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レノン占領と王国の終焉

今回で一区切りつきます。


レノンに潜入したミューリの安否は?

そしてレノンを確保したい日本はどうするのか?


第14話「レノン占領と王国の終焉」お楽しみください。


城壁が騒がしくなったのを察知した高橋たちは正面の部隊の指揮は井上と佐藤に任せておけば何とかなると思い、自分は数名を連れて城壁へと回り込む。

万が一の時は実力でミューリの安全を確保する気だった。

「隊長、左側の茂みに人がいます」

サーマルスコープを見ながら周辺を警戒していた部下の言葉に高橋は注意しながら進む。

89式小銃の安全装置を静かに解除し、茂みを目指し並べく音を出さないようにだ。

しかし、その警戒は杞憂で済むことになった。

「ミューリ!」

茂みに隠れていたミューリに気付くと高橋は彼女の下に駆け寄った。

「たか・・・はしさん・・・?」

傷だらけのミューリの様子に高橋はやはり行かせるべきではなかったと後悔する。

一応怪我の様子から命に別状ないとは思うが、高橋はミューリを背負って仲間たちの方向へ走り出した。

「戻るぞ!着いてこい!」

高橋がそう言う必要もなく部下たちは着いて来ていたが、後ろを振り返らなかった為に気づいていなかった。


トラックまで戻ると即座に荷台を開けさせてミューリを担ぎ込む。

「高橋!ミューリちゃんは!?」

慌ただしい様子に井上が焦った感じで高橋に声をかける。

「怪我はしてるが無事だ!それより一旦後退しろ!ここじゃ落ち着いて手当ても出来ない!」

高橋も荷台にミューリを横たえながら怒鳴る。

「了解!全員この場より後退する!着いてこい!」

井上は佐藤にトラックを運転させると自分たちは周りを固めながら移動していった。


街から約1km近く離れると明かりを着けてミューリの傷の状態を見る。

傷の状態を見ると言っても高橋たちは医者ではない。

そこは衛生科から派遣されてきている医官、中田信次なかたしんじの出番だ。

隊の中では最も年長で、指揮権こそ高橋にあるが単純に階級だけなら高橋より上の大尉だ。

隊からは「先生」と呼ばれる中田は素早く怪我を見て応急処置を施していく。

「先生、彼女は・・・?」

高橋の問いかけに中田は怒鳴り付けた。

「隊長たるお前が慌ててどうする!落ち着け馬鹿者!」

普段は隊長たる高橋に部下として着いてきている立場として敬語を使う中田だが、珍しく狼狽える高橋を叱責して落ち着かせた。

「・・・大丈夫、打ち身や擦り傷はあるが命に別状ない。手の火傷もそれほどじゃない」

ミューリに薬を塗り手に包帯を巻く。

意識を失っていたが疲労からだろう。

「詳しい検査をしないと詳細は解らんが、少なくとも頭を打ったとかは無いようだ。少し休めば意識も戻る」

中田の説明に心配そうに見守る高橋や隊の皆から安堵のため息が漏れた。

そしてミューリが目覚めるのは夜明けになった。


ミューリは目が覚めた時、見慣れた天井に飛び起きた。

打ち身などで痛む体だったため、一瞬痛みに体を抱え込む。

しかし、ゆっくりと体を起き上がらせると荷台の後ろから顔をだした。

そこには寝ずの晩をしている隊の面々がいた。

ミューリがゆっくり休める様に誰もが周辺を警戒し、トラックに近づけない様にしていたのだ。

「お?もう起きたのか?」

陽気な様子の井上が声をあげた。

その声に全員が一斉にトラックに集まってきた。

「大丈夫か?」

その中でもトラックの直ぐ近くにいた中田が具合を尋ねてきた。

「多少痛みますが・・・大丈夫です」

昔に比べたらこんなの慣れっこです、と答るミューリに一通りの診察をすると中田は大丈夫そうだ。

と言って皆を安心させていた。

「それよりも高橋さんは?」

ミューリはいつもいる筈の人がいないのに気付いた。

「ここに居るぞ?」

その声にミューリがふと横を見ると中田と一緒にトラックの近くにいたのか、トラックによしかかる様に立っている高橋の姿があった。

それを見たミューリはまた会えた喜びを噛み締めていた。

しかし、そうも呑気にしては要られない。

彼女は重要な情報を得てきていたからだ。

「高橋さん、街の人がどうして抵抗を示すのか、その理由がわかりました」

ミューリは自分が見聞きしてきたことを伝えようとした。

だが、高橋は頭を横に振った。

「まずは食事を取ろう?話はそれからでも大丈夫だから」

高橋の言葉にミューリは、はい、と短く答えた。


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