表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

似非怖い話集 アナアナにしてあげる!!

幽霊はつらいよ。

作者: 雨月 アナ

おれさ、死んだんだよ。

え?なぜかって?

決まってんだろ、事故死だよ。事故死。

自殺する理由なんてないし、

この若さで天寿を全うするワケないし、

病気で死ぬ程身体弱くないし。

うん、事故ったんだよ。

なんとなく買い物行ってたら、頭に鉄骨振ってきてさ、

それで即死だよ。

全く、

人生何が起こるか分かったモンじゃないよ。

買い物行って天国逝くなんて。

…うまくない?ゴメンね。

それでさ、

今、

おれってば幽霊なんだよ。

え?どんな感じだって?

それがさ、

あんがい面白いんだぜ。

自分の葬式見たり、

人にとりついたり、

本屋で立ち読みし放題だし、

女の裸見れるし、

…最後のは卑猥ひわいだった?

難しい言葉知ってんね、

悪かったね。

とにかく、

楽しいんだわ。

幽霊の友達も出来たし、

それなりにエンジョイしてんだわ。

………………、

……でもね、

でもね、たまにね、

とっても、

とってもとっても、

とおっっっっっても、

むなしくなるんだよこれが。

友達は最初、

おれ死んだとき、

みんなそろって、

「命日には来る」

って、言ってくれるんだよ。

でもな、

そんな約束守るヤツなんて、

誰もいないんだぜ。

みんな口だけなんだよ。

それにさ、

みんな大人になって、

夢を叶えたりするけどさ、

おれ、死んじゃったから、

夢も将来もないんだよ。

ただ、そこにあるだけなんだよ。

けっこうキツいぜ、これ。

そうゆうとき、

幽霊の友達が慰めてくれるけど、

本当に寂しいときは、

ついつい、

化けて出ちゃうんだ。

それで怖がらせちゃってさ。

ホント、悪いことしてるなーって、

後悔しちゃうんだよ。

……ホント、

イヤになっちゃうんだよ。

それにさ、

たまにハンバーガーが食いたくなった時、

おれ幽霊だから、

食えないんだよ。

正直言うと、

そっちの方が、

おれにとって重要な問題なんだけど。

……何がいいたいかって?

そりゃあ、もちろん、

生きるって、それなりにすばらしいって事だよ。

だってさ、

ハンバーガー食えんだぜ?

夢追いかけられんだぜ?

女の身体触れんだぜ?

…ああ、悪かった悪かった!

卑猥ひわいでした!スミマセン!

………………、

……ホント、

昔に戻りたいよ。

……フッ、

何、じじ臭いこと言ってんだか、

アホらし。

……まあ、アンタに話せて、

少し、

楽になったわ。

あんがとな。

また、

ひまな時にくるわ。

もしかしたら、

そんときには、

おれ、天国に逝ってるかもしれないけど、

おれ、アンタのこと忘れないからさ、

アンタも、

……アンタも、おれのこと、忘れないでくれや。

人は、

人に忘れ去られた時に死ぬって、

誰かが言ってたから。

アンタが忘れない限り、

おれ、こんなんでも、

生きてるから。

ずっと、

友達とか、

家族とか、

先生とか、

好きだったあの子とか、

……アンタとか、

この世の全ての人間、

みんな、

みんな、

見守っているから……、

…………………、

すっかり話し込んじまったな。

………また来るわ。

じゃあな。

幽霊のキモチを考えて作ってみました。

皆様も、この子のことを忘れないでいてくれたら、

こんなに嬉しいことはありません。

ご感想、お待ちしてます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] なんか泣けてくる
[一言] 食べられる幸せ、ありますね。 この作品を通じてハンバーガーが食べたいとかいう雑念ばかりが浮かぶ、そんな生き方が申し訳なくなりました。
2012/07/23 00:08 退会済み
管理
[一言] ほう、事故で亡くなられたのですか。 私だったらこr(ry それと、「後で後悔」という日本語は存在しません。 詳しくは、http://lifehack2ch.livedoor.biz/arc…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ