フェブリクの見当違い
翌朝の早朝、食堂でニナとナーサと顔を合わすと顔を真っ赤にして目を合わせてくれない、リーリさんを見ると片手のジェスチャーでごめんとされた。
(リーリさん、ニナとナーサに何か吹き込んだな!)
と、思い二人に話し掛けるが目を合わせない、会話も続かない状態だった。
ん~、と困っているとインペルの女性陣が話し掛けてきた『昨夜露天風呂の廊下で倒れているフェブリクが譫言の様に《《秘密》》を知っている』と言っていたのを聞いており、自分達の前に露天風呂に入っていたのがニナ達なので確認に来てくれた。
俺は「あの子を呼んでくるニナ、ナーサ、ヴィル達に説明お願い。」と言い、ヴィル達に説明をお願いし、一旦部屋に戻り闇聖女に変身し食堂に戻った。
挨拶を終わらすと、ミリアが「トモヤは?」と聞かれたので「私がお使いを頼みました、かなりの量を頼みましたので暫くは帰って来れないかと。」と言い宿を出た。
全員で東門の外でフェブリクを待っていると、街の奥から横風にマントを靡かせフェブリクが歩いて来るが、歩き方が変にヒョコヒョコとなっていた。
私はインペルの女性陣を見ると。
「いや~ひどい状態で気絶してたからな!ハハハ!」
「気持ち悪いし、相手にしたくなかった。」
「ん、ポーションが勿体無い。」
「え~と、ああゆう所の治療は困ります。」
ミリア、アマル、サーニー、キャリンが答えてくれたが、私達と同じでそのまま治療もせず放置して部屋に戻ったみたいだ。
フェブリクが私の1m程前で止まり。
「待たせたな。」
(格好つけたかったのかな?歩き方変だったし、ダサイとしか言えない。)
「ダ…コホン、さっさと用件を言って、これでも忙しいの。」
(あ!口が滑っちゃた。)
「だ?…まぁいい、君のスキルの事だ!」
「私のスキル…ゴックン!」
私の両肩を力強く掴み「俺を…惚れさせるスキルだろ!!!」とを言ってきた。
「「「「「「「「「・・・・・は!?」」」」」」」」」」
全員、フェブリクの言っている意味が理解出来なかった。
「俺様みたいに格好いい男を惚れさせるスキルに違いない!まんまと一目惚れしたぜー!そうと決まれば君もニナ、ミリア、アマル、サーニー、キャリンと同じように愛してやる!!・・・ナーサは…おまけだ!着いてくるがよい!!」
集まった全員が口を開け、ポカーンとした。
フェブリクは何を勘違いをしたのか、私を引き寄せ抱き着かれた。
「そうと決まれば、早速挙式だ!全員毎晩寝かさないからな!!!ワーハハハ!!」
「ギャーーーー!!キモチワルイ!!」
私はフェブリクを力いっぱい突き飛ばし振り解くと、私とニナ以外がフェブリクを囲み。ミリアが胸倉を掴み反対の手を大きく振りかぶり。
「テメーと結婚するぐらいならキモイ貴族の方がましだ!」
思い切り顔を目掛け振り抜かれる。
「ぶべら!」
そこからアマル、サーニー、キャリン、ナーサと順番に胸倉を掴み、拒否の一言を言って、ビンタをしていった。
フェブリク、足腰が立たず地面にペタンと座り込む、その顔は腫れ、見るのも無残な姿へとなった。
私とニナも「二度と近寄らないでください!」と言い、フェブリクを置いて街に戻った。