少人数用の移転魔法陣
マリナが屋敷に帰って来た。そして定位置に〖ナーサの腕にしがみ付く〗収まった。
「マリナ、冒険者登録はしてるのか?」
ヴィルの質問に対し。
「貧乏貴族ですからね、少しでも生活の足しになるかと思い、登録しています、今のランクは★8です。」
「ちょうどいい、ギルドから特別依頼が有るから来てくれって連絡が有った、今すぐ行くぞ。」
ヴィルの号令で動き出す俺達、ギルド会館に到着後3階のギルド長室に案内をされた。
「来てくれたか、説明するから座ってくれ。」
ギルドマスターに促され、ソファーに座った。
「要件だが、城塞都市の一つ、ブリューク付近の村や町で奇妙な現象が起きている、その調査を領主から依頼をされた。」
「奇妙な現象ですか?」ヴィルの疑問にギルドマスターが答える。
「あぁ、50体以下の魔物の群れが、村や町をランダムで襲ってくる、しかもこの一週間で11カ所、回数は18回と襲われている、今のところは対処が出来ているが、原因不明の上に、このままでは対処が出来なくなる所も出てくる、そこで数PTに原因究明と対処の応援の依頼があった。」
「原因不明?移動は移転魔法陣ですか?」」
「あぁ、移動は少人数用の移転魔法陣を使う。費用はブリュークの領主である、ブランクシード様が出してくれている。依頼料も奮発をしてくれている。」
「気前がいいですね。」
「それだけこの問題を重要視しているのだろう、依頼を受けてくれるな?」
「えぇ、受けます。」
「よし!では、少人数用の移転魔法陣へ案内しよう。」
ヴィルとギルドマスターの話が終わり、移転魔法陣へと移動したのだがそこはギルド会館の4階の一室で、30畳ほどの広さに4人のギルド職員が部屋の角で待機をしていた。
「後は向こうのギルド職員が対応をしてくれる、頼んだぞ。」
4人のギルド職員が魔法陣へと魔力を込めると、魔法陣が赤く輝きだし、視界が変わった、と同時に磯の香りが漂ってきた。
魔法陣部屋から出るとギルド職員が立っていて。
「ようこそブリュークへ、会議室でギルド長と領主様からお話があります。」
会議室へと案内されると、既に数PTがそこに居た。
(あ!インペルも来てたのか!)
勇者がまたニナに絡んでくると思い、警戒をしたが、うつろな表情でボーっとしていた。
「勇者のやつどうしたの?」
俺はインペルのミリアに尋ねると。
「最近のアイツは変なんだよ、ボーっとしていると思えば、モンスターを見付けると異常に攻撃的になるし、この前なんか、オーガをめった刺しにした後、高笑いをしていたんだぜ、前から気持ち悪かったが、最近のあいつは異常だ。」
フェブリクの変化に戸惑いながら、ブリュークの領主とギルドマスターが入室するのを待った。




