カラスの飼育 (1975/スペイン)
カラスの飼育?観終わったあともタイトルの意味が
わかったような、わからないような。
原題は「Cria Cuervos」。
手元の辞書によると、Criaはスペイン語で「飼育;動物の子供」、
Cuervoは「カラス」。Sがついて複数か?
主演は「ミツバチのささやき」でおなじみのアナ=トレント。
「ミツバチ」でもアナという役だったけど、これもまたアナという少女役。
監督も違うし、シリーズ物でもないのになぜ?という疑問はさておき、
「ミツバチ」同様、アナに吸い込まれる一品。
現実とアナの中の虚構、過去と現在が折り重なって話が進んでいくので、
しかもアナの母親役とアナが大人になってからの役を
ジェラルディン=チャップリン(あのチャップリンの娘ね)
が二役演じてたりするので最初は「?」と思うが、
わかってしまえばこういうちょいと複雑な構成は、おもしろい。
しかしアナが大人になるとジェラルディン=チャップリンか、う〜む。
それにつけてもアナ=トレント。
名子役っていうのは古今東西いっぱいいるだろうけど、
なんていうか、マコーレー=カルキンとか安達祐実とは対極にいるのだ。
まず、演技が上手いのかどうかは、よくわからない。
顔がかわいいのかっていったら、確かにかわいいが、
かわいい子役は他にもいっぱいいる。
一体、彼女の何に魅かれるのか。
何もせずそこにいるだけであの存在感。「こども高倉健」か。
子供なのにあの憂いをおびたまなざし。
この作品は1975年だから今はすっかり大人だが、
僕は運がいいのか悪いのか、大人になってからのアナの作品を観たことがない。
観ればきっと「大きくなったねぇ〜」と親戚のおじさん風リアクションをとる
自分は手に取るように分かるが、
彼女がどんな大人になっているのかは全く想像できない。
大人になって全く変わることがある、というのは
クリスティーナ=リッチが証明済みだからだ。
(※「アダムスファミリー」と「バッファロー’66」を比較参照の事)
いつか心の準備ができたら観てみることにする。
それにしても劇中で何度もかかる、あのポップス調の曲が頭から離れない。
今だに口ずさむことができてしまう。
2000,7/28