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統合失調症

もう1人のイーサン

作者: 星野☆明美

統合失調症で身体を乗っ取られて自分の意志と違うことをしていた時があった。

車を運転して、大学病院の周辺の道を走り、夫と行ったことのあったラブホテルに行き、適当な階の適当な部屋のドアチャイムを鳴らしたり、知らない建物の中に入って行ったり。

わかる?自分ではその気がないし、全く知らなかったのに、大学病院の脳神経の研究室に入り込んで、奥の部屋に実験装置があるんだと思い込んで何もない部屋を覗いて、そこの伊藤さんか井上さんか、頭文字がイーサンの白衣のおじさんから抱きしめられて部屋から担ぎ出されて、ドアの外にへにゃへにゃと倒れこんでいた。

イーサンは「どうしてみんなここへ連れてくるんだよ!」とたしかに怒っていたし、顔の表情筋がない人だった。

「せんせー、ケイ病院に行ってみますね」

ドアをノックしてそう言うと、建物から出て、車にたどり着く前に野良猫の喉をゴロゴロ言わせてるのを撫でていた。

今は建物が建て替えられて、同じところに行ける自信はない。

ケイ病院でも、動かないと真っ暗になるトイレの個室で倒れ込んでたり、相談室の一室に閉じこもって、「T先生は!」と騒いで、関連病院で診察中のT先生が電話で話してくれたのに、「あなた誰ですか?T先生は?」と言って電話を切り、どこをどうやって帰ったのかわからない日々があった。

またそんなふうになりたくないから服薬を欠かさないけれど、ここのところ、車を廃車にするか生活保護を受けるかで判断力がめちゃくちゃになって困ってた。廃車寸前で撤回して撤回料金三万円支払って、面接を受けまくっている。

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― 新着の感想 ―
[一言] イーサンという名前の男性が出てくるお話かと思って、読み始めました。「い」が付く名前の人の事だったんですね。
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