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希望を求めて2

大陸発見の報は即座に日本政府に伝えられ、鈴木の知るところとなった。

そのため、鈴木は即座に閣僚を召集し閣議を開いた。

延々とした議論の結果、自衛隊を派遣し現地の状態の把握、並びに不足の事態に備える事となった。

一部閣僚からは「他の国の領土だった場合、戦争になるのでは?」との慎重意見も出たが、続々と入る報告からどうも未開の地らしいと判断された。


そして5月15日。

先遣隊として陸上自衛隊から一個普通科中隊、施設中隊そして資源調査の為に専門家や外務省官僚が海上自衛隊のおおすみ型輸送艦おおすみとはるな型護衛艦はるなにの二隻は日本の西にある大陸へとたどり着いた。


直ちに施設中隊が簡易住居の設営、並びに万が一に備えて防衛設備を作り始める。

その間に普通科は周辺の調査と警戒に当たっていた。

その中に高橋政信たかはしまさのぶ一等陸士がいた。

「・・・見たことの無い植物だな」

高橋の仲間である井上康二いのうえやすしが声をかけてきた。

「だな。とりあえず触んなよ?毒があるかも知れんしな」

隊の前方を進む高橋の言葉に、真ん中付近にいた班長の田淵直人たぶちなおと二曹がびっくりしたように声を上げた。

「た、高橋!それは本当か!?」

思わず身を縮めた田淵の様子に高橋は落胆した。

日頃、訓練の時などは散々に威張り散らしていながら、いざと言うときはこの有り様・・・。

正直、いざ有事になってもこいつの下には居たくない。

それが隊全員の思いだった。

田淵は全員の視線が自分に向かっているのに気づくと、虚勢をはるかの様に高橋と井上に怒鳴り声を向けた。

「止まるな!さっさと進め!」

高橋は溜め息をつきながら了解、と答えるとまた歩きだした。

それほど深い茂みでは無いが、何があるか解らないためにその歩みは遅くなる。

その様子に田淵は苛々とするが、実際高橋に任せるしかない。

「しかし、こりゃ道を作るのは大変だな」

井上は隣にいる高橋にそっと呟いた。

その呟きに高橋は頷きながら慎重に歩をすすめる。

そんな状態で30分程たっただろうか?

不意に視界が開けた。

「道?」

何かが歩いて出来たと思われる獣道に出くわしたのだ。

とは言え、道と言うには粗末で、ほとんど通るものがいない様子な道だ。

「班長、道らしき物にぶつかりました」

高橋の報告に田淵が前に出てきた。

田淵は道の状態を眺めながら高橋と井上に道の先がどうなっているか偵察してくるように命令した。

二人は命令に従い、とりあえずやや坂になっている道を上り始めた。


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