第14話 合宿2日目Part2
結局2日目は、ずっと曇っていたため合宿所内でダラダラすごした。
夕食の時間に部長から流星群の見える方角や時間などの説明があった以外、部活動らしい部活動はしていない。
天気予報によると、明日も曇りとのこと。
しかし、沙耶の部屋はそんなことはお構いなしに賑やかだった。
沙耶が本日2度目の風呂に入り終わって帰ってきて部屋のドアを開けた瞬間、枕が飛んできて顔面を直撃するという有様だった。
それからしばらく枕投げに加わり、せっかく風呂入ったのにまた汗だくになってしまった。
だが、もう一回風呂に入るのも面倒なのでそのまま寝ることにした。
そして、寝間着に着替えようとして沙耶はある事に気づいた。
「男女混合の部屋って着替えとかどうするんだろう?」
「更衣室とかどこかにあるのでは?」
葵が答えながら周囲を見渡すが、更衣室らしき部屋の影はどこにもない。
昨日は普段着のまま寝てしまったので気付かなかったが。
「ストリップショー状態だね。まさに。」
愛花が呟く。
そして、男二人に聞いた。
「見たい?」
「「いや、遠慮しときます。」」
二人同時に返事した。
「何でよ?せっかくのチャンスよ?」
愛花の誘いに雄二が見透かしたように答える。
「どうせ金取る気だろ?」
「いいじゃない、たったの1万円で可愛い女子の着替えが見れるんだから安いもんじゃない?」
「んじゃ、俺たちは外で待機してようか、空風よ。」
「おう。」
銀河を連れて雄二が出ていく。
「ちっ、せっかくの収入だと思ったのに。」
愛花が舌打ちしながら言う。
「もしかして金くれたら本気で見せる気だったんですか?」
葵が訊く。
「当り前じゃない。だから現実的な『1万』っていう数字にしたんじゃない。別にこっちは減るもんじゃないんだし。ちょっと羞恥心を抑えるだけで1万よ、1万。こんなに得なことがある?」
当然、という口調で愛花が言う。
唖然としている葵に沙耶が声をかける。
「昔からそうなんだよ、愛花は。いつも頭の中では『羞恥心<お金』だから。世の中にはそういう人もいるってことで流しといた方がいいよ。」
「はあ、そういうものですか。」
葵はやっぱり納得できない、という顔で答えた。
結局無事に着替えは終了し、皆そのまま眠った。
こうして合宿2日目は、最後までロクな活動しないまま幕を閉じた。