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HEARTS  作者: 泉 伊澄
15/29

第15話 合宿3日目

3日目の朝。

沙耶は雄二の蹴りを腹部に受けた痛みで目覚めた。

少々腹が立ったので、戸棚にしまってあった暖かそうな毛布を5枚ほど雄二にかぶせておいてあげた。

これで雄二が他の人に迷惑をかけることもないだろう。

沙耶は朝食のパンを食べた後、外に出てみた。

空を見上げると天気予報通りの曇り空。

しかも湿度は高く非常に蒸し暑い、嫌な気候だった。

予報では、しばらくこの気候が続くそうだ。

特にやることもないのでブラブラ歩いていると、望遠鏡の整備をしている銀河を見つけた。

どうやら銀河は整備に集中していて近づいている沙耶に気づいていないようだ。

沙耶はそんな銀河にそーっと近づき、銀河の背中を背骨にそって指でなぞった。

「ぬあっ!」

予想通りビクンと背中をそらして、変な声をあげる銀河。

沙耶は思わず笑ってしまった。

「ひどいなぁ〜、沙耶さん。ビックリした〜〜。」

「ごめんごめん、なんか人が集中してるの見るとつい、ね。」

沙耶はそう言いながら銀河の隣に腰をおろした。

「すごい曇ってるね。朝なのにこんなに暗いとは。」

銀河が望遠鏡のセッティングをしながら言う。

「晴れてくれるといいんだけど。」

沙耶はポケットの中からあるものを出して銀河に渡した。

「これ昨日作ったんだ。これ吊るしとこうよ、どこかに。」

それはテルテル坊主だった。

銀河はフッと笑いながら、

「そうだね、でもどこに吊るそうか?」

と尋ねた。

「普通は部屋とかじゃない?」

「でも、それいつも失敗してるんだよね・・・。」

う〜ん、と二人で考え込む。

まあ普通に部屋に吊るすのが一番楽だとは思うのだが。

「あ、そうだ!」

銀河が何か思いついたように言った。

「ちょっとこっち来て。」

銀河はそう言って歩き出した。

沙耶もついていく。

歩くこと約10分。

着いた先は古い寺。

「へえ、こんな所に寺があったんだ〜〜。」

沙耶が感心していると、銀河はお祈りをしていた。

沙耶も一緒に手を合わせる。

お祈りが済むと、銀河は本堂の裏にテルテル坊主をくっつけた。

「なんかこっちの方が効きそうだろ?」

「だね。」

二人はもう一回お祈りしてから寺を去った。

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