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第14章 小さな変化


翌朝。


エナは、

いつもより早く

目を覚ました。


体は、

まだ重い。


だが、

心は静かだった。


昨日までの

不安とは違う。


宿の食堂。


ガルドが、

無言でパンをかじる。


ロシュは、

スープをすすりながら、

エナをちらちら見る。


ミレイアは、

黙って座っている。


エナは、

居心地が悪い。


「……あの、

今日、どうするの?」


ガルドが、

答える。


「軽めの依頼」


「体を慣らす」


ロシュが、

うなずく。


「昨日のあとで、

無茶はできねぇ」


エナは、

ほっとする。


ギルドへ向かう途中。


ロシュが、

小さく言う。


「昨日さ」


エナは、

身構える。


「うん?」


ロシュは、

頬をかく。


「……助かった」


それだけ。


エナは、

目を見開く。


「え?」


ロシュは、

前を向いたまま。


「お前の魔法が、

なきゃ、

死んでた」


心臓が、

大きく跳ねる。


言葉が、

出ない。


ミレイアが、

歩きながら言う。


「ガルドも、

同じ考え」


ガルドは、

否定しない。


それだけで、

十分だった。


エナの胸が、

ぎゅっとなる。


嬉しい。


怖い。


両方。


ギルドで、

簡単な討伐依頼を受ける。


低級魔物の群れ。


危険度は低い。


森へ向かう。


戦闘は、

あっさり終わる。


エナの補助で、

三人の動きは

さらに滑らか。


ロシュが、

笑う。


「やっぱ、

調子いいな」


エナは、

小さく微笑む。


戦闘後。


ガルドが、

エナを見る。


「無理するな」


短い言葉。


だが、

重い。


エナは、

うなずく。


守られる側。


そう思っていた。


でも。


少しずつ。


支える側にも、

なっている。


小さな変化。


それは、

確かに、

始まっていた。



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