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第12章 奇跡の生還


骸骨兵を倒した後、

通路はさらに奥へ続いていた。


空気が、

ひんやりと冷たい。


エナは、

杖を胸に抱く。


魔力は、

まだ残っている。


だが、

余裕はない。


ミレイアが、

周囲を見回す。


「この先、

強いのがいる」


根拠は、

言わない。


長年の勘。


ガルドは、

うなずく。


「なら、

慎重に行く」


ロシュは、

ごくりと唾を飲む。


進んだ先に、

大部屋。


天井が高く、

柱が並ぶ。


中央に、

巨大な影。


黒い鎧。


赤く光る目。


デスナイト。


※デスナイトとは、

強力な亡者の騎士型魔物。

高い防御力と剣技を持つ。


「……無理じゃないか」


ロシュが、

小さく言う。


ガルドは、

歯を食いしばる。


「引くか?」


ミレイアは、

首を振る。


「通路が、

崩れてる」


「戻れない」


エナの胸が、

凍りつく。


逃げ道がない。


デスナイトが、

剣を抜く。


金属音。


戦闘開始。


ガルドが、

突っ込む。


剣がぶつかり、

火花が散る。


重い。


ロシュが、

側面から斬る。


刃が、

弾かれる。


ミレイアの矢も、

深く刺さらない。


「硬すぎる!」


ロシュが叫ぶ。


エナは、

必死で魔法を放つ。


軽量化。


集中補助。


持続回復。


小治癒。


次々。


デスナイトが、

ガルドを斬る。


肩に、

深い傷。


「小治癒!」


血が、

止まる。


ガルドは、

踏みとどまる。


ミレイアが、

叫ぶ。


「関節!」


ロシュが、

膝を狙う。


少し、

ひびが入る。


「いける!」


エナは、

歯を食いしばる。


魔力が、

急激に減る。


頭が、

くらくらする。


それでも。


止めない。


ガルドの動きが、

鈍る。


集中補助。


ロシュの足が、

もつれる。


軽量化。


ミレイアの呼吸が、

乱れる。


持続回復。


小さな魔法。


重ねる。


重ねる。


デスナイトが、

咆哮。


剣を振り上げる。


ガルドが、

受け止める。


膝が、

折れかける。


エナは、

叫ぶ。


「集中補助!」


ガルドの剣が、

押し返す。


ロシュが、

ひびの入った膝に

渾身の一撃。


砕ける。


デスナイトが、

よろめく。


ミレイアの矢が、

首の隙間へ。


貫通。


黒い霧が、

噴き出す。


デスナイトは、

崩れ落ちた。


静寂。


四人は、

その場に座り込む。


誰も、

すぐには動けない。


生きている。


それだけで、

奇跡だった。


エナは、

視界が揺れる。


それでも、

笑った。


奇跡の生還。


その中心に、

自分がいたことを、

まだ知らない。


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