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作戦開始2

ホードラー王国軍の後方遮断の為、ホードラー王国領内に侵入した高橋たち特殊任務部隊とレンジャー部隊は、ホードラー王国に取っては辺境たる廃村にやってきた。

ここはかつて、今は日本の保護下にある村人たちが住んでいた村だった。

高橋たちが来たとき、村は焼け落ちており、木材で建てられていた家の残骸が虚しく転がっていた。

しかも、ここは一時的な補給物資の集積所になっており、少数だが兵が配置されていた。

「さて、佐竹大尉どうしますか?」

村からやや離れた森の中で高橋はレンジャー部隊の隊長である佐竹信行さたけのぶゆきに相談をもちかけていた。

「今後の事を考えて弾薬は消耗したくないが、時間もかけたくない」

わがままな話ではあるが、実際に時間も弾薬も余裕があるわけではない。

「まあ、何とかなるって」

井上が89式小銃にスコープを着けた簡易狙撃銃を構える。

スコープの先には数人の兵が見てとれた。

「簡単に言うな」

高橋が井上の頭を小突いた。

「あの、私が何とかしますか?」

突然シャインが声をあげた。

一斉にシャインに視線が集まる。

「姿を隠す魔法を使えば多少は何とかなると思いますよ?」

その提案に高橋と佐竹が相談を始めた。

「姿が見えなくなるなら何とかなりますかね?」

実際に体験した事がないので何とも言えない顔で高橋が佐竹を見る。

「ふむ、姿が見えなくなるなら我々でどうにかできると思うが?」

佐竹たちレンジャーは隠密行動のプロだ。

ある意味、日本における特殊部隊だ。

即席特殊(任務)部隊の高橋たちがやるより確実だ。

「そうですね、それなら我々はここから見える連中を始末しますので、見えない位置に隠れている連中を頼めますか?」

佐竹は、了解、と答えるとシャインに魔法を使ってもらい姿を隠すとレンジャーを率いて即座に動き出した。

目の前で姿が見えなくなった佐竹たちを見たときはさすがに驚いたが、驚いてばかりはいられない。

佐竹たちの行動に合わせて高橋たちも小銃を構えて村跡を狙う。

「減音機装着後、各員目標の重複に注意して攻撃せよ」

と言うと村の周囲に展開する警備を狙い撃ちした。


突然、目の前で仲間頭を横殴りされたようにして崩れ落ちたのを見た兵が駆け寄る。

仲間の兵は先程まで会話していた表情のまま頭から血と白い何かを流して死んでいた。

思わず悲鳴を上げようとしたその兵も喉に何かが当たり声が出せなくなる。

吹き出す鮮血が自分のものと認識出来ないまま、訳も分からず意識が薄れて行った。


二人一組で警備していたホードラー王国軍兵士は、突然仲間が倒れ出した事態を把握できずにいた。

「何が起きてる!?」

守備隊長のセオドルが天幕内で酒を飲んでいた時に伝えられた事態に八つ当たり気味に怒鳴りだす。

「は、はっ!味方の兵が次々と倒れまして・・・何が起きているのか分かりません!」

セオドルはその報告に部下を殴り飛ばした。

「馬鹿者!敵襲だろうが!」

殴り飛ばした部下にそう怒鳴ると剣を手に天幕を出ようとした。

その時、天幕の一部を切り裂き顔を黒く塗った奇妙な姿の者が侵入してくる。

「くっ!蛮族か!」

侵入してきた何人かの内の一人に剣を降り下ろした。

奇妙な姿の男は手にした黒い塊で剣を受け、そのまま剣撃の勢いを横に反らす。

思わずバランスを崩してしまったセオドルの隙を逃さずに首筋に冷たい何かが差し込まれた。

「・・・!?・・・!」

声にならない叫びをあげようとしたセオドルは、佐竹が銃剣を引き抜くともがく様に地面に転がる。

倒れる時に地面を真っ赤に染めて・・・。

佐竹が油断なく天幕を見渡すと既に天幕の中に動く者は佐竹たちレンジャーだけだった。


次だ。


声を出さずに手で合図するとまた佐竹たちは天幕を抜けてまた動き出す。

夕闇が迫るなか、この村跡は100近い警備の兵が居たにも関わらず、時間にして30分かからずに制圧された。


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