フェブリクの暗躍の一部
ヴィルから、レッドドラゴンの討伐には3週間要した。
理由はレッドドラゴンの火炎ブレス、範囲が広いため街の近くだと被害が出る、山は足場の不安定な場所だとブレスから回避が遅れる可能性がある、林や森だとブレスによる森林火災に巻き込まれる可能性があるため平野部で燃え移る物が無い事、これらの条件を満たすためまずは平野部で野焼きをし、そこにおびき出す必要が有ったためだ。
レッドドラゴンと対決する時はヴィルも素面で戦い、依頼終了後問題なく帰れた。ただ気になったのがレッドドラゴンに自分が傷付けた覚えのない傷が有った事だった。
次にニナの依頼、ガザに着き第一王子に挨拶をするべく王子陣営へと足を運ぶ。
そこで王子から、大司教殿との約束により23歳の婚姻に向け、第一候補だった勇者フェブリクとの婚約を今年末に決定する事を王国側から神聖国に申請したと伝えられた。
そしてこれは決定事項でフェブリクが死なない限り変更はできないとも。
なぜ王からではなく王子からかと言うと、王はフェブリクを信用しておらず、そのためフェブリクと反発することが有った、そのためフェブリクと教会は手を組み王より王子を支持し、貴族たちの大半も王より王子を支持した。
これにより王は形だけの存在となり実質の支配者は王子となっていた。
まぁこのような事態になったのもフェブリクとマリナの策のせいだが。
それはさておき、依頼前から憂鬱になるが依頼を放棄するわけにはいかず仕事をこなす。
予想通り蛮族との戦闘の回復要員にニナが必要とは言い難い物だった。
3~4日で一回、数人に回復をする程度だったからだ。
蛮族が以外にも粘り戦闘は3週間の時間を要した。
そして最後にナーサの依頼。
依頼自体は正当だった、なにせワイバーンキングとワイバーンの群れ350体の討伐に500人しかいないのだから、その中で兵器は50台で150人が操作に携わる。
ハッキリ言って無茶としか言えない。
このためナーサが呼ばれた事は理解できたのだが、問題はその隊を指揮する人物、グレイバー侯爵。
なにかと問題がある人物で、特に女性に対してだらしない人物だった。
グレイバー公爵はナーサの存在を知った時から狙っていたが、★2の実力者の上、仲間にSSのヴィルまでいる為強硬手段を取れずにいた。
だが今回は最高の協力者を得た事によりある計画を立て実行に移すことにしたのだ。




