ニナ、ナーサとデート
次の日、俺とニナ、ナーサはギルドに行きギルドカードの更新することで、2ランクupの★8となった。
その際、ギルドの受付嬢の説明で〖★8となった事により、ギルドに対しての貢献ポイントが今までより“多くなる”、との事だ、これは新人育成のため★の10と9は貢献ポイントを低くする事により、⦅冒険者の基礎を低ランク中に一つでも多く身に付けて、負傷する確率を少しでも少なくなって欲しい⦆との思いで制定されている処置だ〗と説明してくれた。
カードの更新が終わったと同時にギルドの入り口が騒がしくなる。
「おい!あの子!あの子の情報は入ったのか!」
入り口には、勇者のフェブリクが騒ぎながら、俺たちの横の受付に怒鳴り込んで来た。
それを冒険者は(騒がしいのが来た)とのウンザリした顔で眺め、ギルド職員は(またか)との少し嫌な顔をしながら「まだ何も。」と対応に追われている。
(あの子って誰だろう?もしかして教会からの依頼で闇聖女を?…違うよね?)
俺、ニナ、ナーサは視線を合わせて軽く頷き、フェブリクに見付かる前にフェードアウトした。
(あの勇者が、またニナにちょっかいを出すと厄介だからね。)
ギルドから出て、ポーションの補充の為に道具屋へ向かう途中でナーサが。
「ねぇねぇ、あそこで休憩しよ。」
そう言って指差した先には、通りの横に、屋根と低めのベンチがH型に設置された休憩所だった、その中心《横棒》部分には小さな小川が流れている。
ニナとナーサはベンチに並んで座り靴を脱ぎ、ベンチの小川に素足になった足を入れた。
(二人共、すらりとした、とても綺麗な素足だ…変態ぽっいかな。)
「はぅ、気持ちいい。」
「とても気持ちが良いですね、トモヤさんも、座って足を浸けて下さい。」
ナーサはとても気持ち良さそうにし寛いでいる、ニナに促され座ろうとすると。
「トモヤ、こっちに座りなさいよ。」
ナーサの横のベンチをポンポンと手の平で叩く、その時昨日のニナの寂しげな顔とナーサの膨れっ面が頭に過った、俺は少し迷ったが、お互いの顔が立つように、と。考えて。
「出来れば二人の間に座りたいな。」
「いいですよ、どうぞ。」
ニナは、ナーサとの間隔を開けてくれた、だけどナーサは、面白くないって顔をしながらそれを詰める。
「ナーサ、意地悪はだめよ。」とニナが叱り、しぶしぶナーサが間を開け。
「フン!さっさと座れば?」
不貞腐れた様な態度でそっぽを向いた。
俺は苦笑しながら靴を脱ぎ、小川に足を入れた。
「この小川、温かい、これ足湯だね。」
「トモヤさん、知っていたんですか?」
「うん。」
ニナと話しているが、ナーサは不機嫌なままそっぽを向いたままだった。
(ナーサが不機嫌なままだと調子狂うな、ただニナとも、もっと仲良くなりたいし…よし!勇気を出すぞ!)
「ふぇ?!」
「ト、トモヤさん?!」
俺は思い切って二人の肩を抱き寄せた。するとナーサは変な声を出し、ニナは慌てた様な声を出したが、それは最初だけだった、しばらくすると緊張が解けてきたのか、二人共身を任せてくれて、上機嫌になった彼女達との話が盛り上がった。
その後、買い物を済ませ夕方に宿屋に帰ると、ヴィルに怒られた。
(しまった!昼からヴィルとの戦闘訓練を忘れてた!・・・だけど、しかたがないよね。)




