俺、どこにいる?
………徐々に目が覚めてきた。
きっとここは地獄なんだろう。諦めて何百年もの間労働に勤しむしかない。家ではゴミのような扱いでひたすらネトゲに勤しんできた。そのツケを払わされるときがきたんだ。母さんごめん!最後にそう言うことが出来れば良かったんだけどなぁ…
………視界も徐々にだかはっきりとしてくる。
目の前は阿鼻叫喚の地獄絵面。ということはなく今までみたこともないような世界が広がっていた。
「ここは…どこだ?」
ついつい心の声が漏れる。だって目の前に広がっているのはあり得ない光景。月が二個。赤く光っている。それに見たこともないような木。俺は東京のような都会に住んでいたわけじゃないけど地方都市で草原なんて見たことがない。
「これが地獄?」
それはないだろ!
そう誰かに突っ込んで貰いたかった。それよりも身体が再生している。確かさっきまでは魂で自分の身体を見下ろしていたはずだ。都合よく地獄にいけば身体が再生されるのか?
手を握りしめ自分の身体が正常に動くのか確認。とりあえず問題なし。裸ではなく一応服も着ているようだ。なんだか酷くボロい。ところどころ破れている。まぁ地獄なら服を着れるだけでも有難いか。それよりも…地獄なら地獄でもいいが誰かどうなっているのか説明してくれ。何も分からずこんなところに放り出されちゃたまったもんじゃない。
周りをみても草原と山。月が二個。それ以外にはなにもない。映画などでみたファンタジーの世界が広がっている。
俺は本当にとごに来てしまったんだ?
説明してくれる人もなくひたすら途方にくれる。流石に月が出てることから今が夜なのは理解できる。こんな意味のわからない状態で移動するのは大丈夫なんだろうか…それとも…考えてもきりがない。
「どっか行くかー。」
ここにいても仕方ない。もう死んだわけだからまた死ぬこともないだろう。そう結論づけて俺は移動することにした。とりあえずここは適当に歩いて話が出来そうな人を探すのが効率がいいだろう。
……多分もう2時間近くは歩いている。でも、人1人見ない。獣がいるかもとか恐れていたが遭遇することもない。なんだか寂しくなって泣きそう。死んだ人間になんて仕打ち!もういっそ殺して。とか無駄なことを考えながらひたすら歩く。歩く。歩く。歩く。歩く。
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ」
人の叫び声!!
ここにきて始めてきく人の声が叫び声とか恐ろしい。行くべきか行かないべきか…悩んだ末に行くことを決意。ここで行かなかったら人としてどうかと思う以上に次いつ人と出会うことができるかわからない。そう思えば答えは一つしかなかった。