことみたいよ渡辺君。君の意見を聞かせてくれるかしら」


「ちょっ」


「まだかしら?」


「え、えっと、その――、あのですね。あ、普通に展示でいいんじゃないかな。

 ウチのクラス、部活やってる人が多いから、みんな忙しいでしょ」


「そうなの?」


「お、おう。渡辺の言う通り、俺らは当日まで余裕があるけど、当日はなあ――」


「そうね。私も部活で作る合同誌の締め切りがあるし」


「帰宅部中心でやらないと無理なんじゃ」


「でも、ウチのクラスの帰宅部っていったら間宮くん以外アレだよ」


「おいおいアレとか、俺らを元春と一緒にしないでくれよ」


「まったくだぜ」


「じゃあ水野、アンタはなにか案とかあるの?」


「そりゃ――、ふつうにお化け屋敷とか?」


「お化け屋敷ぃ?

 アンタたち、それ、絶対変なことする気でしょ」


「さり気なくお尻とか触ったりとかね」


「いやいやいやいや、さすがにそんなことしねーって、停学になるし」


「そうだそうだ。誰が好き好んで斎藤のケツなんか――ブフォ」


「それでもやるのがアンタ達でしょ」


「ややや、やらないっすよ。だから脇腹殴るのは勘弁。

 センセー。こっちにも暴力を振るう人が――」


「ん~、頑張れ」


「そんなー」


「てゆーか、そもそもお化け屋敷とか、今から準備するの無理っぽくない?」


「教室を改造するのとか結構時間がかかるかもだし」


「ちょっと水野、これどうすんのよ?」


「いや、そこは虎助の出番ってことで――」


「えっと、間宮君の出番ってどゆこと?」


「お前達はまだ虎助の本気を知らない」


「虎助が本気をだしゃ、お化け屋敷の一つや二つ。一日で完成させちまうしな」


「一日で完成って、流石にそれは無理じゃない」


「そうだね。せめて二、三日はもらわないと」


「って、本当に作れてる!?」


「えっと、じゃあお化け屋敷でもいいってこと?」


「いやいや、お化け屋敷ってお化けの準備も必要だし大変でしょ」


「そもそも間宮君に頼りっきりじゃダメだよね」


「そうよ。間宮君には頼みたいことあるんだから」


「ミカ、間宮君に 頼みたいことって?」


「実はうちの部で自主制作映画を作ろうと思ってて、間宮君にスタントの協力をお願いできないかって言われてるの」


「スタント? それって時間がかかるんじゃ」


「平気平気、前に見た間宮君の身のこなしなら、三十分くらいで全部の撮影が終わるから」


「それなら――」


「はいはい、そういう勧誘は他でやってよね。

 とにかくお化け屋敷は却下。いい?」


「そんな――」


「みんなノリ気な感じだったじゃん」


「でも、アンタ達、絶対やらかすでしょ」


「だよねぇ」


「ということで他に誰か意見はない」


「はい」


「誰か他に――」


「はい」


「他にいないの――」


「委員長。俺が手を上げてるって」


「だから、副委員長だって――まあ、いいわ。

 松平、変なこと言ったら、いいでしょうね」


「ふふ、任されろだぜ。だから委員長、ハリー、ハリー」


「まったく仕方ないわね。聞かせて頂戴」


「俺が提案するのはボードゲームカフェ。

 お茶とかは出さなくて、ただただボードゲームをやる場所を提供するって感じの出し物だ」


「ふぅん、悪くはないんじゃない。

 で、本当はなにをたくらんでるの」


「な、なにも企んでなんかないっすよ」


「松平、語るに落ちるって言葉――、知ってる?」


「知りません?」


「はぁ、アンタに言った私が馬鹿だったわ。

 仕方ないわね。詳しく聞かせて」


「くく、そう来なくっちゃな。

 まずは持ってくるもの、これはトランプとか、ウノとかだな。これならみんなの家にもあるだろ」


「それならどこに家にもあるでしょうね。

 でも、それだけだと手抜きが過ぎるでしょ」


「だから、オリジナルの罰ゲームを作ったり、あと虎助ん家からボードゲームを借りてくるんよ。

 虎助ん家ににはそういうゲームがいっぱいあっから」


「そうなの間宮君」


「ああ、そうだね。学外にゲーム好きの友人がいて、彼女と一緒に買ったものが結構あるかな」


「彼女、だと」


「虎助、貴様いつの間に――」


「落ち着けってお前ら、マオっちはそういうんじゃない。

 無類のゲーム好きのロリっ娘だ。

 そして俺のダチでもある」


「元春に女子の友達……だと?」


「ンナバーカナー」


「お前ら驚き過ぎじゃね。失礼じゃね」


「だって元春に女子の友達だぞ」


「天地がひっくり返ってもありえねぇ」


「つか自慢か、嘘言って自慢がしたいんか」


「お前ら――」


「ちょっと、アンタ等うるさいわよ」


「だって委員長」


「だってもあさってもないの。静かにしなさい」


「「「「ごめんなさいお母さん」」」」


「誰がお母さんよ。

 それよりも、これ、みんなどうする?」


「いいんじゃない。この案なら準備も簡単そうだし」


「そうだな。これなら動ける時に動ける人間がやればいい感じだし」


「けど、説明とかどうする。

 ゲームによっては結構ルールが複雑なのがあるんじゃない」


「ああ――」


「そこはでっかい紙でちょっとしたアンチョコとか作りゃいいんじゃね。

 暇なやつが休み時間にでもやれば、ある程度ルールは把握できるだろし」


「あ、楽しそう」


「あと、お茶を出さないって言ってたけど、せめてペットボトルのお茶とかはどうなの。

 机から放して置くところを作るとか」


「あ、それはいいかも」


「って、方向で決まっちゃってるけど、いいの委員長」


「いいんじゃない。ちなみに松平がさり気なく言ってたオリジナルの罰ゲームってのは却下だから」


「と、委員長マジかよ。罰ゲームとか言っても肩を揉むとかそれくらいなんだけど――」


「ふーん、それならなおのこと却下ね。アンタ絶対セクハラとかするでしょ」


「ちょちょっ、たかが肩揉みでセクハラとか、そんなの虎助の方がセクハラじゃんか」


「ええと元春、なにを言ってるのかな」


「だって、おま、前にマリィちゃんをマッサージでアヘらせてたじゃん」


「アヘらせた?」


「ってか、マリィちゃんって誰よ」


「ちょっと、みんな違うからね。元春も変なこと言わないでよ」


「嘘じゃないだろ。危うく俺まで毒牙にかけられそうになったんだぞ」


「まさかの虎×元」


「ごくり」


「はいはい、みんな静かに。

 とにかく松平の言った罰ゲームなんやらは、私が谷君とかと考えるから松平のは却下ね」


「そんな――」


◆放課後、昇降口にて――


「くっそー」


「荒れてますね元春君。どうしたんです」


「生徒会選挙のアレじゃね」


「ちげーよ。てか、いつまで言ってんだよ」


「ええと、風紀委員の調査によって元春君たちの裏工作が発覚、選挙戦が始まる前に候補から除外されたんでしたっけ?」


「新しく風紀委員長になった町村君って人が張り切ってたみたいだね」


「だから、そっちはもういいっての。もう他に手を打ってんからな」


「そうですか。

 ならば、僕はその企みが失敗する方に花京院の魂を賭けましょう」


「僕も」「俺も」


「お前ら典明の魂を安売りし過ぎだろ。後悔すんなよ」


「はいはい、それで結局元春君はなにを悔しがってるんです」


「ぐっ――」


「実は今日のホームルームで出し物を決めたんだけど。

 まあ、いつもの如く、元春の企みが却下されてね」


「マジで最悪」


「ちなみに、今年はどんな案を出したんです」


「ふつうにエッチな喫茶店とか、ゲームカフェだね」


「成程――、

 しかし、後者のアイデアなら普通に通りそうな内容ですが」


「うん。だからゲームカフェはちゃんと採用されたよ。

 ただ元春が提案した罰ゲームの案が却下にされちゃってね」


「またハレンチなゲームとかを提案したんでしょう」


「モトが考えそうなことだな」


「いや、お前らが想像してるようなエロいヤツじゃねーぞ。

 ガッコの行事だし、ふつーに肩を揉むとか、スキンシップメインって感じだっての」


「で、二人のクラスはどうなの?」


「ちょ、虎助さん。これって俺の不満を聞く流れんなんじゃないんですかね」


「僕のところはダンスですね。去年と同じです」


「って無視!?

 てゆーか、俺のが駄目で次郎のはいいんだよ」


「信用じゃないですか?」


「たしかに、次郎君の場合、アイドルマニアとしての信頼と、女子だけでなく男子の振り付けも希望者を募っての企画だったからね」


「くそ、うまくやりやがって」


「というか、今年は僕が言い出すまでもなく、目立ちたがりのクラスメイトが提案してくれましたから」


「ガッデム、俺と次郎のなにが違うってんだ」


「やっぱり信頼じゃないかな。それで正則君のところはどんな出し物をするの?」


「俺のところは普通に展示だな。

 トリック写真でいいのか、いろんなマンガの名シーンを再現するってのだ」


「ああ、それは――」


「やる気のねークラスだな」


「そう? 僕は面白い企画だと思うけど」


「僕もそういう企画は好きですよ。

 と、写真といえば、元春君、君の部活は今年もまたコスプレ写真館をやるんですか」


「ん、ああ、貴重な資金源だからやらねーとだからな」


「普段の行いを考えると絶対反対されそうなんですけどね」


「まあ、そこは、文化祭のに限っては新聞部と風紀委員に入ってもらって、しっかりとデータ管理をしてもらったりしてるって話だから問題ないんじゃない」


「成程――、

 本当に信頼って大事ですよね」


「まったくだな」


「くっ、お前ら、おぼえてやがれ――」


「テンプレートなセリフを残して行ってしまいましたね」


「またなにか変なこと考えてないといいけど」


「そりゃ無理だろ。だってモトだぞ」


「「そうだね(ですね)」」

◆作者の為の備忘録※

 クラスメイトまとめ(というか今更ながらの仮設定)


水野和成……元春の悪友。クラスメイト。


関口直之……元春の悪友。クラスメイト。


渡辺まさる……クラスメイト。


谷吉次……影薄めのクラス委員長。


中谷綾子……虎助達のクラスの副委員長。あだ名は委員長。


鈴木四葉……クラスメイト。綾子の友人。


佐々木亜美……虎助の隣の席のクラスメイト。テニス部所属。


菅ヒカル……クラスメイト。剣道部。


斎藤育江……クラスメイト。巨乳。


三上まどか……養護教諭。爆乳。


久保幸恵……佐々木の友人。テニス部所属。


◆次回投稿は水曜日の予定となっております。

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