第21話 海水浴1日目 Part2
予定の海水浴場についたのは午後3時頃だった。
時期が時期なだけに相当混んでいたが、銀河はきちんと場所を取っていた。
まあ、両親が勝手に取っておいただけみたいだけど。
しかも場所は更衣室の近くなので、いちいち更衣室との往復しないで済みそうだ。
荷物は銀河のお手伝いさんたちが運んでくれると言うので、(これも銀河は頼んだ覚えは無いと言っていた)5人はとりあえず海に入ることにして、更衣室に入った。
更衣室は結構空いていた。
まあ、3時って結構微妙な時間なのかも。
沙耶が水着を着ながらそんなことを考えてると、すでに着替え終わっていた愛花が沙耶の着替えを見ながら、
「ちょっと成長したんじゃない?」
と言った。
まあ、何のことを言っているのかは大体想像がついたのでスルーすることにした。
沙耶がスルーすることは予測済みだったのか、愛花は今度は葵に話しかけた。
「葵ちゃんは1年後に期待だね。」
「余計なお世話です。」
葵がむくれながら返す。
愛花は構わず続ける。
「葵ちゃんも沙耶みたいに揉んでみたら?もしかしたら大きくなるかもよ?」
「私そんなことしてないから!」
沙耶が思わず突っ込む。
「なるほど、そういうものですか。今度試してみます。」
「葵ちゃん、真に受けないで!嘘だから!!」
沙耶が叫ぶと、愛花がまた余計なことを言った。
「そうよね。沙耶は銀河にやってもらってるんだもんね、毎晩毎晩。」
「え!?そうなんですか?では、私もお願いしてみようか・・・。」
「だから違うって!葵ちゃん、愛花の嘘に惑わされて銀河君に変なこと頼まないでね。」
このような疲れる会話を経て、ようやく沙耶は着替え終わった。
沙耶が着替え終わると、愛花が少し驚いた様子で訊ねてきた。
「その水着、自分で選んだの?」
「うん。まあ推薦してくれたのは銀河君だけど。それがどうかした?」
「いや、いつも地味な水着しか着ない沙耶がビキニ着るとは思わなくて。」
まあ、確かに銀河と買い物に行ったあの日まではこれを買うつもりもなかったし、着るつもりもなかった。
どうしてこうなったのかは正直わからない。
ただ、「絶対似合う」なんて真っすぐ言われたのは初めてで。
そう言ってくれた銀河にその水着を着て見せたくなったのだ。
スルー中の沙耶をよそに愛花が続ける。
「そっかー。銀河君そういうのが好きなんだー。葵ちゃん、スク水なんて着てる場合じゃないよ。もうスク水の時代は終わったんだよ。」
「余計なお世話です。それに別に好きで着ているわけではなく、両親がこれを送ってきたから仕方なく着ているだけです。」
「大丈夫、大丈夫。似合ってる似合ってる。」
「さっきと言ってることが違うんですが。」
「まあ、気にしない気にしない♪」
こうしてくだらない会話をしながら、3人は更衣室を出た。