王都教会の犯罪と逃避
14歳となり違和感しかなかった巡礼が馴染みだし、心にもゆとりが取れたのだろうか?細かい部分まで目が行くようになり、聖騎士団と教会からの世話役が異常な行動を取っているのを目にするようになる。それによりこの巡礼が清めとは名ばかりの汚れた巡礼であっる事が分かった。
お布施と言う名の膨大な金銭要求、滞在中の給仕と言う名の複数人の女性要求、従わない者には邪心に捕らわれたとして拷問を施し言う事を聞かせるなど。
私のスキル、聖女が悪用され娯楽や私腹やを肥やしていたのだ。
聖騎士団や教会からの世話役に止めるように言っても無視をされ、巡礼が終わった際に教会に司祭様に報告をしたが、逆に『そのお布施のおかげで私腹を肥やせる、そして君も今の地位に居られるのだから、それと給仕は巡礼同行者の楽しみでもあり、従わない者は教会に対し疑心を抱いていると言う事、どれも必要な事である。それにもしどこかに訴えても無駄だ、高位な貴族とて容易には我々に手出しが出来ないですからね!』と脅す様に言い放ち、私はどうする事も出来なかった。
そして14歳の二度目の巡礼が始まる、私はある決心をしていた。
この巡礼から抜け出すことにしたのだ。
とある小都市、時刻は黎明、金、酒、女、緊張感が緩み切った聖騎士団と教会からの世話役の警備された宿屋から忍び出るのは容易かった。
まだ朝日が上がってない街並みを駆け抜ける。
朝日が昇りだした頃、小都市の入り口の門が開くと同時に小都市から出ていく。
行き先など決めていない、せめて私が聖女だと知らない街を目指してひたすら歩く。
まずは隣町で冒険者になる事を目指すことにする、冒険者プレートは身分証明となるため絶対に必要である。
隣町まであと半日と言う所で、巡礼からの捜索隊と思われる人たちの姿を見かけた。
慌てて近くの森の中に身を隠すが、向こうも私を見付けたのだろう、追っかけて森の中に入ってくる。
ひたすら逃げる私、追っかけてくる捜索隊、時間を忘れ日が暮れたころ撒くことに成功したが、どのように逃げたかも分からず、森の中で迷ってしまった事を今さらになって自覚した。
森の中をさ迷い歩くと、焚火と思われる光が目に入った。
恐る恐る近付いていくと背中側から『こんな場所で何をしているの?』と女の人の声が、私は捜索隊の誰かかと思い警戒しながら振り向くと、そこには美形で知られているエルフの女性が一人立っていた。




