虎助の浄化魔法
◆二週に渡って汚い話でごめんなさい。
キングスカラベが撒き散らした――、もとい、その後の戦闘で撒き散らかされた糞球の片付けを終えた僕達は、結界の中に閉じ込められていたキングスカラベを元の世界へと追い返し、安全を確保すると、集団フリーズの原因になってしまったエレイン君を魔法で洗浄、その機能を回復させて、ようやく自分達の体も綺麗にする。
「虎助の浄化魔法って少し、気持ちいいといいますか、なんと言いますか。特殊ですわよね」
「気持ち良くて特殊だと? 虎助、テメ、マリィちゃんにナニしてやがる」
ドラゴンの糞(仮)の回収で汚れてしまった体を綺麗にするのに使用した魔法はもちろん〈浄化〉だ。
僕に〈浄化〉をかけられて、顔を赤らめて悶えるようにその大きな胸を抱くマリィさんを見て、元春が吠える。
「別に元春の考えているようなことはしてないよ。ただ僕の場合、〈浄化〉に込めるイメージが特殊みたいで、異世界の人からしてみると凄く気持ちいいらしいんだよ」
しかし、天地神明に誓って僕にやましい考えはない。
僕が吠える元春にそう弁解しながらも、論より証拠と元春にも浄化の魔法をかけてあげると、
「おほほー。たしかにこりゃスゲーな。素っ裸になってかけてもらいたいくらいだぜ」
いや、間違ってもそんな変態的な趣味に付き合うことはしないけど、まあ、元春が言わんとせんことは分からないでもない。それ程までに僕が使う〈浄化〉の爽快感は他とは隔絶しているらしいのだ。
「しかし、どうしてここまで違いますのかしら?私が普段からかけてもらっている浄化と、虎助が使う浄化では全く別の魔法と言っていいくらいに違いがあるのですが……」
「取り敢えず、魔法を使う時に発泡系の入浴剤とか、そういうものをイメージしているのですけど、それが関係しているのではないですか」
ふむ、これは少し突き詰めておいた方がいいのかもしれない。マリィさんの発言からそう思った僕が、まずは魔法を使う際のイメージに関する違いを例に出して反応を見てみる。と、
「ああ、バ○な。たしかに虎助の魔法の気持ちよさはあれに通じるところがあるな」
「○ブ?それはどういうものですの?」
元春がその具体的な例を出して、魔法のイメージ云々の話はそっちのけ、マリィさんが元春の話に食いついていく。コンビニスイーツといい、漫画といい、マリィさんは地球の文化に興味津々だ。
しかし、いざ、あのタイプの入浴剤を口で説明しろと言われても難しい。それでなくてもマリィさんの世界ではお風呂に入浴するという習慣があまり一般的ではないのだ。入浴剤なんてものの説明をしたって理解できないのではないか。
だからと僕はバ○に関するアレコレを、今度、キャンプ施設にある簡易入浴施設で試してもらうことにして、入浴剤の話はお終い。話題を僕が使う〈浄化〉が持つその特殊性の検証に戻す。
「イメージの他に何か違いがあるとなると、僕が使う浄化魔法はオーナーに魔改造されていますから、その辺りが大きな差になって出ているのかもしれませんね」
一つの魔法をとっても世界によって千差万別。イメージからの考察が不調に終わったのなら、魔法式からのアプローチからで攻めてみようと意見する。
「因みに虎助が使う〈浄化〉の魔法にはどんな効果が含まれていますの?」
「基本的にはどこの世界にでもある〈浄化〉と変わらないと思いますよ。穢れを祓うという意味を持つ魔法式を可能な限りコンパクト化。余剰部分に便利な機能を付け足して一つの魔法式に仕上げていると聞いていますね」
マリィさんからの疑問符に、僕が大雑把にではあるがソニアが作った浄化魔法の骨子を説明してあげる。
すると、マリィさんは少し慌てたようにして、
「ちょっと待ってくださいまし、穢れを祓うってそれは〈浄化〉ではなく、〈聖浄〉という魔法になるのではありませんの?」
「あれ、マリィさんの世界ではそういう仕様になっているんですか?」
前に迷宮都市アムクラブから来たお客様だったかな?素材買い取りの際の世間話として毒やアンデットなどに〈浄化〉が効くなんて話を聞いたことがある。だからてっきり、この穢れを祓うという仕様は〈浄化〉に備わっている一般的なものと思っていたのだけれど、どうもマリィさんの世界では違うらしい。
「私の世界の〈浄化〉は主に汚れを洗い流すという機能を持った魔法に過ぎませんわ。強いていえば体内に侵入していない毒を洗い流す効果はありますけれど、アンデッドを浄化するような力はそなわっていませんのよ」
聞いてみなければ分からないものだ。マリィさんの世界では〈浄化〉とは、あくまで不浄なる物体に対して効果を持つ魔法になっているのだそうだ。
まあ、実際に穢れと汚れは別の意味を持つ言葉だと僕も知っている。だが、その一方で、僕とマリィさんがこうして普通に会話していられるのは、翻訳の魔導器であるバベルの力によるものだ。それに加えて、ソニアに作ってもらった〈浄化〉の仕様やお客様の話何かを総合して、魔法的なシステムではその辺りの概念が普通に混同されているのかな――と、漠然とそう思っていたのだが、どうもそれも世界によりけりというのが本当のところらしい。
「これは一度つかって実験してもらった方がいいのかもしれませんね。ついでだから元春にも使って欲しいんだけど」
もし、単純に魔法式に関する違いが魔法の感覚的な部分にまで影響しているのなら、マリィさんに使ってもらえば感覚的な判断からその違いが読み取れるだろう。
そして、魔法に込めたイメージがそれぞれの世界の魔法の差異に影響を及ぼしているとしたなら、マリィさんと元春の魔法を比べればそれでいい。
実践に勝る証拠はないと魔法式の提供を申し出る僕に、
「そうですわね。虎助の言う通りでしたら、その浄化魔法を覚えておいた方が何かと便利でしょうし、私はかまいませんの」
「おう。俺も便利そうな魔法だし、もらえるもんならもらっておくぜ」
二人は快く協力を申し出てくれる。
「では、マリィさんは〈インベントリ〉を出してもらって――と、元春って〈メモリーカード〉を持ってないんだっけ?」
「メモリーカード?」
そして、〈浄化〉のような初級魔法を用意するのならこっちの方が手っ取り早い。僕の確認を聞いて元春がオウム返しに首を傾げる。
「魔法世界版の携帯端末みたいなものかな?使える魔法が固定されてる魔具と違って、いろいろな魔法がインストール出来るようになる魔法世界の携帯みたいなものになるのかな?」
「そんなもんがあんのかよ。くれ、今くれ、すぐくれ、さっさとくれ」
「はいはい。そんなに高いものじゃないし、ちゃんとあげるから――」
僕はネット世界にはびこる物乞いのように「くれくれ」を連呼する元春に苦笑いを浮かべながらも、売り物のメモリーカードを持ってくる。
そして、〈メモリーカード〉を持っている手とは逆の手の指先に魔力光を灯し、魔力を引いてレジ横に置いてある大型の〈インベントリ〉に接続、そこから魔法をダウンロードしていく。
「取り敢えず浄化の魔法と光魔法を幾つか入れておいてみたから、後でチェックしてみるといいよ」
「って、使い方、使い方」
「僕が使ってる魔法窓があるでしょ。念じるとアレを呼び出せるから、後の使い方はゲームのメニュー画面みたいなものだからわかるでしょ」
〈メモリーカード〉を受け取るなり急かすようにその使い方を聞いてくる元春。
僕はそんな元春に、ちょっと投げやりな説明だけど――、説明書を読まないような人間には直感的に使ってもらった方が分かりやすいだろうと、とりあえずゲームのメニュー操作を参考に動かしてみてくれる?そう提案してみる。
すると、元春もそっちの説明の方が性に合っていたのだろう。言われた通り、魔法窓を適当に操作、目的のページに辿り着いたようなのだが、その顔は少し不満げで、
「あん?四つしか入ってねーけどこれだけかよ。何個か魔法を入れたっつーから期待したのに、しょぼくね」
「そうは言うけどさ、あんまりいっぱい魔法を詰めても、元春、覚えきれないでしょ。それにこれ以外にも前に幾つか魔具をあげたじゃない」
基本的な初級魔法なんてものは、細かくいっぱい覚えるよりも、自分の得意属性とそれに近い応用が効く魔法を覚えた方がいろんな面で有利に働く。
僕の話を聞いてか聞かずか――絶対聞いてないんだろうなあ――元春は自分の手元にある魔法窓を目を落としたまま、
「そういやさ、前で思い出したんだけどよ。透明化の魔法はどうなったん?」
何時のことだったか、そんなリクエストも受けたような気がするけど、なんでこのタイミングでその話が出てくるの?何の脈絡もなく話題を変える元春に僕が呆れ、マリィさんが「貴方――」とため息混じりの声を漏らす。
すると、元春がオーバーリアクションにも「これは重要なことなんすよ」と訴えるのだが、
「透明化――というよりも、光学迷彩の魔法は中級になるから、今の元春には使えないよ」
本当は初級でも装備で補えば同じような魔法も使えなくもない。
だが、それを言ったら元春はまた「くれくれ」と喚き出すに違いない。
まあ、ある意味で新魔法の実地テストにもなるし、なんやかんやで元春もこの万屋に貢献してくれていることを考えると、別に透明化の魔法をあげてもかまわないとも思わないのではないのだけど、
ただ、元春が透明化の魔法を覚えたとして、地球に戻ってなんやかんやとやらかすだろうことを考えると、ここは少しでも引き伸ばしておいた方がいいのではと思ってしまうのもまた然りで、
だからここは初級魔法をちゃんと覚えないと難しい魔法が使えるようにはならないからと、元春のやる気を出させる方向の言い訳を隠れ蓑に再び話を先送りにしてみる。
すると、元春もその透明化の魔法はなんとしても覚えたい魔法なのだろう。「はぁ、世の中ってのはなんでこう理不尽なんだろうな」とよく分からないことを言いながらも、一応は言うことを聞いてくれるらしい。
「んで、この浄化魔法ってのはどうやって使えるようになるんだ?」
「それは、そこにある魔法名をタップすると魔法窓に選んだ魔法の魔法式が表示されるから、それに魔力を通せば魔法が発動するようになってるよ」
魔具を使えばこのワンテンポは必要ないのだが、複数の魔法を同時に入れられる〈メモリーカード〉にはこの操作が必要なのである。
僕が〈メモリーカード〉から魔法を使うデメリットを軽く解説している間にも、マリィさんと元春は僕が普段使っている〈浄化〉を発動させたようだ。
「ん、これは、虎助の使っているものよりかは少々おちますが、私の知っている〈浄化〉とも違いますわね」
「やっぱりこれスゲーな。もっと気持ちよくできたりするん」
マリィさんの感想を聞く限り、イメージも関係しているようだが、術式そのものにも感覚の違いが及ぶ余地があるということかな。
そして、元春の方は僕の〈浄化〉とあまり変わらない感想と――、
しかし、もっと気持ちよくって、今でもじゅうぶん爽快だと思うけど。
僕は心の中でそう思いながらも、
「出来なくはないと思うけど、さすがにソニアはやってくれないと思うから、作るなら、えと、新しく作り直したトレーラーハウスに置いてあるパソコンでも使って自分で改造してよ」
「ちょっと待て、パソコンで魔法を改造って、そんなことまで出来んのかよ」
浄化魔法の気持ちよさを体感する中でまた変なことを考え始めた元春に、魔法を作るのならどうぞご自分で――と、僕が小さなインターネットカフェと化しているトレーラーハウスに行くことを促すと、元春から鋭いツッコミが返ってくる。
「うん。このアヴァロン=エラにあるパソコンの中には魔法作成アプリなんてものが入っててね。僕達が集めた魔法式を組み合わせたりなんかして新しい魔法が作れるようになっているんだよ。まあ、あくまで機械任せの魔法作成だから不具合も多いんだけど、運が良ければ今までになかった魔法も作り出すことも出来るみたいだよ」
因みにそうやって出来上がった魔法は全部パソコンのデータベースに収められて、ソニアの魔法研究に役立てられていたりする。
というか、この説明――前にもしなかったっけ?
ふと脳裏に過ぎった疑問を口にしようとするのだが、その時にはもう元春は僕達の前から姿を消していた。新しい魔法が作れると聞いて、すぐ様トレーラーハウスに向かったらしい。
と、煩悩一直線な元春の行動に取り残された僕とマリィさんはというと、処置なしと頭を振るい、〈浄化〉の検証を続ける。
そして、その間にも元春は新しい魔法を作るのに勤しんでいたらしい。
小一時間たって戻ってきた元春は自分の理想とする魔法の一つを完成させたみたいだ。お披露目会をしてくれるという。
「それで、元春はどんな風に魔法を改造したのさ?」
どうせ碌でもないものなんでしょ――と、半眼を向ける僕に、元春は自信満々その魔法を発動させる。
そして、指先に透明な液体をまとわせると、それを僕の方に向けて、
「〈振動粘液〉。名前そのままバイブとローションの機能を併せ持った水魔法だ。俺としちゃあ、これに媚薬成分なんかも混ぜ込みたかったんだが、残念ながらそこまでは上手く行かなくてな、まあ、どっちにしてもこれさえあればどんな女でもイチコロだぜって自信はあるわな」
いやいや、どんな女でもイチコロって、なんでそんな魔法作っちゃったのさ。
というか、元春は〈浄化〉の改造を作りに行ってたんだよね。それってもう〈浄化〉の原型を止めてないよね。
と、マリィさんも同じようなことを――、いや、僕とはまた別に強い嫌悪感を感じたのだろう。
「虎助。燃やしてもよろしくて?」
そう言いながらも指先に炎を灯すマリィさん。
それに対する僕の答えは、
「大丈夫だと思います」
うん。さすがにこれは僕も弁解の余地がないと思う。
百歩譲ってその魔法を作ったのはいいとしよう。
しかし、それを僕とマリィさんの前で発表する必要があったのか。
いや、ないだろう。
むしろ元春はマリィさんにお仕置きをされんが為にわざと発表したのではないか。
僕がそんな疑いを友人に向ける中、元春は「裏切者――」と叫び、僕の了承を得たマリィさんがチュドン!!と炎の魔法で元春を狙撃する。
いつもなら、ここで元春はいったんリタイヤ。ブスブスと焼け焦げた状態で床に転がるのだが、
しかし、元春は倒れなかった。
どうやったのか元春はマリィさんの〈火弾〉を防御したみたいである。
そして――、
「フ、フハハ、フフフフフ――、なめてもらっちゃ困りますよマリィさん。俺がどうして粘液にこだわったのか、それはマリィさんからの攻撃を防ぐ為だ」
冷や汗を垂らしながらも余裕ぶってみせる元春。
しかし、その余裕ぶった態度は明らかに強がりで、たぶんさっきの一撃は偶然助かったようなものなんだろうけど……元春はいったいどうやって助かったんだ?
マリィさんが撃ったのが小さな火弾一発だとはいえ、元春の実力では止められないのは確実だ。
考えられるとすれば元春が発動させているあの冗談としか思えない水の魔法なのだが、手の平を覆うくらいの粘液でマリィさんの火弾を防げるものか。
いや、防げたんだろう。
防げたからこそ元春は立っているのだ。
考えてもみれば、スタントマンは火などを使う現場で冷やしたジェルを全身に塗り、炎に耐えたりするなんて話を聞いたことがある。
たぶん、元春が手元に発動させていた〈振動粘液〉が結果的にそんなジェルと同じような効果を発揮したと、そういうことなのだろう。
確かにマリィさんの〈火弾〉は小さな火属性の弾丸が対象を打撃。その着弾地点の素材によって延焼を狙う魔法だけに、粘液で受け止めてやればただの打撃になりさがるのかもしれない。
しかし、それはあくまで〈火弾〉に対する効果で――、
ネタがわかれば対処は簡単。
マリィさんも僕と同じような結論に思い至ったのだろう。素早くその白魚のような両腕を包み込む真紅のオペラグローブに魔力を注ぎ込み、
「ならば炙り殺してさしあげますわ。〈火炎旋風〉」
放たれる魔法は、以前ベヒーモ戦で使った火災旋風の縮小版。人一人を炎の渦に閉じ込める蒸し焼きにするという料理に使ったのなら凄く便利そうな魔法である。
だが、元春も負けてはいない。
元春も自分が助かった理由を正しく理解したのだろう。
そして、どうやれば次のマリィさんの攻撃をしのげるのか、その方法を思いついたらしい。
「ふふん。その程度の魔法なんて俺には効きませんよ」
鼻を鳴らした元春が〈振動粘液〉を上方に打ち出し、その粘液を自らの全身に浴びせかける。
次の瞬間、元春の体が炎の渦に飲み込まれる。
しかし、全身を覆う粘液の効果もあって炎の熱が元春に届くことはない。
自分の周囲を取り囲む小さな炎の渦に元春が余裕の笑みを浮かべてみせる。
一方、マリィさんはというと、
「なかなかやりますわね。手加減したとはいえこの炎に耐えるとは、いいでしょう。本気で相手をしてあげますわ」
粘る元春を見て、その腕に宿る魔力を更に大きくしようとする。
だがしかし、元春の快進撃もそこまでだった。
「マリィさん。もうその必要はないかと――」
やんわりと止めに入る僕にマリィさんが『どうして』とばかりに鋭い視線を向けてくる。
けれど、僕が止めた理由は元春の状態を見てもらえれば分かってもらえると思う。
見てくださいとばかりに僕が視線を向ける先では、先程まで余裕の笑みを浮かべていた元春が、マリィさんが生み出した小さな炎の竜巻の中で蹲っていた。
体は粘液で覆われており、ダメージを受けているようには見えないのに、元春はどうして蹲っているのか?
その理由は至ってシンプル。元春が自信たっぷりにお披露目した〈振動粘液〉が天国に誘うのは女性だけではないということだ。
つまり元春は自分の魔法を自分で浴びて、盛大に自爆をしてしまったのだ。
おそらく元春は、自分の魔法をかぶった直後、まだ正気を保っていたのだろう。しかし、炎の竜巻に囲まれて、予想以上に強力なマリィさんの魔法にビビり、自分を覆う粘液の魔法を強化してしまったのだろう。それが自分を追い詰める仇となったのだ。纏う粘液の量を増やした事により、粘液が発する振動の威力も上がり、元春が耐えうる快楽の上限を超えてしまったのだ。
と、長々しくこんな推理をしてみたのだが、一言でいうと、要するに元春は自分の魔法で逝ってしまったという訳だ。
しかし、こんなロクでもない決着をピュアなマリィさんにそのまま伝えたら、それこそ元春の命がピンチである。
僕は、思わぬ展開に『やりすぎてしまった?』とオロオロするマリィさんを見て、どうやってこの状況を説明しようと、頭の片隅で考えながらも、取り敢えずは――と、色々な意味でベタベタになってしまった元春に浄化の魔法をかけてあげるのであった。