ボギー村
停留所からボギー村への馬車に乗り込む、馬車が動き出して15分ほどで城門にたどり着き、城内と城外の差に驚いた、城門内は家が密集していて、少し窮屈な印象を受けたが、城外は、人工物と自然が融合した良い街並みが広がっていた。
それから更に30分後には街並みを抜け、坂道へと昇ってく、ブリュークが小さくなったころ、対岸が見え、向こう側にも街が見えた。
「ブリュークと対岸に見えるビギー街は、元々敵対国の街だったのだが、今は王国の領土だ、王国に統合した直後は1人の領主が納めていたのだが、今は別々の領主が納めている、姉妹都市として有名だ。」
ヴィルが簡単にだがブリュークとビギー街の経緯を教えてくれた。
ややあって、馬車に揺られる事2日、ボギー村が見えてきた。
町の中に入り馬車を下りると、馬車は違う街へと走っていく。
俺達は村長の家を訪ねると。
「ようこそボギー村へ、村長のリックですじゃ。」
村長のリックさんは、見た目50歳ほどのお爺さんで、杖を突き歩いていた。
「依頼の件で来た、現状は?」
「ギルドに報告してからは静かなものですじゃ、ただ魔物の襲撃以来商人が来ぬのじゃ、ポーションも切れている状態でしてな、できれば負傷者の治療もお願いしますのじゃ、報酬ははずみますので。」
「ニナ、トモヤ負傷者の治療を頼む。」
「「はい!」」
「負傷者は教会で治療中ですじゃ。」
「「では、行ってきます。」」
ヴィルと、村長のリックさんの話で俺とニナは負傷者の治療をすることになった、教会には40名ほどが治療を受けていた。
ニナは魔法で、俺はポーションで治療していく。
大方治療が終わったところで、マリナが教会に走りこんできた。
「大変よ!魔物が襲撃して来たわ!すぐに町の入り口に来て!」
俺達が町の入り口に行くと既に戦闘がほぼ終わっていて、ヴィルが最後の1体にとどめを刺した場面だった。
「来たか、悪いが3人1組で周りの警護に当たってくれ、組み合わせは俺、ナーサ、マリナそれとリーリ、ニナ、トモヤ、俺達は東側を、リーリは西側を頼む。」
ヴィルの提案により警護に当たる、昼過ぎにボギー村に着いたのに知らない間に夕方になっていた。
一旦町に戻る事になったが、帰りの途中で巾着を見付けた。
「リーリさん、巾着が落ちていました。」
「誰かの落とし物かしら~?」
「何か入っているな、中を確認します。」
巾着の中には数種類の葉が入っていた、それを見たニナが驚いた顔をして。
「これ!非煙匂の集魔香だわ!」
「非煙匂の集魔香?何それ?」
「煙、匂いがない集魔香です。」
「あらあら、それって国が定めた禁止薬の1つじゃない~」




