邪心の心に落ちた勇者
「あの剣は聖剣?!もしかしてあれはフェブリクか!谷を下りて対岸に行ったのか!それが何故あんな姿に?!」
ヴィルがフェブリクの変化に戸惑っていると、一瞬強い闇の光が煌めく!と同時に轟音と共にこちら側の城門が吹き飛ばされた。
「さっきのは剣戟なのか?太刀筋が全く見えなかったぞ!」
門が吹き飛ばされたことにより砂誇りが舞う中、兵達が集結し黒い光を発するフェブリクを打たんと武器を構える。
「ここで戦うな!街の外に出るまで手出し無用だ!」
兵士長の号令により兵達は一旦引いた、そしてフェブリクが城門を通り過ぎる。
こちらが抵抗しなかったからか、攻撃を繰り出すことなく街を抜けていく。
「俺達も行こう!」
俺は促し、フェブリクを追う俺達。
街を出たところで、兵達がC型の陣形でフェブリクを待ち受けていた。
兵C・フェブリク←こんな状態
「抜刀!包囲殲滅!一斉攻撃始め!」
兵士長の号令により一斉に抜刀し突っ込んでいく兵達。
だが!フェブリクから強い闇の光が煌めくと兵達が吹き飛ばされる。
一回の煌めきで陣形が崩壊するほどの攻撃、兵の約半数が吹き飛んでいた。
「く!体制を立て直せ!」
兵士長の号令が飛ぶが兵達は先ほどの一撃で及び腰になっており、先頭維持が難しい状態に見受けられた。
「リーリ!行くぞ!お前達は兵の回復を!俺達の支援は無しだ!変な事をしてタゲがそちらに行くと厄介だからな!」
ヴィルの指示に従い動き出すが、あの2人でも抑えれるとは思えなかった。
「ナーサ、ニナ、ここを頼めるか?」
「ダメです!あれは普通じゃない!」
「ヴィルとリーリさんに任せておいた方がいいって」!
ニナとナーサは俺を引き留めようとするが、マリナは何の事だか分らずにきょとんとしている。
だがその時、ヴィルとリーリさんが吹き飛ばされ飛ばされてきた。
飛ばされた2人は既にボロボロの状態で戦闘維持が難しいと一目で分かる程だった。
「時間を稼ぐから2人に回復を!」
俺は短剣を抜き低姿勢でジグザクに走りながらフェブリクに迫る。
ただでさえ背が小さい上に低姿勢とジグザクに走るのには訳が有る、向こうの攻撃の当たる可能性と範囲を少しでも小さくするためだ。
フェブリクの闇の光が揺らめいたと同時に全力で左に転げ避ける、と同時に闇の光が煌めき俺が元居た場所に一筋の何かで切り裂かれた地面が有った。
(まぐれで躱せれたが、次も躱せるとは思えない。)




