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混乱3

そして、鈴木の不安は的中することになる。


遺書に書かれていた事柄が、多少の誤差はあれども的中していったからだ。

残念ながら、転移の時期は書かれてなかったものの、ほぼ的中している予言とも取れる物に鈴木は恐怖を覚えた。

しかし、この予言が必ずしも当たる訳ではないと己に言い聞かせつつも、万が一に備えて物資の備蓄を考え出した。

勿論最初は閣僚にも反対された。

しかし、転移する可能性があると思った鈴木は、自らが所属する党や派閥を無視し、独裁者の様に振る舞い強行していった。


結果、転移まで3ヶ月しか無かったものの、多少なりとも備蓄はできていた。

これが平時のままであったなら、半年持てばよい方だろう。

しかし鈴木はやった。

精々半年の寿命を一年程度まで引き上げたとも言える。

その為に独裁者と言う汚名を被る羽目にはなったが、これで日本に僅かでも未来を残せたと思えば本望だった。


とは言え、転移した今となってはまだそこでは終われない。

夏に総選挙を控えている以上は、それまでに日本が現在の苦境から這い出す下地造りを終わらせねばならない。

故に鈴木は海、空自による周辺調査に望みを託していた。


その結果如何によっては日本は存続どこか滅亡の危機にあったのだから・・・。


「調査開始から幾日か経つが、今のところ何ら目立った報告は来ていないぞ?」

腕を組ながら憮然とした表情の伊達ではあったが、伊達自身も何かしら良い報告が来ることを願っていた。

タカ派だ何だと言われようとも、伊達もまた日本の未来を憂いる鈴木の無二の友人でもあるからだ。

だが、伊達の言う通り、このままではじり貧と言えた。

限りある資源を無為に使っているからだ。

「・・・捜索範囲を国境の外に向けるしかありません」

立ち上がりながらそう言ったのは防衛大臣である伊庭亮治いばりょうじだった。


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