言伝て
君がドアを開ければ
雨上がりの
朝の光はそこから
まるで生まれ出てきたように
射し込むだろう
風はいつも
絶え間なく吹いていた
君を型どり
世界に示しながら
青空を飲みこんだ
水溜まりが
浅いあくびをしている
君はそれを
ひょいと飛び越えて
鳥よりも軽やかに
空を渡る
震える花びらの言葉に
耳をすませば
咲くことは
終わりなんかじゃない
ぬかるんだ土につけた
足跡が
次の足跡を探すように
君はつづいていく
透ける雲の下
ひとり
君はかなしみと幸せを
握りしめ歩く
祈りに寄り添うのも
また祈りだとするのなら
君が目を閉じれば
まるで呼びかけるように
揺れている熱の
眩しさを知るだろう