ある晴れた日のこと Part 1
合宿から帰って数日、沙耶は特にこれといったこともせず家でゴロゴロしていた。
というのも特にやることが無いのだ。
まあ、宿題はちゃんとやってるけど。
しかも外はすごく暑く、用事もないのに外に出る気はさらさら無かった。
そんなある日のこと。
沙耶が2階の窓からぼーっと外を眺めていると、
「だらけてるねぇ。」
真向かいの家の窓から声をかけられた。
「あなただって同じようなもんじゃない、銀河君。」
銀河は髪はバサバサで、顔を扇子で仰いでいた。
まるで今起きたかのような雰囲気だった。
いや、まあ今起きたんだろうけど。
少なくとも人のことを言えた状況ではない。
そんな銀河が唐突に言った。
「だからちょっと提案なんだけど、どっか一緒に出かけない?」
「はい?」
沙耶が驚きながら尋ねる。
「暇でしょ?だから。このままダラダラ過ごすの時間の無駄じゃん。」
「まあ、そりゃあそうかもしれないけど、行くあてはあるの?」
「無いよ。でもいいじゃん、こういうのも。少しは家から出ないと体も鈍るし。」
何ともいい加減な提案だった。
でもしばらく考えた後、沙耶は承諾した。
こういうのも楽しいかな、ってちょっと思ったから。
それに・・・銀河と二人で過ごせるのもちょっと嬉しかったから。
こうして二人は服を着替えた後、出かけた。
何の目的もない散歩に。
それは丁度12時を回った頃。
雲ひとつない快晴の空。
太陽は真上に上り、影はほとんどなかった。
最高気温35度は越えそうな、そんな天気の日だった。