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「それでな、結果発表じゃよ」
神様はコケたってシャキ〜ンと立ち上がっておられる。
そして続いて即座にお言葉を発せられた。
「いまドキドキしてまっす。
これからの人生っていうのがかかっておりますぅ。
お願いしますですよ」
清衣弥の言葉に鷹揚にフムフムと頷いている神様。
今日の神様はよ〜く見ると耳毛がピヨ〜ンって、ピヨ〜ンだよ。
両親の離婚問題って大真面目な内容なのに目の前にこんな面白い神様がいたんじゃ笑うしかないじゃない。
「これ、お嬢ちゃん、どうした?」
ケラケラと笑い始めた清衣弥に怪訝な目を向けて動揺もしている。
このくらいの少女は突然笑ったりとか理解しがたい行動を起こすことがよくあるといったことを経験上よく知っている。
だてに長い年月をすごしてるわけじゃない。
「失礼いたしました。
あまりにも···だったのでつい取り乱してしまいました。
お許しくださいませ。
で、それで、離婚問題はどうなってしまいましたか?」
「おっ、おぉ、そうじゃった。
それな···」
神様はかなり手こずったらしい。
両親の不仲は現時点では修復不可能ということだ。
それでもなんとかして呼びかけてはいたらしい。
両親が寝ている時にそっと枕もとに現れて密かに暗示をかけてくれていたと説明を受けた。
前回の恋愛と同様にいくら神様でも人の心に介入はできないと仰っておられる。
それは至極ごもっとも。
離婚の進行を止めることはできなかったが遅らせることはできたんじゃないかと続けて仰っておる。
妹が高校を卒業するまでは経済的な事情なども加味して離婚は延期ということはうまく暗示をかけられたんじゃなかろうかということだ。
それならとりあえすはホッとできる。
あと数年あるので少しだけ安心はできる。
どうなるのかはわからないが今の清衣弥にはどうすることもできない。