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土学部魔法生物科二年生の少女の話。

何やらドキドキ!愛憎弁当大作戦のようです。


〈今回の登場人物〉

・草津さん

…魔法生物科でよく頭をかじられたり死闘を繰り広げたりと食の大切を身にしみて感じている。ちなみに趣味は蟻の巣内部を拡張すること。


 体育祭の午前の部は例年通りにカオスな展開であった。

火学部の目の前が煙とか光で見えない作戦、水学部の足元がぬかるみ作戦、風学部の目が地味に砂が入って痛い作戦、土学部の落とし穴作戦。

……あれれ、今年は足元と目に攻撃が集中していて意外にもやっていることが重なっている。

どうした魔法学校。

去年はこんなネタ被りな事態はなかった気がするよ。

この展開の結果、午前の部が終わった時点での順位は一位火学部、二位土学部、三位風学部、四位水学部だった。

やはり体育祭のような争い事には体育会系が多そうな火学部が強い。

そもそも体育祭って争い事だっけという疑問が浮かんだがここではそういう認識が正しいことにしておこう。

ちなみになぜちゃっかり土学部が二位になっているかというと、我らが土学部は単純に日常的に肉体労働が多く体力があるからだ。例えば鉱物を掘りに山に行ったり、畑の土を耕したりと地味に日々頑張っている。

今年の生徒会長が土学部であるのも多少影響しているかもしれないが。


 それはさておき、私にとってお昼の時間は弁当を守るためいつもに増して他人の動きに敏感になる。

なぜかというと私の弁当はおいしいのだ。正しく言えば土学部魔法生物科のご飯がおいしい。

基本的に材料は魔法生物科で育てられた野菜や果物を使う。

それは時に懇切丁寧に、時に激しく拳をぶつけ合い、時に友情を深めあった、自分達の色々な意味で血と汗と涙の結晶である魔法生物。

こいつらを無駄になんてできないからもちろん大事に調理する。

そうすることによって、おいしいご飯が完成するのだ。

一つ欠点があるとすれば食べているとたまにしょっぱい味がするくらい。

 こんなことがあったのに私の弁当を虎視眈々と狙ってくる、自らの昼食を持ちながらも、飢えているように見える友人たち。普段はそれらからあの子達のためにもこの弁当を死守しなければならない。

しかし、今回は魔法生物科の二年のみんなで今年の体育祭の弁当にはある仕掛けをしておいた。そうとも知らずに友人らと便乗した他の人は再侵攻をかけてくる。

二年間の恨み晴らすため、腹痛で悶え苦しむがいい!

とか思いつつガードを緩くしていたところ、お弁当はあっさりと空になっていた。

はは、あの弁当の中身は全て他の物質から合成してできたいわゆるなんちゃって食品と植物科のビニルハウスの片隅でひっそりと育てられている劇物!

一かけたりとも食料を無駄にしていない安心設計!


だが、ここであることに気がついた。

「まだ午後の部あるけどどうするんだろう」

そう呟いた直後次々と二年が倒れてゆく。

土学部、負け決定。

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