第26話 海水浴2日目 Part2
午後2時頃まで遊んだ後、沙耶たちは遅めの昼食を食べに行った。
丁度昼食を食べ終わった人々が海に入ってきて混雑したからだ。
店はかなり空いていた。
普段なら行列ができているような店なのだが、丁度いい時間だったようだ。
今朝寝坊したのが逆に救いになっている感じだ。
沙耶たちは、とりあえずここでこの後の予定を立てることにした。
「予定って言ってもなぁ・・・あんなに混んでたらロクに泳げないよ。」
雄二が海の方を見ながら言う。
「雄二さっき誰かと衝突してたもんね。」
愛花がクスクス笑いながら指摘する。
愛花の話によると、雄二はさっき泳いでいる最中に、反対から泳いできた人とすごい勢いで衝突したらしい。
確かによく見ると額のあたりがちょっと赤くなっている。
「むしろもう帰るってのは?部屋でトランプとか。」
雄二の提案に、
「それじゃここに来た意味がないでしょ。トランプなんかいつだってできるんだから。」
沙耶が反対意見を出した。
「でも、こんなに混んでるんじゃ何もできないぜ?何か提案があるんならいいけど。」
銀河の言葉に、皆が黙り込む。
すると、さっきからずっと海の方を見ていた銀河が初めて口を開いた。
「じゃあ、釣りとかどう?」
「釣り?」
葵が首を傾げながら訊く。
「そう、釣り。今あっちの方見てたら、丁度釣りの出来そうな岩場があってさ。あそこなら人もあんまり居ないし、どうだろう?」
「竿とか餌はどうするの?持ってきてないよ、そんなの。」
沙耶が質問すると、
「大丈夫。さっきここの店に来る前に、何か店があったろ?そこで借りれるみたい。」
銀河がその店を指さしながら言った。
「成程、釣りか。面白そうだな。」
「それじゃ、一杯釣って塩焼きにして食べよっか。」
雄二と愛花も乗り気のようだ。
「まあ、食べれるような魚は無いと思うけど・・・」と銀河が軽く突っ込んでいたようだが、勿論愛花の耳には入っていないようだった。
「葵ちゃんは大丈夫?」
沙耶が訊くと、
「大丈夫です。というか楽しみです。魚食べたいです。」
との返答。
銀河はもう突っ込むのを諦めたようで、「それじゃ、行こうか。」と言って席を立った。
こうして沙耶たちの午後の予定は釣りに決定した。