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マリィvsティマ再び

 とある休日の午前中、万屋店内でティマさんとマリィさんが言い争いをしていた。

 その中心にいるのはフレアさんだ。

 とはいっても、その原因は痴情のもつれとかそういうものではなくて、単にいつまでも失恋の傷を引きずるフレアさんに、マリィさんがちょっと強引に発破をかけるようなことを言い出して、そこにティマさんが食って掛かったと、多分そんな流れだったと思う。


 要するにフレアさんを無理やりにでも再起させようというマリィさんと、そんなことはさせられないというティマさんとの口喧嘩だ。


 フレアさんに対して過保護ともいえるティマさんの態度にマリィさんが言う。


「いつまでもこうしていても仕方がないでしょう」


「それは私もわかってる。わかってるけど、フレアにはいま休息が必要なの」


 マリィさんの言い分をきちんと理解しながらもそれでもフレアさんのことを思うティマさん。


「しかし、このままではなにも変わりませんの」


「別にこのままならこのままでいいわ。その時は私が責任を持ってフレアの面倒をみるから」


 停滞を否定するマリィさんとフレアさんの平穏を第一に考えるティマさん、お互いの意見がぶつかり合う。


「つまり貴方はこの男を一生面倒を見るといいますの?」


「当たり前でしょう。私が見なくて誰が見るというの? それが女の甲斐性ってものだから」


「たしかに、それはそうですわね」


 ええと、そこは納得してもいいところですか?


「しかし、それがこの男の為になりますの?」


 まあ、そういう関係も個人の自由だと思いますけど――、フレアさんの性格を考えると、あまり幸せにならない関係なのでは? 僕もマリィさんの意見に同意ではあるが、ティマさんはこの指摘を盛大に勘違いをしてしまったみたいだ。


「ま、まさか、アナタ。私のフレアを狙っているの」


 さりげなく私のフレア(・・・・・)とか言っちゃっているけど、そこは触れない方がいいんですよね。

 なんかメルさんもちょっと眉を顰めているし、そこにツッコんでいくとまた別の争いが勃発しそうだから無視の方向で――、


 そして、マリィさんはそんなティマさんの疑いに「は? 違いますわ」と露骨に嫌そうな顔をして、ティマさんはそのあんまりにもなマリィさんの表情を見てホッと一息。


「だったらなんでフレアをかまうのよ。アナタには関係ないじゃない」


 ティマさんの指摘はある意味で尤もと言える指摘だった。

 しかし、マリィさんとフレアさんの関係はティマさんが思うようなものとはまったくの別物だった。


「その男が勇者を名乗る者だからですの」


「どういうことよ?」


 マリィさんの主張に『何を言っているのかわからない』と言わんばかりに聞き返すティマさん。

 それに対するマリィさんの言い分はマリィさんらしいというかなんというか。


「英雄――、勇者――、傑物とそう呼ばれる人物には、呼ばれるがふさわしい行動を取る義務がありますのよ。自らそう名乗っている限り、その男にもその義務があるハズですの」


 そう、仮にも勇者と名乗るフレアさんがこんな状態を晒すということがマリィさんにとっては許せないことだったのだ。

 そして、そんなマリィさんの言葉に思わず指先を動かしてしまうフレアさん。

 なんだかんだ言ってもフレアさんは勇者という肩書に強い思い入れがあるみたいだ。

 しかし、口喧嘩をしている二人はフレアさんの反応に気付かない。

 そして、本人不在の言い争いはヒートアップの一途を辿り。


「貴方――、この男の仲間にしては、この男のことを理解していないようですね」


「アンタにはそれが分かるっていうの?」


「いいえ、この男のことを考えていることなど(わたくし)には理解できませんの。

 しかし、それでも、この男が勇者を名乗るというのなら、(わたくし)は今の醜態が許せない。ただそれだけですの」


 少々矛盾しているようなマリィさんの放った言葉は、ティマさんに――というよりも、フレアさんに向けられたもののような言葉だったのだろう。

 そして、ティマさんもフレアさんの性格はよくわかっている。わかっているからこそ、自分に素直なマリィさんの発言が許せなかったのかもしれない。


「アンタ、本当に鬱陶しいわね」


 内心を隠すことなく口に出すティマさん。


(わたくし)はただ自分の考えを言っているだけですの。貴女とは違ってね」


 対するマリィさんは威風堂々、受けて立つ。


「言ってくれるじゃない」


 そして結局こんなことに――、


「いいわ。勝負よ。もう一度勝負しなさい」




 さて、なんやかんやで決闘をすることになったマリィさんとティマさん。うん。平常運転だね。

 その勝負の場所は万屋から一キロほど離れた東の荒野となった。

 魔導師に召喚師(?)と、二人の戦いは大規模戦闘になりそうだということで、周りに建物がないこの場所を選んだのだ。

 そして、僕に元春にフレアさんが乗った車椅子を押したメルさんが見守る先、十分な距離をとった二人が勝負の前哨戦として軽い言葉の応酬を始める。


「先手は譲ってさしあげますの。かかっていらっしゃい」


「舐めてくれるわね」


「別に舐めている訳ではありませんわ。ただ貴方の戦闘方法を考えると、そうでもしない限り勝負にならないでしょう」


 ティマさんの基本戦術は魔法にて作成した使役体を武器に戦うパワープレイ。

 前衛がいない状態では自分が勝つに決まっていると、マリィさんの発言の意図はそう理解できる。

 しかし、ティマさんもこの短い期間に成長していたみたいだ。


「前と同じだと思わないでよね」


 キッと眦をつり上げ、ローブのポケットから小粒の魔石を取り出すティマさん。

 そして、その魔石に魔法によって火を灯すと、その火はまるでフラッシュコットンでも燃やしたかのように一瞬で巨大な炎に、現れた炎が見る見る間に人の形へと変化して、それが炎の人形(ひとがた)として固定化されたみたいだ。


 成程、素体が炎なら体の形成にそんなに時間がかからないのか、考えたな。


 そして、せっかく準備の時間をくれたのだからと、ティマさんはもう一体の炎の人形(ひとがた)を呼び出して、


「まだよ。来なさい〈炎の魔人(イフリート)〉!!」


 踏み鳴らされた足元に浮かぶのは巨大な魔法陣。

 魔法陣の中に吸い込まれるように二体の炎の人形(ひとがた)が消えて、現れたのは先の二体よりも更にはっきりとした人の形をした炎の巨人。


「おおう。ゴーレムを合体させて召喚とか、どっかのカードゲームみたいだな」


 まさかの融合召喚に驚く元春。


 うん。これには僕も驚いた。

 まあ、魔法を使ってゴーレムや式神のような従者を作るなんて人は、ティマさん以外に見たことがないのだから、それが常識なのか非常識なのかは分からないが、凄そうな魔法であることには違いないだろう。

 その内、儀式とかシンクロとかをしちゃうのだろうか。


 と、そんな冗談はさておいて。


「これはちょっとマリィさんの方がピンチかもしれないね」


「どうしてなん。確かにティマっちのイフリートはスゲーと思うけどよ。それでも、マリィちゃんの魔法の方がスゲーだろ」


 うん。ティマさんのイフリートは強そうだけど、まだマリィさんの魔法が凄いという元春の意見は理解できる。


「でも、この場合は属性が問題なんだよ。マリィさんの魔法はほとんど火と風に偏っちゃってるからね」


「ん、それがどうしたん――って、ああ、そっか、マリィちゃんの魔法じゃあイフリートと相性が悪いんか。どうすんだろ?」


「そこはマリィさんだから普通に火力で圧殺――とかなんじゃないかな」


 火を強くすれば風も火を消し飛ばすこともできたりする。

 でも、それには水や土といった他の基本魔法の数倍の威力が必要で、それを行使するには膨大な魔力とそれ以上に魔法構築の時間が必要となってしまうのだ。


 問題はその時間をどうやって確保するのかということなのだが……、


 僕がそんな考えを元春に伝えるが早いか、マリィさんが懐から二枚のカードを出すと。


「アーサー、ファフナー。来なさい」


 そうだよね。マリィさんには彼等がいる。

 マリィさんによって呼び出された小さな小さな従者が、自分の数百倍はあるだろうゴーレムを相手に挑みかかってゆく。

 そして、マリィさんはアーサーを呼び出すと同時にその特技である〈ブレードチェンジ〉を使用、水の魔法剣をアーサーに持たせたようだ。アーサーの持つ小さな剣が炎の巨人の体を切り裂いてゆく。


 だが、ティマさんの呼び出したイフリートに対してアーサーの剣はあまりに小さい。

 身体強化の効果により、その威力が増大されているとしても、元来、形というものが存在しない炎で形成されたイフリートにはあまりダメージを与えられていないみたいだ。


「ふぅん。見たことがない召喚魔法ね。

 でも、そんなちっこいのになにができるのかしら。 薙ぎ払いなさいイフリート」


 ティマさんとしてもアーサー達とイフリート、その戦いを少し見ただけでお互いの力の差を認識したようだ。マリィさんが呼び出したアーサーとファフナーに興味を示しながらも、ここが攻め時と炎の巨人に指示を出す。


 振り回される豪炎の(かいな)

 その直撃を食らい、吹き飛ばされるアーサーとファフナー。


 炎の巨人はアーサーとファフナーがいなくなったその隙にマリィさんに迫ろうとするが、そこに割り込む金色の竜騎士。


 アーサーとファフナーはオリハルコンの素体を持つゴーレムだ。あの程度の火炎でやられてしまうほどやわじゃない。魔力的な質量差から何度も大きく吹き飛ばされてしまうが、その度にオリハルコンを素体とする頑丈さを武器に何度も何度も挑みかかっていく。


 一方、彼等の主人であるマリィさんはというと、以前エルブンナイツの守護精霊であるディタナン戦で使った杖剣を真紅のオペラグローブ〈百腕百手の格納庫〉から取り出して、その切っ先に小さな魔弾を浮かべ。


 しかし、マリィさんはその魔弾をすぐに放つことはせずに魔力を集中、アーサー達だけでは防げない攻撃を踊るように避けながらも込める魔力を高めていき。


「アーサー、ファフナー。助かりました。戻ってきなさい。

 いきますの。〈爆破弾(エクスバレット)〉っ!!」


 杖剣の先から放たれるのはオレンジ色の魔弾。

 一見するとそれは、マリィさんがふだん多用する〈火弾(ファイアバレット)〉と同じ魔法のようだ。

 しかし、その内実は全く別の魔法。

 〈爆破弾(エクスバレット)〉はその名の通り爆発する魔弾。

 〈火弾(ファイアバレット)〉の百倍、千倍と込められた魔力が着弾と同時に一気に炸裂する。

 上級魔法に使われる量を超えて凝縮込められた魔力が一気に膨張。周囲に破壊の衝撃を撒き散らすのだ。


 そんな爆発に巻き込まれたらさすがにイフリートもひとたまりもない。

 爆発の後に残るのは黒ずんだ二つの魔石。

 そして、爆発の余波に巻き込まれ、吹き飛ばされたティマさんは、むくりと起き上がった後に見た惨状にあんぐりと口を開けて、その一部始終を見ていた元春が大声を上げる。


「うお、なんだよ。ありゃ!?」


「なんだよって元春も前に食らったじゃない〈爆破弾(エクスバレット)〉だよ」


 元春は前に〈爆破弾(エクスバレット)〉を受けたことがある。

 つい最近喰らったばかりなのに、もう忘れちゃったの? 呆れるような僕の声に元春は驚いた顔のままこちらに振り返り。


「あれってあんなに威力があんのかよ」


「そうだね。基本は普通の初級魔法なんだけど、発動の後に魔力をチャージすれば、その分だけ威力が上がる仕様になってるから、マリィさんが本気で使ったらああなるよ」


「マジかよ。つか、それって反則じゃね」


 誰にでも使える初級魔法がそんな強い魔法というのは反則なのではないか、〈爆破弾(エクスバレット)〉の仕様を聞いて元春はそう言いたいのだろうけど。


「いまマリィさんが使ったレベルの威力を出すとなると繊細な魔力コントロールと長い溜めが必要だからね。戦闘と並行して魔力を貯めるなんて離れ業ができるような人じゃないと、あんな威力は出せないよ。それに〈爆破弾(エクスバレット)〉は燃費が悪い魔法だから、たぶんマリィさんくらいの魔法使いでもないとあんな威力は出せないと思うよ」


 まあ、この魔素濃度の高いアヴァロン=エラでなら、魔力の低い人物でも、魔法のコントロールさえしっかりしていればマリィさんの同じような、いや、それよりももっと威力のある〈爆破弾(エクスバレット)〉が作れるのかもしれないけど。


 僕がこの場面でマリィさんが〈爆破弾(エクスバレット)〉を選択した理由を元春に説明していると、マリィさんは風の魔法を使ってふわりティマさんに近付いて、手に持っていた杖剣をあまりの攻撃にへたれる突きつけてティマさんに言う。


「さて、降参でいいですの?」


 しかし、ティマさんは鋭い眼光をマリィさんに返して立ち上がり、


「ふ、ざけないでよ。私は勇者フレアの仲間なんだから。こんなことじゃ諦めないわ」


 闘志を燃やして杖を構える。


 と、そんなティマさんの闘争心に対してマリィさんは「その意気や良し」と笑い。

 そして、二人をフレアさんがじっと見つめる中、


「では、このまま続行ということでいきましょうか」


「上等よ」


 再び始まる熱き戦い。


 そして――、


 さて、フレアさんはこの戦いを目にして何を思っているのだろうか。

 うん。だんだん前のめりになってきているね。

 僕()の狙いはちゃんとあたったみたいだ。


 そう、僕が二人の喧嘩がヒートアップを止めなかったのはフレアさんに刺激を与える為だった。

 最初はマリィさんとティマさんの言い争いを聞いて、フレアさんが仲裁に入ってくれれば――と、それくらいにしか考えていなかったけれど、マリィさんとティマさんの口喧嘩の途中、いや、以前から度々フレアさんが見せていた反応を考えて、二人の言い争いを止めなかったのだ。


 因みに、この話はマリィさんとティマさんの二人が口喧嘩をしている最中、念話通信を通じてメルさんだけには知らせてある。

 なぜ彼女だけに教えたかというと、フレアさんを第一に考える彼女にフレアさんをどこかに連れて行かれてしまっては意味がなくなってしまうからだ。

 そして、マリィさんやティマさんに知らせていないのは、話してしまうと勝負に余計な雑念が混入してしまうかもしれないからだ。


 そんな感じでフレアさんの刺激役になってもらっている二人はというと――、

 ティマさんが突きつけられた杖剣を振り払うように手の平に乗せた魔力を暴発させ、自分とマリィさんとの距離を開ける。

 そして、ローブのポケットから取り出した屑魔石に、原始精霊だろうか――、自我の薄い何かを宿らせ、それをマリィさんに向けて飛ばす。


 しかし、あの距離なら、わざわざ触媒を使った召喚魔法よりも通常の魔弾を使った方がいいのでは?

 そこのところが気になって、一緒に観戦していたメルさんに聞いてみたところ、なんでもティマさんはかなりのノーコンだそうで、遠距離の魔法を使わせるとどこに飛んでいくのかわからないのだそうだ。

 成程、それで触媒を利用した召喚魔法を使っているのか。

 狙いを定めるのが苦手なら、自分以外の存在に頼ってしまえばそれでいい。

 それぞれの戦闘スタイルに歴史ありだね。


 僕がティマさんの戦闘スタイルに思いを馳せていたところ、スピードを重視しているのだろう。〈火弾(ファイアバレット)〉を中心に戦いを組み立てるマリィさんと、あれは以前エルフの剣士(デュラハンエルフ)が使っていたものだろうか、小さな妖精のような魔法生命体を呼び出して突撃を繰り返させるティマさんとの間で超近距離での魔法合戦が繰り広げられ始める。


 しかし、そこは魔法使いとしての質の違いが大きいのだろう。時間を追うごとに徐々に勝負はマリィさんに傾いていき、最終的にはティマさん自身が〈火弾(ファイアバレット)〉の直撃を食らって勝負あり。


「貴方のがよっぽど勇者でしたわよ」


 倒れるティマさんに呟くようにそう言ったマリィさんは、少し離れた場所で観戦する僕達の方へと向き直って声を張り上げる。


「さて、そちらの勇者様はいつまでそうしているつもりですの。貴方の仲間が傷付いているのを見てもまだ情けなくも失恋に臥せっていますの?」


 おっと、意外や意外、マリィさんもフレアさんの状態に気がついていたようだ。


 しかし、フレアさんがマリィさんの声に応えることはない――、

 そして、まだ刺激が足りないのかと、マリィさんはそう考えたのかもしれない。

 杖剣を構えてティマさんに突きつけようとするようなアクションを取ろうとしたところで――、

 ギシッ、今までなにを話しかけても無反応だったフレアさんの腕に力がこもる。

 そして、ゆっくりとではあるがフレアさんの体が持ち上がり、数日間ずっと放心状態だった後遺症だろう。ふらつきながらも一歩前に出ると、


「あ、ああ、わかっているさ」


 やや掠れた声でマリィさんの呼びかけに応え。


「悪いが虎助、武器を貸してくれないか」


「……はい、どうぞ」


 もはや懐かしいとも思える爽やかな顔で僕にリクエスト、差し出した武器を受け取って、メルさんが心配そうに見つめる中、おぼつかない足取りで倒れ伏すティマさんの傍らに立つマリィさんの方へと歩き出す。


 そして、剣を構えて――、


 うわ。容赦ないな。


 マリィさんが放った〈火弾(ファイアバレット)〉がフレアさんを吹き飛ばす。

 そして、大の字に倒れるフレアさんにマリィさんが一言、口元に笑みを浮かべてこう呟くのだ。


「今の貴方が私に叶う訳がないでしょうに、鍛え直して戻ってくることですの」

◆いい意味で単純すぎる単純馬鹿、それがフレアという青年の本質だったりします。

 そして、そんな本質を理解してくれる仲間がいることで今の彼が成り立っていたりします。


◆ちょっとした補足・ティマが使う召喚魔法について


 ティマが使う召喚魔法は魔石やシンボルなどの触媒に魔力を注入、魔法現象として触媒に残る残留思念を歓喜するというもの。

 仕組みとしてはディストピアに近く、特殊な樹木から削り出した魔法の杖を触媒とすることで簡単な精霊喚起もできたりする。

 作中に出てきたイフリートは単純に火の原始精霊を大量に顕現させ、それを集合させることによってパワーを上げただけの力技に過ぎず、本物のイフリートはまた別の存在だったりする。

 ティマが一度に集められる火の原始精霊が炎の人形で、それを二グループ掛け合わせることによって、巨大な火の原始精霊の集合体。つかりイフリートもどきを作ったという仕組み。

 これはパワーだけなら、個別の触媒を使用する風の狼などよりも強力な召喚獣となるのだが、基本は原始精霊の集合体でしかなく、術者が口頭・念波などで命令をしなければ動くこともままならなく、シンプルな動作しか出来ないという弱点がある。

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