↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/47

043 アースドラゴン

 討伐隊は10人1グループの計10グループに分かれて戦いを展開する。

 ルシアスたち3人は、7人組のA級PTと行動を共にすることとなった。


「1グループ当たりドラゴン5体か。同時に倒すのは難しいから、1体ずつ倒していこう。ウチのメンバーがマンツーマンで4体を足止めするから、その間に協力して残りの奴を倒すぞ」


 リーダーの男が指示を出し、ルシアスたちを見る。

 ハルカが代表で「了解」と答えた。


「さぁこい、アースドラゴン! 俺が相手をしてやるぜ!」


「俺を倒してみろ! ほら、かかってこいよ!」


 まずはマンツーマンによる足止めだ。

 アースドラゴンはB級の大ボスなので、足止めも楽ではない。

 しかし、熟練のA級冒険者にかかれば、多少の時間稼ぎなど造作もなかった。


「すげぇ」


「本当に1人で1体のドラゴンと戦っていますよ……」


 感心するルシアスとミオ。

 他所のグループも同じ作戦を採っていた。


「ボケッとしてんじゃないよ、私たちはアイツをやるんだから!」


 ハルカが1体のドラゴンを指す。

 そいつには3人のA級冒険者が群がっていた。

 少し遅れてハルカもそのあとに続く。


「俺たちも加勢しよう!」


「はい!」


 ルシアスとミオも距離を詰めた。

 とはいえ、他の連中に比べて随分と離れている。

 だが問題ない。

 アサルトライフルの有効射程圏内だ。


「攻撃だけなら!」


「私たちだって役に立てるはず!」


 二人のアサルトライフルが火を噴く。

 銃声と共に無数の弾丸がドラゴンを襲う。


「グォオオオオ!」


 ドラゴンが悲鳴を上げる。

 アサルトライフルの攻撃はしっかり通用していた。


 しかしながら、100発ほど撃ち込んでも致命傷には至らない。

 皮膚が頑強なためだ。

 銃弾は軽くめり込む程度で止まっていた。


「なんという攻撃力だ!」


「アースドラゴンが体中から血を流しているぞ!」


 同じグループのA級冒険者たちが驚いている。


「やっぱり普通じゃないわね、その武器」


 ハルカも感心していた。


「流石はハルカちゃんの見込んだ若手だ」


「これなら楽に倒せる!」


 たしかにルシアスたちの攻撃は致命傷に至らなかった。

 それでも、敵の動きを鈍化させるには十分だった。

 あとは仲間の仕事だ。


「グォオオオオオオ!」


 ドラゴンが薙ぎ払うように炎のブレスを吐く。

 それに対して、ハルカや他の冒険者は素早く跳躍する。

 垂直跳びなのに10メートル近く跳ぶ。

 魔法で作った風を足の裏で爆発させて跳躍力を高めていた。


「すげぇぇぇぇぇぇぇぇ!」


「なんですかあのジャンプ!」


 ルシアスとミオは大興奮だ。


「よっしゃ!」


「取り付いたぞ!」


「チャンス到来!」


 冒険者たちはドラゴンにしがみつき、ブスブスと剣を刺す。

 研ぎ澄まされた短剣は、ドラゴンの硬い皮膚もあっさりと切り裂いた。


「グォ……グォォオオオオ……!」


 アースドラゴンは飛ぶ力を失い、地面に伏せて実を丸める。

 どうにか仲間が来るまで攻撃を耐えようとしていた。

 しかし、その仲間は例外なく他の冒険者に足止めを食らっている。


「一斉攻撃!」


「うおおおおおおおお!」


 ハルカを含む4人の冒険者がドラゴンを斬りまくる。

 翼、胴体、尻尾、頭……全てに深い傷を負わせた。

 そして――。


「これで、おしまいよ!」


 ハルカがフィニッシュを決める。

 ドラゴンの首に剣を突き刺した。


 アースドラゴンが魔石になる。


「この調子でガンガンいくぞ!」


「おう!」


 ルシアスとミオがアサルトライフルで削り、ハルカたちが命を刈り取る。

 見事な連携によって、ルシアスのグループはドラゴンの殲滅に成功した。


「その謎の武器のおかげで俺たちが1位だな!」


 A級PTのリーダーを務める男が言った。


「初めて見る武器だが、自作か?」


 彼の仲間がルシアスに尋ねる。


「ま、まぁね。俺たちは発明家だから」


「なるほど。それでまだF級なのか」


 発明に勤しむせいでランクが低いわけだ、と誰もが勘違いする。

 それに対して、ルシアスは「そういうこと」と話を合わせた。


「他はあと2~3体か。手こずっているところに加勢しよう」


 リーダーの男がそう言った時だ。


「ヴォオオオオオオオオオオオ!」


 地面が震える程の咆哮が島に響いた。


「まさか……!」


 ハルカが唖然とする。

 そのまさかだった。


 盆地の中央にある火山からドラゴンが現れたのだ。

 見た目はアースドラゴンだが、大きさは通常の3倍。

 大地に巨大な影を作る程のサイズだ。


 それを見た他グループの冒険者が叫んだ。


「キ、キングだぁあああああああああああ!」


 A級の大ボス、アースドラゴンキングの襲来だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。