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覇狼、地を貫く  作者: 神箭花飛麟
臥竜、雲を掴む
7/21

Ⅵ 緑海

時代考証などはすべて集英社「アジア人物史 第5巻 モンゴル帝国のユーラシア統一」に拠ります。

視界一面が緑の海と青の空だった。

「えっとー、誰かいませんかー?」

星歌は叫んだが、原野には誰も見えず、大きめの犬とかリスらしき動物、昆虫が見えるくらいだった。

持っていたはずのスマホがあるはずのポケットを見るが見当たらなかった。

本とMP3プレイヤーと少しの水以外は何も持っていなかった。

困惑しきったがとりあえず、人を探しに歩き回ることにした。

MP3プレイヤーで音楽をイヤホンで聴くと景色と音楽のマッチがすごくいい。

時間を忘れていたら、さっさと日は暮れてしまい、とりあえず寝っ転がった。

意外と草の感触は悪くなかった。

頭上でたくさんの星々が煌めいていて、眺めているといつの間にか眠りに落ちていた。


気づいたら、見知らぬ人たちに囲まれていた。

怖い。でも、敵意はなさそう。

言葉が分からない。どうしよう。

「珍しい服だなぁ。私でも見たことない。」主人らしき髭がない男が呑気に言っている。

髭がなかったのは3人の中でその男だけだった。

「迷子でしょうか。」近くの男が言う。

馬上で喋っているから少し遠く見える。

「何をするんですか。」星歌はやっと声を出した。

「お、喋ったぞ。迷子か?迷子なら、私が近くの氏族に送り届けるぞ。」髭がない男が言った。

「ま、まぁそんなところです。」星歌は答えた。ここはとりあえず、連れて行ってもらった方がいい。

星歌はなぜかその男たちに不審感を感じなかった。

「うむ、そうか。アーチャイ、引き馬を連れてこい。乗らせろ。」髭がない男が命じた。

「はっ」今まで喋らなかった別の男がいう。

引き馬が連れてこられ、乗せられた。やっぱり馬上だと視界が広がるのかとどうでもいいことを思った。

「名前は?」髭がない男が言った。

「星歌です。」

「そうか、俺はボオルチュだ。またこの先どこかで会うかもな。タリゲーン、行くぞ。」

ボオルチュ...どこかで聞いたような名前だ、

星歌は記憶を辿ろうとしたが、思い出せなかった。

「あのー、馬の乗り方がわかりません。」星歌はボオルチュを止めた。

「え?本当か?ここは草原の真ん中だぞ。本当に知らないで来たのか?」

「あー、はい。と言うか、ここに来た時もあまり覚えていません。」

「そうなのか。まあ慣れるさ。アーチャイ、教えろ。私は行くぞ。」

「はっ、どこで合流されるので。」アーチャイが答えた。

「俺はコイテンまで河沿いに行く。そこで用を済ませるまでいるから、そこで」

「はっ」

「星歌、草原の民は馬に乗れなければ話にならん、上達しておいた方がいい。」

ボオルチュはあっという間に行ってしまい、アーチャイと2人きりになった。



「星歌、その本は鐙の袋に入れておけ。」

本のことをすっかり忘れていた。

しかし絶対に捨ててはならないような気がするから、持っておくことにした。

「はい」そう言って袋に入れた。

「背筋を伸ばせ」アーチャイが手綱の持ち方を教えてくれる。

「揺れても、鞍にしがみつくな。腰で揺れを吸収するんだ」

「吸収...?」

「馬が歩くリズムに合わせて、腰を前後に動かす。そうすれば楽だ」

アーチャイが馬を引いて、ゆっくり歩き始めた。

揺れる。

怖い。

でも、言われた通りに腰を動かしてみると、少し楽になった。

「そうだ。上手いじゃないか」

初めて褒められた気がして、星歌は少しだけ嬉しくなった。

「もう少し練習したら、一人で乗れるようになる」

「...ありがとうございます」

「礼を言うな。草原で生きるなら、馬に乗れないと話にならん」

アーチャイは淡々としている。

ここで、生きていくんだ

星歌は手綱を握り直した。


「あの少女はいったい何だったんでしょう。」タリゲーンが聞いてきた。

「まあ漢人として連れ去られでもしたんだろうな。」

「そうでしょうか、漢人といえどもなんとなくらしくなかったです。」

「タリゲーン、もういい。早くコイテンに行くぞ。」

「わかりました。あ、何をするんですか?」

「ふん、お前は知らなくていい。」

男たちは緑の海を駆け抜けていく。

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