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思惑3

しばらく揉めた軍議ではあったが、ハーマンの説得きょうはくによりハーマンの主張する正面攻撃が決定された。

内心、不満や怒りが沸き上がっては来るが従わぬ訳には行かない。


『神の威を借る小人め』

誰もがそう侮蔑の視線を向けていた。

しかし、ラークは自分の部隊の再編が済むまで戦力にならない事を理由に参加を免除された。

これにはハーマンも認めない訳には行かなかった。

何故ならば主力の本隊到着までに自衛隊の嫌がらせ攻撃に晒されたため、半数近くが負傷や戦死で戦力がボロボロだったのだ。

これでは足手まといにしかならない。

そしてラークはこの機会に何とか日本と接触出来ない物かとあの手この手で動く事にしていた。


正午前、自衛隊ではホードラー王国の慌ただしい動きに攻撃があると推測し、早めに食事などを取らせ迎撃準備を終えて配置に着いていた。

そこに第一報が入る。

「調査派遣隊基地より入電。油田と思われる場所を発見!?」

突如入った情報に指揮所が騒がしくなる。

それが事実なら今後の補給も望める事になる。

そうなればここで大量に燃料を消耗しても何度でもなる。

雰囲気が一気に明るくなり、騒がしさは歓喜になっていく。

だが、そこに一喝が入った。

「浮かれるな馬鹿者!」

森の怒声に指揮所が沈黙に包まれる。

「まだ油田と正確に決まった訳でもなし、例え確定でも採掘が始まるのはまだ先だ!」

浮かれてしまった一部の者が恥ずかしさのために下を向く。

それだけ石油資源の確保は渇望されていたのだ。

「そうですね。それに自衛隊よりも先に民生を優先せねばなりません。なのでまだしばらくは節約にいそしまねばなりますまい」

伊藤も同調し、柿野も同意見だった。

しかし、これが確定情報なら日本に明るいきざしが見えた事になる。

それはこの世界で初めて見た光明だ。

「諸君、現状では詳しい調査も試掘も難しい。ならばどちらにせよホードラー軍を一気に撃破し調査、試掘を進める手助けをすべきではある」

森はそう言って一同を見回した。

「賛成です。彼等の主力も到着してますので良い機会かと・・・」

柿野はそう言うと陸揚げ中の増援を一部投入することを進言した。

それは多目的ヘリコプター「イロコイ」だ。

「ヘリボーンで後方を遮断、潜伏するレンジャーと共同で補給路を封鎖しましょう」

柿野は後方を遮断された時の心理的効果を狙ったのだ。

「ヘリボーンの場合、武装の面で厳しくはなりますが、幸いにも負傷者輸送用に確保していた輸送ヘリが二機あります。一機に補給物資を積んで行けばホードラーが補給路確保に動いても持ちこたえられます」

伊藤が補足する様に告げると森は満足そうに頷いた。

「それで行こう。燃料の心配は相変わらずだが、相手の主力を叩き切れればしばらくは時間を稼げる」

作戦はこれで決まった。

後は相手が動くのにあわせて此方も動けばいい。

森はそう判断すると即座に行動を開始させた。

ホードラー王国軍の補給路などには現地に詳しい者の協力は不可欠だが、幸いにして協力者は即座に現れた。

そのために自衛隊は十分にホードラー王国軍の攻勢に遅れをとらずに即座の反撃を開始できた。


そう、ホードラー王国軍はその日の内に攻撃を開始したのだ。

大半の兵士は楽な戦いになると飲んでかかって・・・。


第9話終了。


ちょっとトラブルから書き込みが短くなりましたが・・・申し訳ないとしかいえません。


ですが今後も何とかやっていきますのでご支援をお待ちしています。

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