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日本への帰郷3

「な、何が駄目なんだいミューリちゃん?」

嫌な予感を立て続けまさかとの思いで井上が聞いてみる。

「え?え~と・・・」

言葉に詰まるミューリの様子に井上が殺気を込めて高橋を見た。

「?なんなんだ?」

高橋は何の話かさっぱり分からない様子だ。

だが、井上はそん事にはお構い無しに笑顔で高橋に接近する。

「おいおい・・・一体な・・・ぐぇ!」

高橋は何の話かを聞こうとしたが、井上は素早くヘッドロックをかます。

「高橋く~ん?どう言う事か説明してくんない?」

キモい言葉使いに佐藤がゾッとする。

「な、何の話だ!いた!いたたたたた!」

惚けた訳では無いが高橋のその答えは井上を刺激しただけだった。

「喧しい!チャキチャキ答えろ!」

高橋と井上はそのまましばらくそうやって騒いでいた。

そんな二人を見ながらシャインもミューリを苦笑いするしかなかった。



空港設備はまだ完成してはいないが、アルトリア基地は陸海空のどの設備もある複合基地となっていた。

その空港設備は未完成でも離発着が可能になっており、頻繁にC-130H「ハーキュリーズ」が発着陸を繰り返し物資を日本から運び込んでいた。

大半は油田採掘やパイプラインの資材などを運び、少数だがホードラーから運び込んだ※資源を積んで日本へ向かっていた。

高橋たちはその内の一機に便乗して日本へ向かう事になっていた。



※現在アルトリアにおける貨幣は日本円だが、ホードラーにおいては銅貨や銀貨、金貨と言った代物な上、貨幣経済が上手く機能しておらず難航していたりする。



乗り込みを終えてC-130が離陸を開始する。

大半の隊員に取っては久しぶりの日本は帰郷の様なものだ。

だが、高橋だけは気のない顔だ。

「いつまで不貞腐れているんだよ・・・」

井上の呆れた様な言い方に高橋も悪いとは思った。

「ま、買い物でもして気を紛らわすさ」

そう答えて高橋は水を差さないように気を使った。

「しばらくアリスト村ともお別れですね」

保護した村人たちが再び生活を始めた村はアリスト村と呼ばれていた。

アルトリアに一番最初に出来た居住地と言う意味があるらしい。

「そうだな。また志願しなければ行くことは無いだろうけどな」

井上の言葉に誰もが口々に答えた。


また志願しますよ。


それは高橋も同じだ。

どの道、日本では駐屯地以外に行くべき所はない。

それを思うとアルトリアは新しい自分の故郷に思えた。

だからこそ思う。

またこの地に帰ってくる。

それまでは「いってきます」と・・・。

第15話はここまでです。


殺伐とした物から一転し、暫くは内政に勤めることになると思います。


取りあえず短いですが、また次回でお会いしましょう。

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